シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月09日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回、ワーグナーがパルジファルのなかで試みたこと、つまり、キリスト衝動を音楽的に、つまり、ハーモニーの中に、キリストの内的な精神を浸透させることで表現できることを述べた。

 もし、人智学により、音楽に霊感を吹き込むなら、キリスト衝動を表現する方法(道)を発見するだろう。というのも、交響曲的なハーモニーの中で、宇宙や地上において、キリスト衝動が覚醒する様子を、純粋な芸術としての音楽において、預言的に明らかにするからである。

 そのためには、人間のなかの隠された感情の深みへと参入し、内(精神)的に、音楽的経験を豊かにすることで、長三和音に関する経験を深める必要がある。

 もし、人間の内(精神)的存在を完全に包含した音として、長三度を経験し、完全五度が長三度を「包み込む」性質をもつのを感じることで、完全五度の構成の中へと、自らが成長して行くことを感じるなら、人間と宇宙との境界に、音楽的に到達することになる。

長三和音
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E4%B8%89%E5%92%8C%E9%9F%B3

 長三和音は、人間の領域の中へと、宇宙(天球)が鳴り響くのと同時に、憧れに燃え上がる人間が宇宙(天球)への参入を希求することを表現する。そして、長三和音の長三度と完全五度の間で演じられる秘儀の中で、宇宙(天球)へと到達する人間の内(精神)的存在を、音楽的に経験できる。

 もし、長三和音に、第七音の不協和音を加えるなら、人間が様々な精神世界に向けて旅をするとき、大宇宙の中で経験する感覚を表現することになるが、第七音の不協和音を解放し、宇宙的な生命を響かせることに成功するなら、つまり、もし、第七音の不協和音が自然消滅するにまかせ、その死滅を通して、ある種の音楽的な確かさの獲得に成功するなら、音楽的センスをもつ耳にとっては、消滅するハーモニーの中に、何か音楽の天空(天球)に似た存在の中へと最終的に調和させられることになる。

属七の和音
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%9E%E4%B8%83%E3%81%AE%E5%92%8C%E9%9F%B3
http://www.denen.org/wasei/c003.xhtml

 従って、もし、既に「長調」によって「短調」を微かに示唆した後、第七音の不協和音が消滅しつつある緊張の中で、第七音の不協和音の、メロディ全体への自発的消滅による再創造の中で、消滅しつつある第七音の不協和音が、全体の調和(ハーモニー)へと近づき、「短調」の雰囲気の中で、五度への移行法を発見し、不協和音の消滅地点から五度へと、短三度を混合させることで、(和音を構成すれば)人間の受肉に関する、更に言えば、キリストの受肉に関する音楽的経験を呼び覚ますことになる。

 (音楽理論に無知なので、ここらへんはあまり意味がわかっていません。あしからず。)

 第八音(度)の音階により構成されるような宇宙的な感情では、第七音は、見かけ上の不協和音にすぎなく、「天空(天球)」を形成するための楔となる第七音に向けて、人間は、手探りで旅立つが、もし、第七音を、感情で把握した後、上述のように、ハーモニーへの進行の跡を辿ると同時に、短三和音の胎児的な形態の中に、受肉を音楽的に表現でき、このメロディのなかで、長三和音への人間の歩みの跡を辿れば、この音楽的な構成の中から、純粋な音楽として、キリストへの「ハレルヤ」が鳴り響くようになる。

短三和音
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E4%B8%89%E5%92%8C%E9%9F%B3

ハレルヤ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%A4

 人間(音楽家)は、ハーモニーの構成の中で、(キリストのような)超感覚的存在に関する直接的認識を、魔法のように出現させ、その存在を、音楽的にメロディとして表現できる。

 キリスト衝動は、音楽の中に発見できる。そして、ベートーベンの交響曲のなかに見られるような不協和音に近い音の、全体構成への解消は、音楽における、宇宙による支配への回帰のための救出として表現できる。



 その偉大さを賞賛する一方で、真の音楽的要素にアプローチすることへの躊躇、そして、この講義で述べた形でのキリスト衝動の出現、つまり、純粋な音楽の領域へと歩みを進め、そこで、ハーモニーを通じて、1つの精神世界を魔法のように出現させるような本質、すなわち、根源的な精神を発見するときに初めて経験できる、音楽的要素の実現に失敗しているのを見つけることができる。

 もし、人類が退廃へと沈み込んでいかなければ、上述した音楽的進歩がいつの日か達成されることに疑いはない。そして、最終的には(それは完全に人類にかかっているが)キリスト衝動の真の本性が外的に明らかにされることになる。

 キリスト衝動の音楽的実証に注意を促したのは、人智学が、人生のあらゆる側面に浸透することを希求していることに気づいて欲しいからである。

 もし、人間が、人智学的経験と探求による、精神世界への探求方法を見つけるなら、達成できるだろう。いつの日か、人智学の教えの中に、音楽が鳴り響き、キリストの謎が音楽を通して解決される、ということさえ起こるだろう。

 以上述べたことから、以前から思い描いていた目的を示すと同時に、今回の連続講義で、単に暗示できたにすぎないものを、結論に導けた。



 人智学が達成しようとしている遥かな目的にとって、この連続講義がささやかな貢献となることを願う。





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Last updated  2010年11月17日 11時07分50秒
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