シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年07月21日
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カテゴリ: 神秘体験空間

人間の意識状態に関係する鉱物世界の形態と実質


 第2講で試みたことは、精神的な訓練や瞑想を通して、高レベルの意識を発達させるときの人間の魂の経験に関する理念を示すことだった。同時に、通常の覚醒意識によく見られる不調和で混乱した夢の経験を、覚醒意識での生活における完全な意識的で具体的な経験へと変化させることができる、ということも示した。

 (現代人は、覚醒意識が発達しているので、感覚による物質世界の意識レベルを唯一のものだと思い、物質世界以外の世界にも、もちこんでしまうため、不調和で混乱した夢をみる。つまり、物質世界の投影として、霊界をみてしまうが、本当は、物質世界が、霊界の投影であると、シュタイナーは説く。)

 第2講で述べたように、覚醒意識を保ったまま、睡眠中も、眠らずにいれば、通常の覚醒意識に、ある程度連なる(高次の)意識レベルを達成できる。

 そのとき、例えば、高次の魂界、すなわちアストラル平面と関わりを持つ動物界を、その全体性において知覚することになる。

 (動物の背後の種を統べる存在を知覚する。)

 次に示したのは、(物質世界の)感覚からくるイメージを脱ぎ捨てた十全なる覚醒意識、つまり、この(秘儀参入の)第2段階の高次意識レベルにおいて、星の世界に到達し、地球を覆う植物の真実を、星の世界から初めて知るようになるとき、植物界の全体性が顕現する有様を知覚できる、ということだった。

 (例えば、禅の空の意識など。)

 そのとき、地球から生えているように見える植物は、植物へと滴り落ちる露のように輝く、星の世界の壮大さや偉大さを映すイメージであることに気づく。



 そのとき、地球を省みると、植物界が実際には宇宙のイメージ、もしくは宇宙的な行為を映すイメージである、ということを知覚する。

 ここにおいて、一方では星の世界を、他方では植物界を観察するときに遭遇する特別な現象に注意を払う必要がある。

 この特別な現象を、全く内(精神)的な経験の観点から、正確に生起する通りに、つまり、直接的かつ精神的な経験や探求によって明らかになるままに、ここに記述するつもりである。

 ここに記述する事実を裏付ける文献やその他の伝統も存在しないが、これまで述べた方法で精神的存在を探求するなら、知り得る特別な現象について、最初に指摘する。

 では、次のような像を思い描いてみる。

 上方に星の世界が、下方に地球がある。そこで、探求を開始する地点を、観察地点と呼ぶ。もし、既に述べたような第2段階の意識、つまり星の世界や植物界の真の存在を見ることができる意識に達しているなら、宇宙には元型(モナド)が存在し、その元型が、鏡に写るイメージのようではなく、生命をもった植物の形で地球に映し出されている、ということを確かめることができる。

 もし、硬い地球がなければ、植物も存在し得なかっただろう。それは、鏡が光を遮る障害物として働く(でなければ、鏡は反射できない)のと同じように、植物が地球上に存在するためには、地球は(植物の)反射媒体として働かなければならない。

 このような事実を更に追求できる。すなわち、この第2段階の意識、すなわち(物質界の)感覚によるイメージから独立した覚醒意識を発達させた後、更に、魂の内(精神)的な強さである、全被造物、全生物に対する愛の精神の発達に向けて、次の一歩をも踏み出すことができる。

 しかしながら、この新しい力の獲得が、認識へと向かう確かな力として認められることは滅多にない。

 もし、この宇宙の、極めて別様に構成されている領域が、以前のように星々で輝いているようには見えずに、まるで異なる世界としてみえ、この精神的な存在たちが住む場所となっている領域に参入した後、愛の力が、秘儀参入者の心と魂を満たすならば、

 或いは、もし、いわゆる宇宙の精神的な大海への航海へと乗り出した後、自らの精神的、魂的、肉体的な自己同一性を保持し、無限の愛と献身の力を全存在に拡張できるなら、自らの洞察や理解を、段階を追って完成に導くことができる。



 そして、そこでも再び、活力ある生きた現実として、植物界の元型(モナド)に近い存在を見つけるが、今度、示される像は、全体として植物界のもの(自我)とは異なっている。

 そのとき、宇宙の生命ある現実、つまり、地上で見られる鉱物-結晶の世界は、宇宙の中で働く精神的な原則(神々)が創造したものである、ということを知るようになる。鉱物-結晶は、段階を追って地球に下降してくるが、(植物のように)地球によって反射されるのではない。

 この点が植物との決定的な違いである。

 意識を鉱物-結晶世界に関する思考から宇宙へと上昇させ、再び地球を振り返るとき、もはや地球は鏡として働いてはいない。つまり、観察者の視界から、地球が消滅しているような印象を持つ。

 鉱物の場合、植物のように、下方にある地球が、高次の存在たちを反射している、とは言えない。地球は反射媒体として働いているのではなく、(鉱物に対しては、)消滅しているように見える。



 この待ちの期間が余りにも長引くようなら、恐怖心は増幅され、恐怖に駆られるようになるだろう。そのとき、秘儀参入者の足下にもはや地面はない。

 従って、もし、その深淵の彼方に向けて、能動的な歩みを進めることを可能にする心の状態、いわゆる自制心を維持できなかったら、全く未知な感情によって、パニック状態に陥ってしまうだろう。

 この恐怖心に打ち克つために、精神的な視界(霊眼)では、もはや存在しない地球を超えて、遥か彼方を見なければならない。

 そのとき、宇宙に関連した鉱物界の側面ばかりではなく、環境全体に対する関係についても熟考するように強いられる。もはや秘儀参入者にとって地球は存在しなくなる。鉱物界を1つの全体として見るべきである。

 そのとき、秘儀参入者は、動物界や植物界だけでなく、鉱物界、特に結晶構造をもつ鉱物を超感覚的に知覚する能力をも発達させる。なぜなら、鉱物の結晶構造は、高次世界への探求を望む者にとって、観察や研究のための素晴らしいフィールドを提供するからである。

 (結晶構造のなかに、高次世界の秘密が隠されている。プラトンは、自らつくった学院の門前に、「幾何学せぬ者通るべからず」と掲げたのは、このような意味をもつのだろう。

 プラトンの図形は有名だし、プラトンのイデア論は、3次元世界から4次元世界、更には高次元世界をイメージする方法である。

 古代ギリシアの賢者は、人類から次第に霊能力が失われていく危機感をもったという。ソクラテスからプラトン、プラトンからアリストテレスへと受け継がれたのは、霊能力を回復させる秘儀参入法であるという。

 人間の構造が変わるにつれ、霊能力も異なるものになり、秘儀参入法もまた時代に応じて変わらざるを得なくなる。

 だから、仏陀の時代の悟りの方法、つまり八正道が、現代にもそのまま通用するわけではない。時代に応じた、更には個人個人に応じた、悟りの方法がある。

 中世の西洋の薔薇十字の方法なども、聖堂騎士団が、保持した聖杯の方法なども、また様々な秘密結社が試行し採用した方法なども、霊能力の再獲得に他ならない。

 映画「スターウォーズ」をみると、この事が、非常にわかりやすく表現されている。「フォース」というのは、叡智、霊能力のことであろう。「ダークサイド」は黒魔術である。)





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Last updated  2010年07月28日 16時55分01秒
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