シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2012年09月10日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 今回から、出来るだけ沢山のことを片づけようと思う。そもそも、この講義の最初の問題提起において重要なことは主に、人智学から得られる知見、つまり、人間の外にある物質が、人体組織のなかで辿る道筋などの詳細を学びとることと、また、その物質の反作用を学ぶことにある。

 つまり、物質作用についての完全な洞察が獲得できれば、それに基づいて、症状を診断でき、薬の適用のための指針が得られる。実際に薬を適用してから、この薬は、この症状に効く、あの薬は、あの症状に効く、といった個別的な処方をみつけるよりも、この洞察は、直接診断できる上でも、遥かに優れる。

 さて、今回もまた、非常に親密な関係に到達するために、一見非常にかけ離れたようにみえる関係から出発する。提出してもらったなかから常に浮かびあがる質問は、ほとんど全員が関心を持つように思われる遺伝に関するものである。

 遺伝は、少なくとも比較的健常な人、もしくは病人の診断においても究めて重要な役割を果たす。

 さて、遺伝は、実に現代の唯物論的な自然科学においては非常に抽象的な意味でしか研究されていない。実際の生活に役立つ意味では、ほとんど全く研究されていない。

 遺伝を真剣に研究すれば、秘教に通じない人には特に究めて難解で、秘教に通じた人にとっては、一目瞭然の法則性をもち、宇宙との関連について人間が知るべき重要な全てが、人間の外のどこかの場所に、目に見えるような形で顕現している現実が察せられる。

 遺伝は、外的な顕現を通して、ある形で、隠されてはいるが、人間に対して、非常に有効な力が、自然の中に存在している事実を、常に示している。遺伝を研究するなら、特に、自然のなかに、隠されている力を究明しなければならない。

 というのも、この自然のなかに隠された力の究明なしには、遺伝として外に顕現する宇宙との関連全ては、幻影をまとい、絶えず本質を損なうために、正しい診断が不可能となるからである。遺伝に関しては、個別的な判断が一旦は下せても、また別の個別的な現象にはあてはまらない。

 遺伝が難解なのは、究めて甚だしく幻影に覆われていることに由来するが、遺伝には、非常に規則的だが、調整し難い形で、男性的な陽性と女性的な陰性が参画している。



 天秤の棹を水平に保てるのは、宇宙の規則性に基づくが、そこから、新たな規則性を求めるために、左右に錘を乗せていくと、微妙に、一方か、他方に傾くために、この厳密な規則性の調整が困難なのと同じである。この性質は、遺伝現象にも概ねあてはまる。

 遺伝現象は、天秤の棹を水平にするような規則性を持っているが、この規則性は同時に、非常に可変性をもちながら現れ、上記に述べたように、男性的な陽と女性的な陰が参画し、しかも、陽は、地上に負う力をもたらし、陰は、地球の外の宇宙からくる力をもたらすような方向で参画する。

 地球は絶えず男性の陽性を要求し、その地上の力を通じて、男性の陽性を組織化する。実際、地球は、男性という性の発生の原因でもある。女性の陰性を絶えず要求するのは、天である。天は絶えず女性という性の形成を引き起こしている。

 天は、人体内の組織化過程(プロセス)全般において、圧倒的な影響を及ぼしている。この天の圧倒的な影響は、以前述べた事実を、改めて指し示す。そして、天の圧倒的な陰の力により、以下のようなことが生じる。

 受胎を通じて、女性的な本性が発生すると、この女性的な陰の本性は、次第に益々地球外的な過程(プロセス)へと、自らを組み込んでいく傾向に向かう。この本性は、天を受容する傾向になっていく。逆に、男性的な陽の本性が発生すると、次第に益々地球が要求する傾向を帯びてくる。

 すなわち、天と地が人間に実際、共作用している。

 (遺伝は、男性の陽と女性の陰の均衡により成立する。端的にいえば、男性は筋骨隆々の地の力、女性は丸みを帯びた豊満な天の力といえる。)

 いま言及している規則性は、例えば、女性には天が作用し、男性には地が作用する、という意味ではなく、天と地の両方が男女の両方に作用し、女性の場合には、天秤の棹が、天に傾くことで釣り合い、男性の場合には、天秤の棹が、地上に傾くことで釣り合う、という意味である。

 遺伝は、厳密な規則性をもつが、非常に可変的でもある。しかし、このような性質から、ある帰結が生じる。女性が、人体のなかに含み持つ陰性の力により、地上の陽性の力は、女性のなかで絶えず克服されるが、地上の力が克服されるのは、女性固有の人体組織に限り、胎児や、精子のなかでは克服されない、というような奇妙な現象が起こる。

 つまり、女性の場合、天と地との闘いは、精子の形成等に関する生殖経過の外にある組織化過程(プロセス)に限られるため、女性は、先天的に備わる遺伝力から、生殖過程(プロセス)の際に生じる組織化を被ることなく、絶えず免れている。

 生殖の周囲で、陽性を、陰性に転じることで、女性は、陽性を被ることを免れ続け、生殖力のなかの陽性、つまり遺伝の傾向は、男性を通じて生じる。女性自身は、この遺伝の傾向を免れるが、その代わり、女性は、卵の形成力のなかに強い遺伝傾向をもつ。



 遺伝力は、いわゆる霊、もしくは物質を、前にしても、躊躇することはなく、厳密に適応される。この事実は、いわゆる精神病が支配する家系のなかの形質(変容)の伝播のなかに示され、端的に、糖尿病に罹患し易い傾向をもつ現象として現われる。

 だから、遺伝の破壊的な作用から、どのように免れるか、というのは途方もなく重要な問いとなる。この問いに対する回答は、何はさておき、婦人の健康をできるだけ維持するように配慮する以外に方策はない。

 というのも、婦人の健康を維持すれば、女性を通じて、地上の課程(プロセス)に、地球の外の影響が、引き入れられ、有害な遺伝を、胎児にもたらすような作用過程(プロセス)を、女性の人体組織から継続的に制圧することが可能となるからである。

 つまり、女性の健康によく注意が払われている社会では、遺伝過程(プロセス)に関連して、地の力から発する破壊的な影響に対して、闘いがなされている。というのも、社会には、地球の外から作用し、地の力を調停する力の、いわば蓄電池が、女性の人体機構のなかにしかなく、そのような天の力の効果に訴えかけるしかないので、女性の健康は、社会にとって、最大限配慮すべき重大事である。

 今述べた遺伝力は、地上の力にも、地球の外の力にも当てはまり、普遍的な法則である。これは、血友病や生殖病を扱う場合、顕著に明らかになる。遺伝現象については、一般的に色々と述べるのではなく、具体的な事実が手にとれるように示しながら研究すべきだ、という指摘を受けるだろう。



 血友病の研究から見つかる奇妙な現象とは、次のような事実である。

 血友病患者の継承が生じるのは、家系の血のなかでは、男性だけで、ただ、血友病を遺伝させるのは、女性を通じてであり、女性、つまり血友病患者の娘は、彼女自身が血友病でなくても、血友病の家系の一員なので、彼女の男の子孫に血友病を遺伝させる傾向をもつ。

血友病
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E5%8F%8B%E7%97%85

 女性とは異なり、対照的に、男は血友病患者となる。しかし、血友病の家系の一員でないことが証明できる女性と結婚すれば、血友病は遺伝されない。

 いま直ちに、遺伝現象を分析すれば、今述べた事実の明白な外的な顕現としての現象が得られ、血友病に関する現象から、少し前(1920年の少し前)のヴァイスマンの試みよりも、遥かに明確に、遺伝に関する本質的な事態の進行を示せる。

アウグスト・ヴァイスマン
 [August Weismann](1834-1914)
 最初は医師、1866年から1912年までブライスガウのフライブルク大学で動物学教授、獲得形質の非遺伝性を仮定した。「遺伝理論の基礎としての生殖質の連続」(イェナ、1885)、「生殖質」(イェナ、1892)、及び、その後の論文参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3

 女性を通じて男性に遺伝する事実などは、人体機構の全体的診断にとって、重要とみなすべき事実であり、人体機構に影響を及ぼす遺伝的法則に従って診断しなければならない。





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Last updated  2012年09月10日 15時37分33秒
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