シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年10月08日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 古代人たちは、月の領域への探求や、月の領域での死者たちとの出会い、そして、月の領域から、人間の世界が、どのように見えるか、について多くの語るべき事実を持っていたと同時に、真の探求者である太古の秘儀参入者や月存在たちに支配される世界への活発な興味が、古代には常に存在していた。

 コペルニクスは、太陽中心説を、地上的意識による観点から打ち立てた。古いプトレマイオスの体系は間違いではなく、月の領域に関する意識の観点から見ると正しい。

 (プトレマイオスは、太古の暦で、要するに旧暦といえる。)

 さて、古代の探求者、すなわち月領域の秘儀参入者に特徴的なのは、古代の探求者の活動が、月の領域に限られている、ということである。 

 現在(1924年)の人智学協会が以前は神智学協会の一部であったが、神智学協会は、最近になって設立された多くの同種の協会と同じく、豊富な文献を収集しているが、この文献を参照するなら(正しいか間違いかはさしあたり重要ではない)、月の(精神的)存在との関係で探求可能な、今述べている月の世界、いわば月の領域の世界への言及がなされている、ということがわかる。

 神智学協会で働いてはどうか、という提案があったとき、その提案は、私(シュタイナー)にとって重要な意味を持っていたが、当初、ある困難に直面した。それは、神智学協会では、研究や文献が月の領域だけに限定されている、ということがわかったからである。

 (シュタイナーは、このために、神智学協会と袂を分かつ。)

 上記の文献は、確かに多くの間違いも含んでいたが、H.P.ブラバツキーの著作には、ユニークで非常に重要な事柄が特に多く含まれていた。しかし、H.P.ブラバツキーの著作の中に見つけられる全ては、月の領域との彼女の交流と、月の領域に犠牲行為として滞在することを、自ら選んだ秘儀参入者と彼女との関係のなかで決定された。



 1906年から1909年にかけて書いた「神秘学概論」の中で、月、太陽、土星という、地球の太古の受肉状態を記述したが、私(シュタイナー)の記述は、月の受肉状態だけで終わることなく、遥か昔の土星の受肉状態にまで遡って地球を記述した。

 一方、神智学に関係する、上述のような月の内容を語った秘儀参入者全ては、月と太陽の間で説明を完結させ、実際には、月領域にまで地球の受肉を辿っただけだった。月より前の地球の受肉まで遡るべきである、という私(シュタイナー)の趣旨のいかなる示唆にも無関心か、ときには苛立ち、反発の感覚をもって、迎えられた。

 月までの秘儀参入者は、月より前の道は、超えることのできない障壁によりブロックされているため、不可能である、と断言した。当然、その理由を理解することは最重要であり、無関心ではいられない。更に親密になって、まもなく明らかになったのは、月だけの秘儀参入者たちは、現代の科学的な観点に対して敵意や反感を持っている、ということである。

 月だけの秘儀参入者たちは、ダーウィンやヘッケル、彼らの追随者たちの考えを紹介されると、非常に憤慨し、その考えは、子供じみて、馬鹿げたものだと見なし、関わりを持つのを拒否した。当初は、ゲーテの考えには、それほど反感を示さなかったが、結局、彼も現代の科学者の言葉で語っているとして、退けられた。 

 要するに、科学者たちの考えは、月までの秘儀参入者たちにはアピールしなかった。月を超えて、太陽や土星の領域にも参入できるということを、初めて理解したのは、私(シュタイナー)が1906年から1909年にかけて、現代科学の思考に没頭し、イマジネーション(霊視力)を吹き込んだときである。

 私(シュタイナー)は、科学的な概念、すなわち、ヘッケルやハクスレーの思考法に基き、それを認識の手段として用いたのではなく、現代科学の観点がいまだ存在せずに、科学的思考とは別の、(死者の)夢の世界にイマジネーション(霊視力)を持ち込んだ。

 そして、高次の覚醒意識が達成可能な時代に、秘儀参入者たちが遭遇した限界を克服するための内(精神)的な動機づけに、科学的思考法を用いた。

ハクスリー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC

ヘッケル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%AB



 そのとき、土星、太陽、月という、一連の(地球の転生)全体が理解でき、太古の秘儀参入者の認識を地上で探求することが可能になった。 

 月を超えて、太陽や土星への参入が、いかに生じたかを、理解するために、この講義で、この認識方法をいま記述している。

 結局は、その方法も、個人(主観)的な説明にすぎない、と言う人がいるかもしれないが、月を超える場合、そもそも個人(主観)的要素は、実際、完全に客観的になる。

 著書「神秘学概論」に対して向けられた批判は、その本が数学の教科書のように書かれ、そこで議論された進化の方法全体が、いわば数学的な公平無私の態度で記述されている、というものだった。

 しかし、本に記載した方法は、私(シュタイナー)が霊視により正確に記述した通りで、この方法は、コペルニクスやガリレオの時代以来存在し、ゲーテにより豊かにされた思考様式が、通常、イマジネーション(霊視)の中に存在する魂の同じ状態に結びついている、という状況のなかに起源がある。



 次のような例からもわかるが、上記の方法は、曖昧な意識でアプローチした出鱈目ではなく、明確な覚醒意識のなかの思慮深さをもってアプローチし、容易に無思慮が取って代わる場合、(憑依を受けるので)注意を喚起することに重点がある。

 自我のみで接触を持つのが、通常の夢の状態だが、同時にアストラル体でも接触する場合が、上記の例である。 

 では、「神秘学概論」の中で提供した情報は、現代の自然科学と、どう違うのか? という質問に対する答えは、現代の科学者は、自我にアピールできるだけで、自我を手放すとすぐに眠ってしまい夢を見るのに対して、私(シュタイナー)は、自然科学の概念をも夢の中に持ち込むことができ、記述すべき精神世界に、アストラル体を持ち込むことができる、という点で異なる、というものである。 

 上記は、正誤を正確に見分ける方法であり、真の方法(道)と、偽りの方法(道)の相違を、恐らく正確に示すのに役立つ1例だろう。

 (この部分は非常に難解だが、要するに、シュタイナーは、現代科学の思考法を覚醒意識の確立に用い、その覚醒意識を、月の意識を超える意識にも適用することで、月の領域を超え、太陽、土星の領域まで到達できたとしている。

 だから、科学的思考法から、月の領域を超え、太陽、土星の領域に到達したのではなく、覚醒意識の強化のために、科学的思考法を用い、覚醒意識を強化したために、月の領域を超えたというのである。

 逆説的にいえば、科学的思考法を毛嫌いする秘儀参入者は、覚醒意識を強化できないために、月の領域を超えられない。)





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Last updated  2010年10月18日 13時56分43秒
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