シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年08月12日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 また、例えば、多くの聴衆の前に立つことをイメージしてみる。精神世界に参入する瞬間、多くの聴衆の明瞭に規定された、その全ての輪郭が消滅する。その代わり、超感覚的なイメージの形で投影された聴衆の魂と精神を知覚する。

 そして、周囲の神秘的で精神的なオーラが次第に、参入者を包み込み、新しい世界、死者が死後、居住する世界が生じる。そのとき、参入者は、別の事実に気づく。

 すなわち、もし、いま参入した、この中間的世界が至る所に存在していなかったら、人間は、目や耳を、つまり感覚器官をもたなかった、という事実に気づく。

 化学者や物理学者たちが記述する世界は、人間に感覚器官を提供できない。従って、もし、死後の世界がなければ、人間は見ることも聞くこともできなかっただろう。

 もし、死後の世界がなければ、人間の中に感覚器官を組み入れることは不可能だった。 

 ブルネット・ラティーニがスペインから生まれ故郷のフィレンツェ近郊に戻る途中、若干の発熱に苦しみ、この中間的世界への扉を開けたとき、彼が発見した驚くべき事実とは、上記の事実だった。

 彼は人間の感覚器官が、この別の世界(死後の世界)の賜物である事実に、すなわち、もし、この中間的世界(死後の世界)が感覚により経験される世界(現世の物質界)に浸透していなかったら、人間の感覚は全く発達していなかったという事実に気づいた。

 人間という地位は、人間の感覚器官を、この第2の世界、いわゆる、この中間的世界との結びつきに負っている、という事実により決定されている。



 というのも、水素、酸素等の特質は、感覚とは全く無関係だからである。科学者が、例えば、スミレやアギ(セリの一種)の香り、つまり、一方は善い香りで、他方は極めて不快であるという香りを、その化学的組成に従って名づける化学名は、何1つ意味をもたない。

 第2の世界においては、香りや臭いとして現象化する全ては精神化される。第2の世界の立場から記述するなら、臭いは、希薄化された空気、精神によって完全に浸透された空気(精霊)である。

 人間の感覚は精霊界に根ざすので、そこではまだ、土、水、火、空気について語ることに意味がある。

 人智学徒は、これまで誤解されていた知識を正しい理解へと発展できる。自らを論理的、客観的であるとし、古い時代の素朴な観点は捨て去ったと主張する現代の哲学者は、このような事実を前にして、どのような態度をとるのだろうか?

 現代の哲学者は、昔の概念は原始的で、当時、人々は粗雑な元素である土、水、火、空気についてだけ語ったが、今日(1924年)ではその4つ、5つの元素だけでなく、70から80の元素(現在では103)が知られている、と主張する。

 さて、もし、古代ギリシア時代の典型的な観点をもつ人が、現代に生まれ、自ら(古代ギリシア)の観点について訊かれたなら、次のように答えるだろう。

「現代人は勿論、現代の方法で、現代の観点から酸素や水素のような元素について語るが、古代ギリシア人が4つの元素だけで、全てを理解していたことを忘れている。

 現代人は、元素(精霊)界の構成に気づいていない。現代人は、元素(精霊)界について、もはや何も知らない。現代人の言う72や75の元素全てが存在していたとしても、感覚器官は決して生まれてこなかっただろう。

 何故なら、感覚器官は4つの元素から構成される元素(精霊)界から生まれてくるからである。感覚器官を備えた人間の体が、どのように組み立てられているのか、について現代人よりも、よく知っているのは我々古代ギリシア人である。」


 ブルネット・ラティーニのように秘儀参入に向けて第1歩を踏み出した古代人が受け取ったイメージについて推測するには、これらのイメージが魂や精神の生活にとって、どのような意義をもっていたかを、つまりこれらのイメージにより、魂が受ける活動的な刺激や、その予期しない衝撃的な影響に、注目する必要がある。

 もし、これまでのイメージ感覚のリアリティを信じてきた人が、そのリアリティは、人間の感覚器官をも創造できなかったという事実と、そのリアリティの背後には、これまで述べてきた全てが存在している、という事実を見つけるなら、その影響は、計り知れない大変なものとなる。

 現代人が通常抱いているような自然に関する古ぼけた不毛な概念をいつまでも長引かせるなら、古代の叡智のような知識や理解を発達できない、ということに気づくことが重要である。



「感覚的な経験を通して、自分が知っている山は全く活気のない存在のように見える。自分はこれまで、その山が生命力に浸透されている事実に全く気づかなかった。今、その真相が明かされる。

 以前、静的で不活発のように見えた雲の中に、これまで気づかなかった生きた生命が躍動しているということが今、明らかになる。

 あらゆる全てが活気づけられ躍動し、波打ち脈打つ生命の中で、根本的な真実が明らかになる。」





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Last updated  2010年08月19日 16時53分45秒
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