シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年05月11日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 人間よりも下位の存在や、また上位の存在たちにとっても、「死」について語ることに意味はない。だからといって、「キリスト存在」と呼ばれる存在の、地上における最重要行為が無効になることはない。実際、「キリスト存在」に関しては、ゴルゴダの秘蹟(復活という死に対する生の勝利)が、宇宙の全ての出来事の中で最重要であった事実を見てきた。

 では、この死に対する勝利はどこで遂行されたのか? 

 高次の世界で行われたのか? 

 高次の世界では断じてない!

 なぜなら、鉱物や植物、そして動物の領域の中に言及できる低次の存在たちに関しては、死について語ることができず、これらの低次存在たちの真の存在は、感覚世界を超えた高次の世界の中にあり、高次の存在たちは、死ではなく、変容(メタモルフォーゼ)を語るだけに限られるからである。

 生の切断面とも呼べる「死」が生じるのは、人間だけである。人間が「死」を経験できるのは、物質的な文脈(世界)の中だけである。

 もし、物質世界の中に全く入って行かなければ、人間は決して「死」を知ることはなかっただろう。というのも、物質世界に入って行かない存在は、「死」について何も知ることがないからである。他の世界の中に、「死」と呼べるものはない。他の世界にあるのは「変容(メタモルフォーゼ)だけである。

 もし、「キリスト」が「死」を経験するなら、物質世界に下る以外にはなかった!

 何故なら、「死」を経験できるのは、物質世界だけだからである。



 上記の事実は、あらゆる歴史的な出来事について言える。ただし、ただ1つの出来事を除けば!

 というのも、ゴルゴダの出来事に関しては、物質世界上で生じたが、その出来事に対応するものは高次の世界の中に存在していないからである。確かに、「キリスト」自身は高次の世界に属し、そして物質世界へと下って来た。

 しかし、他の全ての歴史的な出来事に関して存在する元型は、ゴルゴダで成し遂げられた出来事に関してだけは存在しない。ゴルゴダの秘儀は物質的な領域の中だけで生じた出来事だった。

 人智学は、上記の証拠を提供することになるだろう。例えば、次の三千年紀にわたって、ダマスカスにおける出来事に対する新しい知見が多数発見されるだろう。この点についてはしばしば言及してきたが、パウロがダマスカスで霊視したように、人間は、将来、アストラル界上のエーテル形姿の「キリスト」をみる霊能力を発達させるだろう。

 高次の能力を通してキリストを知覚する経験は、次の三千年紀を通じて次第に発達していくが、それは20世紀から始まる。いまから将来にむかって、これらの霊能力は徐々に現れ、次の三千年紀を通じて、多くの人々により身につけられる。

 多くの人々が、「高次世界に参入することで」、「キリスト」は現存するという事実、すなわち「キリスト」は生きていることを知るようになる。多くの人々が「キリスト」を知るようになるが、それは「キリストが今生きている」からである。

 多くの人々は、今「キリスト」が生きる様を知るようになるだけでなく、むしろ、パウロと同じように、「キリスト」が死に、復活した、という事実を確信する。しかし、この復活の基礎を、高次の世界ではなく、物質世界上で経験しなければならない。

 もし、人智学によって、今日の「キリスト」自身の発達が成し遂げられる過程と同時に、人間の能力が発展する過程を理解するなら、人間が死の門を通過していくときに、ダマスカスでの出来事に与るのを妨げるものは何もない。何故なら、そのとき、「死」は人間の世界に最初に輝き込む「キリスト」の顕現として現れるからである。

 今日、肉体の中に居ながら、以上の出来事に備える人たちは、死と新しい生(転生)の間の生活においても、以上の出来事を経験できる。けれども、死に直面したときに、この出来事の経験に備えない人たち、すなわち今回の受肉において、「死」を全く理解しない人たちは、死後と新しい生(転生)の間の生活においても、「キリスト」に関して現在生じている様や、更に次の三千年紀を通して生じ続ける事柄について、何も知ることができない。

 ゴルゴダの秘儀に関する「死」に対する準備を怠る人間は、死後、再び受肉の機会を待たなければならない。再び地上に戻る際、更なる準備をする必要がある。ゴルゴダにおける死や、その死から生じた発展は、「キリスト」が、地上で展開するために必要で、この事実を理解できるのは、肉体の中に居る間だけである。

 高次の生活にとって唯一重要な事実は、肉体のうちに把握する必要がある。一旦、肉体の中で理解したなら、高次の世界の中でも働き続け、益々育成される。しかし、まず肉体の中で理解する必要がある。ゴルゴダの秘儀は、高次の世界の中では決して生じず、高次の世界の中にも元型をもたない。



 従って、直接的な真実を示すような重要な存在を、物質世界上に見つけた、と言うべきである。





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Last updated  2011年05月11日 16時59分34秒
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