シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年03月04日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 今度は、以前から観察してきた、鷲と反対の別の対極、つまりヒンズー教徒に崇拝されている牛という対極に眼を転じる。確かに、牛は、鷲に対する正反対の極である。鷲が人間の頭に非常によく似ているように、牛は人間の新陳代謝組織に非常によく似ている。

 牛は消化動物である。奇妙に聞こえようとも、この消化動物は本質的には霊的実質から成り立ち、食された物質的実質は、この霊的実質へと引き入れられ、混入される。つまり、牛のなかには霊的実質があり、物質素材が、霊的実質が存在する至る場所に入り込み、霊的実質に摂取され、加工消化される。

 物質的実質の霊的実質への混入を徹底して遂行するには、牛の消化の営みは念入りで徹底的である。牛の消化は考え得る限りの徹底した消化であり、この点で、実際、牛は消化に徹底した動物であるように気を配っている。

 消化に関して、牛は完璧な動物である。事実、牛は、牛という動物としての存在の核である自我を、宇宙から地球の重力圏へと引き下ろす。

 血液の重量と全体重との比率を、牛と同じにする動物は存在しない。(他の動物は)体重に対する血液の比率が、牛よりも多いか少ないか、いずれかである。

 そして重量は重さと、血液はエゴ性(利己性)と関係がある。ただ、人間だけがもつエゴ(利己)ではなく、人間のエゴに近い、個別に類似する霊的言語と関係がある。

 血液は人間を人間にし、動物をも動物にし、更には高等動物にする。従って次のような結論に至る。

「牛は宇宙の謎を解いた完璧な動物である、といわれるのは、血液の重さと全体重の重さとの正確な比率をどのように保つのか、という謎を解いたからである。」

 太古の人々が獣帯(黄道十二宮)を「獣帯」と名づけた理由がある。獣帯は12の部分から成り、いわばその全体が12の個々の部分に分けられている。宇宙や獣帯からやってくる力は、諸々の動物のなかで、その動物自らを(言語として)形づくる。



 (以前、牛は、体重の8分の1を常に交換していないと生きられないと、シュタイナーはこの講義で述べている。血液は、全体重の12分の1なので、12分の1で、8分の1の輸送力が必要となる。「(1/8)/(1/12)=3/2の1.5倍の力が必要となる。」

 牛の場合血液の重量は体重の12分の1だが、驢馬の場合は僅か23分の1、犬の場合は10分の1である。どの動物も異なった比率になる。人間の場合、血液(の重量)は体重の13分の1である。

 (人間の13分の1の13という数は、しばしばキリストと十二使徒の数として象徴される。)

 この事実からわかるように、牛は、動物という存在全体を、宇宙言語として自らの重量のなかに現わすことを、可能な限り、徹底的に表現することを目指してきた。

 この講義から、牛は、本来、天的な存在を、物質的実質のなかに具象化し、それは牛のアストラル体に見て取れる、と述べてきたが、牛自身のこの血液と体重の重量比率のなかに、獣帯の12分割を正確に維持し表現していることが現われている。

 牛の内部は宇宙を象っている。牛においては、全ての霊的実質のなかに、地球の様々な力が取り入れられている状態にある。地球の重力は牛のなかの獣帯の比率で分割されることを余儀なくされる。

 地球の重力は、その12分の1をエゴ性へと展開させることで応じざるを得ない。牛は宇宙全てを地上的な比率のなかに押し込み、牛がその霊的実質のなかにもつ地上的比率のなかに表現する。

 以上のように、牧場に横たわっている牛は、事実、霊的実質であり、この霊的実質は地球の物質的実質を自らのうちに摂取し、吸収し、自らに似たものにする。

 牛が死ぬと、牛自らのうちに担っている霊的実質は、地球全体の生命の恵みとなるために、地球の物質的実質と共に、地球に摂取される。従って、牛に対して、次のような感情を持つのがよい。

「汝は、地球が必要とする霊的実質を絶え間なく与え続けているのだから、供犠の動物である。汝が地球に与えなかったら、地球は、この先存続できず、硬化し、干からびてしまうだろう。汝は地球に絶え間なく霊的実質を与え、地球の内的な活動や内的な生命力を回復させている」、という感情である。

 そして、地に、牛のいる牧場をみて、上空に、飛翔する鷲をみるとき、注目すべき一対の両極が得られる。



 鷲は、地球にはもはや使用できず、霊の国に戻す必要のあるものを、地球から取り除く。牛は、地球が回復力として絶えず必要としているものを、霊の国から、地中にもたらす。

 ここで、秘儀参入学から浮かび上がる感情を知るだろう。というのも、通常、以下のように信じられているからである。

 「秘儀参入学のようなオカルトを研究しても、結局、その研究から得られるのは妄想以外の何者でもない。感覚的な観念で頭を一杯にするのと同様に、超感覚的な観念で頭を一杯にしているだけである。」

 ところがそうではない。秘儀参入学において、先に進めば進むほど、以前は予感や予期もしなかった、どんな人にも無意識に存在している感情を、魂の奥底から引き出すようになり、あらゆる存在を、以前、感じ取っていたのとは別様に感じ取るようになる。

 (潜在意識から、引き出してくるので、世界観が変わっていく、ということだろう。)





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Last updated  2010年03月09日 16時57分38秒
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