シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年12月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回述べた、人間(アダム・カドモン)による地球への植物の分離を感じていた古代人たちは、地球に植物をもたらすことに関連し、自らを神、つまり水星の主神と密接で親和的な関係をもつ(精神的)存在と感じた。

 自分が地球に植物をもたらした、という上記の感情を通して、人間は、水星神と特別な関わりを持つに至った。

 植物とは対照的に、動物について、古代人は、次のように感じた。

「動物を、地球にもたらすことはできなかった。動物を切り離し、動物から自分を解放しなければならなかった。さもないと正しい形で、現在の人間の形姿を発達できなかった。」

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 いわば、人間は、自分から、動物を追い出し、その結果、動物は、人間から押し出され(上図の黄より外の4箇所の赤)、人間より、低次の段階で、動物は、自身の進化を遂げざるを得なくなった。このようにギルガメッシュの時代や、それに続く時代の古代人は、自分が動物界と植物界の間に据えられている、と感じた。

 人間は、植物界に対し、自らを、神々の代理として、いわば地球に授精する担い手と感じたが、動物界に対し、動物という重荷を下ろし、そのため動物は退化するが、動物という重荷を脱し、人間になる為、あたかも動物界を自分から突き放した(見捨てた)、ように感じた。

 ところで、古代エジプトの動物礼拝全体は、上記の(霊的)直観と関連している。アジアに見られる動物に対する深い同情の多くも、上記の直観と関連している。そして、その直観は、一方では植物界との、他方では、動物界との親和性を感じていた、古代人の偉大な自然観だった。

 動物界に対しては解放を、植物界に対しては緊密な親和性を古代人は感じていた。古代人は、植物界を自身の一部と感じ、親密な愛のなかで地球を感じていた。なぜなら、地球は、人間のかつての一部であった植物を、自らのなかに受け入れ、根づかせ、しかも、自らの素材を樹皮とし、木々として、衣服のように、植物を覆うことさえしてくれたからである。

 物質的な外界に対する古代人の意識のなかには、全てに道徳があった。古代人が、草原の植物に近づき、植物のなかに自然の成長を感じるだけでなく、植物の成長と人間との道徳的関係も感じ取っていた。動物に対しても道徳的関係を感じ取っていた。古代人は動物を超えた、と感じていた。



 東洋の秘儀全てにおいて、古代人は、地球上で、この地球を通して自らを感じるのではなく、自分を万有宇宙に組み込まれた存在として感じていた。古代ギリシアにおいて最初に、秘儀の本質から、自分が地球と結びついた存在に感じるという段階に至った。

 従って、東洋の秘儀のなかで現われ、もしくは感じられた真実は、本質的に、霊界(霊的世界)だった。古代の東洋の秘儀において、供犠を捧げ、祈りを唱える祭司たちの下に、神々自身が出現した、と表現されるとき、絶対的な真実が描写されていることに他ならない。

 秘儀の神殿は同時に、神々を地上に迎える場所だった。神殿で、神々は天の宝として人間たちに贈るべき真実を、祭司、いわゆる賢者たちを通じて人間たちに贈った。一方、古代ギリシアの秘儀では、神々の像(映像、イメージ)、複製(模像)、影像のような存在が現われた。

 古代ギリシアの神殿では、真の純粋な像だが、その影像のような存在で、東洋のような神的存在たちそのものの現実の存在ではなく、影像が現れた。そのため、古代ギリシア人は、古代の東洋の秘儀の一員であった参入者とは、全く異なった感情を持った。

 古代ギリシア人は以下のように感じた。

「神々は存在するが、人間にできることは、神々の(影)像を得ることだけで、記憶において、体験のイメージだけが得られるのと同じで、もはや体験そのものを得ることはできない。」

 この感情は、古代ギリシアの秘儀から発した深い根本的な感情だった。

 自分たちは宇宙の記憶のようなものをもつが、宇宙の現象そのものではなく、宇宙の(影)像であり、神々の(影)像は持っているが、神々そのものではなく、太古の地球である土星(紀)、太陽(紀)、月(紀)上での経過に関する(歴史的な)像はもつが、土星、太陽、月上での現実、例えば、かつて自分が子供のときの体験に結びつくような現実感はもはやない、と古代ギリシア人たちは感じた。

 対照的に、太古の土星、太陽、月との現実的な結びつきを、東洋文明の古代人たちは、アジアの秘儀から得ていた。

 このように古代ギリシアの秘儀の本質には、(影)像(イメージ)のようなものがあった。神的-霊的な現実の影(像)のような霊的存在たちが現われた。しかし、このような事実は別の重要な事実をもたらした。というのも、古代東洋の秘儀と古代ギリシアの秘儀の間には、また別の相違があったからである。





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Last updated  2010年12月24日 16時55分09秒
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