シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年07月07日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、では、秘儀の精神から、包括的な世界認識に至る探求の方法と、現代で試行されている方法とを比較してみる。

 この比較により、この包括的な認識へと導く方法との関係から、人間は、自身の方向性を見つける位置に立つことになる。

 数千年前の太古の世界では、その神的な基盤、もしくは神的本質に関して、現代の権威ある学識者が語る方法とは、全く異なる方法が語られていた。

 例えば、近東(東ヨーロッパ;エフェソス[1]の秘儀のことかと思われる。)の秘儀において崇高で壮大な知識が栄えた数千年前の時代を振り返ってみる。その知識の特徴を簡潔に記述することで、その本性を綿密に覗き見てみる。

[1]エフェソス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%BD%E3%82%B9

 古代カルディアでは、次のようなことが教えられていた。

「人間の魂の力の可能性を、最大限に引き出すには、睡眠時(意識が朦朧とし、周囲の世界が忘却の彼方にあるとき)と、覚醒時(明確な視力をもち周囲の世界を意識しているとき)との素晴らしい対比に、精神の目(心眼)を向けなければならない。」

 数千年前の古代では、生活のなかで、交互に入れ替わる睡眠の状態と覚醒の状態は、今日とは異なった形で経験されていた。

 当時の睡眠は、今ほど無意識なものではなく、また覚醒時の生活は、今ほど十分に意識的ではなかった。睡眠中、人間は、力強く、絶えず変化するイメージや、活発な流れや動きの世界を意識していた。当時の人間は、神的な基盤や、宇宙の本質に通じていた。



 古代では、対象は、精神的な特質を様々な形で放射していた。現在のように、睡眠から覚醒への不意の移行は存在しなかった。当時の人間たちは、睡眠と覚醒の状態を識別できた。

 当時では、覚醒時の生活環境を、「アプシュー」と呼び、覚醒時の生活における鉱物、植物、動物間の明確な区別を鈍らせる、睡眠時に経験する活発な流れや動きの領域を「ティマート」と呼んだ。

 さて、古代カルディアにおける秘儀の学院では、睡眠中、ティマートの流れや動きに与るとき、(覚醒時の)鉱物や植物、もしくは動物たちの中で、意識的な生活を送っているときよりも、真実や現実に近い、ということが教えられた。

 ティマートはアプシューに比べて、神的基盤に近く、人間界と密接に関連していた。アプシューは、ティマートよりも、離れた処にあった。ティマートは、人間に近い処で、何かを表現していたが、時間が経つにつれ、ティマートは変化を被った。

 そして、秘儀の学院で学ぶ弟子たちに、次のような事実が知らされた。

 ティマートの活発な流れと動きの中から悪魔のような形、人間の頭に馬の身体をもった存在や天使の頭に獅子の身体をもった存在が現れた。それらの存在は、ティマートが織りなす中から生じ、人間に敵対するようになった。

 そして、力強い存在のイアが世界に出現した。耳を持つ現代人なら誰でも、いかに、「イ」、「ア」という2つの母音のつながりが、「イア」という力強い存在を指し示しているか、を感じることができる。

 つまり、古の秘儀の教えによると、ティマートの悪魔が強力になったとき、人間を助けるために、人間側に立った存在を、「イア」は指し示している。

 イア(IA)、もしくはエア(EA)は、「ソフ(Soph)」という接頭語が、後につけられ、ソフ-イア(SOPH-IA)、つまりソフィア(Sophia)になった。

 イアの大よその意味は、 「抽象的な叡知、あらゆるものに浸透する叡知」 である。ソフは(大体において)存在状態を示唆する小詞である。



 或いはまた、人智学的にいえば、「神界に参入する」という意味にもなるだろう。哲学とは、神界への参入法、或いは、キリスト教的にいえば、神の叡智を受け入れる聖杯になる方法といえるだろう。

 現代では、哲学とは、「思考すること」という意味が大きいが、古代では、思考は、神の叡智の存在を意味し、神からくるものなので、神から言葉を受け継いだ、「預言者」という意味が強いようである。)

 すなわち、全てのものに浸透する、どこにでも存在する叡知の、Sophia、Sophea、Sopheiaが、母親として、当時ではマーダックとして知られ、後にミカエルと呼ばれるようになった息子を、人間を助けるために、遣わした。

 ミカエルは、天使の位階を権威として付与された。叡知であるイアの息子マーダックと同じ存在で、つまりマーダック=ミカエル(大天使)である。

 秘儀の教えによると、マーダック=ミカエルが偉大で強力だった為、全ての悪魔的な存在、人間の頭を持つ馬や天使の頭を持つ獅子の形をした存在等の、波打ち、蠢く悪魔の形をした存在たち全ては、強力なティマートとして合体し、連合して、マーダック=ミカエルに対抗した。



 夜(睡眠時)から誕生した全ての悪魔的な力を体現するティマートは、人間の敵の強力なドラゴンとしてイメージされた。

 そして、この怒りの火を吐くドラゴン存在がマーダックの前に進出した。ミカエルは初め、様々の武器で、ドラゴンを打ちのめし、ついで、ミカエルの嵐のような力の全てを、ドラゴンの内臓へと送り込んだ為、ティマートはバラバラに砕けて飛び散った。

 そして、ドラゴンを退治することで、マーダック=ミカエルは、ドラゴンの中から上なる天と下なる地を創造した。こうして、天と地が生じた。

 (なんだか、ウルトラマンを髣髴とさせるような話でもある。

 とある霊能者によると、ウルトラマンは、牛寅「鬼門の北東の方角」マンを意味し、牛寅の鬼門からくる魔物を退治するスサノオを表現するという。スサノオは、西洋でいえば、大天使ミカエルに準えることもある。

 ウルトラマンが幼児に人気があるのは、前世の古代に生きたときに、マーダック=ミカエルの存在が、魂の奥底の経験の記憶として残っているためなのかもしれない。)

 秘儀の教えとは、以上のようなものだった。叡智イアの長男がティマートに打ち勝ち、ドラゴンの一部から、上なる天を、また別の一部から下なる地を作り出した。

 もし、現代人が、天空の星々に目を向けるなら、そこに見るのは、ティマートの恐ろしい深淵からマーダック=ミカエルが人類のために、天に造り出した一部なのである。

 また、もし、鉱物化された地球から植物が生え、その下方の鉱物が形成され始める地中を見るなら、そこには叡智イアの息子が、人類のために再創造した別の部分が見出される。

 古代カルディア人たちは、上記のように、世界の形成期を、つまり、無形から形が形成された時代を振り返った。古代カルディア人たちは、創造の工房を覗き見ると同時に、活動的な現実を知覚した。

 これら全ての夜に出没する悪魔やモンスターたち、すなわち波打ち織り成すティマートの存在たちは、マーダック=ミカエルによって上なる天体と下なる地球に変えられた。

 太古の人間は、その古い魂の属性を通して、自身の処へと来た全てを、上記のような形態としてイメージした。

 つまり、マーダック=ミカエルによって、悪魔たちの皮は、輝く星々に変えられ、また、ティマートの組織は、地球に生え出る植物や鉱物などに変えられた。当時の人々は、このような情報を知識と考えた。

 また、秘儀の祭司たちは、弟子たちが示す魂の力を探求することで、(弟子の)将来を予想した。そして、弟子たちが十分な魂の力を発達させたとき、今日の子供たちが学校で最初に教えられるような基礎知識、「地球は太陽の周りを回り、宇宙は星雲から形成される」、というような知識を理解する段階に達した。

 古代では、上記のような現代の基礎知識は、堅固に守るべき秘密とされた。他方、公然と教えられていた知識は、上述したマーダック=ミカエルの行為等の知識だった。

 今日の学校や大学(秘密の遵守が要求されることもない)では、また小学校においてさえも、コペルニクスの体系や天文学や宇宙物理学などが教えられている。

 しかし、太古の時代において、現代の基礎知識からくるような課題に取り組むことを許されたのは、聖人たちだけで、それも長い準備を経た後だった。今日では、小学校の教科にもなり、どの小学生も知っている基礎知識を学ぶことができたのは、当時は秘儀参入者たちだけだった。





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Last updated  2010年07月14日 11時46分16秒
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