シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年11月12日
XML
カテゴリ: 軟弱日本を斬る!
 日本という国が偽装塗れの実態であったことは、食品偽装などで明らかになったが、物質文明の終焉により、物質塗れの国家も終焉を迎えるかどうかが、いま国家の指導者に求められている気がしないでもない。

 つまり、本当の意味での国体、国家の精神的支柱がいま明らかになろうとしている。

 もし、それが何もなければ、つまり物質塗れで救いようのないものなら、天変地異とともに、終焉を迎えるだろう。

 例えば、いま戦争詐欺国家米国では、米国債を買ってあげた日中を無視する暴挙に出ようとしている。これは物質が全てという唯物論的思考が背景にある。しかも米国には天文学的な金持ちが沢山いるのにも関わらずである。この事例は、米国という国が物質文明の終焉とともに終焉を迎えることを端的に物語るものであるし、死ねば全てが無になると錯覚している無知にある。

 借金は貸し手がなくなったからといってなくなるものではない。確かに名目上は物質として消えるかもしれないが、そこには信頼性が宿っていることで成立している背景を無視することになる。

 そういう唯物論者に警笛を鳴らすためにも、国家とはいかなるものかをプラトンの国家を抜粋紹介することで提示したい。

 ☆  ☆  ☆

プラトン「国家」
http://www.nobuhiro813.com/rinri1-2.html

I:読む前に

 この著作は短編の多いプラトンの作品の中では珍しく長編〔岩波文庫で上下2巻〕で、彼が晩年に手がけたものである。それだけにプラトン哲学がぎっしりと詰まった集大成とも言えるものではないだろうか。

 タイトルは『国家』であるが、正義とは何か、理想的国家のあり方、理想的教育のあり方、イデア論、魂論などなど、内容は非常に多岐にわたり、プラトンの描く理想国家の実現に向けて様々な角度から論じられており、読み応えは十分。

 本書は、プラトンの最愛の師匠であるソクラテスを主人公として、そのソクラテスが友人宅で「理想的な○○について」などを仲間と語り合うというシチュエーションを取り、他のプラトンの著書同様、会話形式の文体で、読みやすい。

 もちろん、ソクラテスの口から語られる内容は、ソクラテスの「魂への配慮」、「善く生きる」といった人生観が反映されているものの、プラトンのオリジナルの主張・思想が多分に含まれているとみてよいだろう。

 ところで、この著作でもそうだが、先の『ソクラテスの弁明』・『クリトン』にも見られるソクラテスの主張にも言えることだが、当時〔古代〕のギリシア人にとって、生命体は肉体と魂が合わさって機能しているという考えはごく常識的なものであったようだ。

 生きている間はその肉体に魂が宿っており、死ねば魂はその肉体から抜け出て天上界へ戻っていく…。もっとも、このような魂論は何もギリシア世界固有のものではなく、ミイラとして肉体を保存して魂の帰還を待ったエジプト、輪廻転生の思想に示されるインド世界についても同様であり、科学では解明できない死後の世界についてのこのようなイメージは人間特有の考えなのかもしれない。

 これだけ科学が発達した現代だって死後どうなるのかまでは解明できない。死ねば何もかも無に帰してしまうのか、あるいは不滅の魂は肉体から抜け出てどこか知らない世界へ行くのか…、どっちなんでしょう〔笑〕。

 なお、プラトンの考える魂論、死んだら魂はどうなる、肉体に宿る前は魂はどうしてた〔牧場で魂たちが新しい人生を選ぶために真剣にくじ引きをしている様子など…笑〕、このあたりは『国家』の最後のほうで語られているのだが、「そんなバカな」と思ってしまうような完全なるフィクションの世界とは言え、おもしろいので興味があればぜひ読んでみて欲しい〔笑〕。

 いずれにしても、こう考えると 人生数十年なんていう短いものではなく、死んだら何もかも終わるわけではなく、永久的に魂は生き続けるわけ だから、常に、 当然人間として生きている間も、魂が善い方向へ善い方向へ向かっていくよう自らの意志で導いてやらなくてはならない〔魂への配慮〕 。



 だから授業でも話したように、人間の徳は何か、と言われれば、それは「 魂に配慮して善く生きること 」となるのである。このソクラテスの考えはそのままプラトンにも受け継がれ、プラトンの思想の背景に常にこの考えは置かれている。これを踏まえ、プラトンの大作『国家』を読んでいくことにしよう。

II:理想的な国家のあり方

 <なぜ国家が必要か>

 「人間はポリス的動物である」とはアリストテレスの言葉として知られるが、プラトンも同様に人間である以上、共同体の形成は必然的なものであると論じている。その理由は以下の通りである。



 〔中略〕

 したがって、そのことゆえに、ある人はある必要のために他の人を迎え、また別の必要のためには別の人を迎えるというようにして、われわれは多くのものに不足しているから、多くの人々を仲間や助力者として一つの居住地に集めることになる。このような共同居住に、われわれは<国家>という名前をつけるわけなのだ。」 (上P145)

 そして、この国家ができる前提として、それぞれが互いに持つ素質・才能を生かす仕事に特化することで、いろいろなモノを効率よく分配する、すなわち分業体制を想定している。そりゃそうだね、上の引用文を読んでもわかるように、一人で何もかも作ってまかなおうとするならば、国家は必要ないもんね。

 一般に政治経済の教科書などでは、分業の必要性は資本主義経済の台頭、アダム・スミス、古典派経済学が形成されるあたりで紹介されるが、国家形成の観点から、こんなに昔から主張されていることなんだね〔笑〕。

 (魂の創造力を開発するためである。魂は、相手に与えることで、能力が開発されるからである。愛が欲しければ、愛を与えよ。)

 <国家の三階級>

 さあ、こうして効率のよい分業を前提として人々が集まり国家が形成されるわけだから、国家の中には様々な仕事に携わる人たちが存在する。農夫、猟師、大工、靴職人、衣服を作る織物工、他国からモノを買い付けてくる貿易商、その他様々なサービスを提供する乳母、理髪師、料理人、医師などなど。これら一般的な市民は、それぞれモノ・サービスの生産に従事しているわけだから、まとめて「生産者」と呼ぶことにしよう。

 では国家は生産者だけで成り立つだろうか。いろいろな仕事に手を出せばそれぞれの仕事が片手間になってしまうよね、だから分業の効率性を考えるならば、国家を守るにも専門の人が必要なるよね。

 市民として生産部門には所属せず、日常から心と体を鍛え、いざ戦争のときに先頭に立って戦う「軍人」という役職もまた国家維持のためには必要になってくる。プラトンに言わせれば、戦争の際に市民を動員するよりも、体が大きく丈夫に生まれてきた者を、このようにあらかじめ軍人として育成しておくほうが効率がよいわけだ。

 そして、人々が集まる社会だ、当然、その社会をまとめる専門家も必要となる。これを「統治者」としよう。先の生産者であれ軍人であれ、それぞれ1人1人の持つ素質や才能が活かされる職業というものがあり、それに特化することが分業の大前提。やはり、この統治者も誰でもよいというわけではなく、それなりの資質と知識を持ったものが就くべきである。

 (根本は魂の能力を磨き、多様性を身に着けるため。)

 <理想国家とそこに見られる4つの徳>

 以上のように、国家に生産者・軍人・統治者の3階級があることを確認し、それぞれの階級が持つべき素質を吟味した上で、プラトンは自らの描く理想国家について以下のように結論付けている。ここで言われている知恵・勇気・節制・正義がいわゆるプラトンの主張する四元徳である。

 「われわれの国家は、思うに、いやしくもそれが正しい仕方で建設されたとすれば、完全な意味においてすぐれた国家であるはずだ。

 〔中略〕

 とすれば明らかに、この国家は、<知恵>があり、<勇気>があり、<節制>をたもち、<正義>をそなえていることになる。」 (上P315)

 まず、なぜプラトンの描く国家に「知恵」という徳が実現しているのか。『国家』における以下のソクラテスとグラウコンの会話文を読んでみよう。

 ソクラテス「ではどうだろう、われわれがいま建設した国家のうちにおいて、国民の誰かのところに、国における一部の特定の事柄のためではなく、国家自身のために、どのようにすれば自国内の問題についても他国との関係においても、最もよく対処できるかを考慮するような知識が、何かあるだろうか」

 グラウコン「ありますとも」

 ソクラテス「何かね、それは。またどのような人たちのうちにあるのかね。」

 グラウコン「ほかでもありません、国を守護するための知識がそれです。そしてそれは、先ほどわれわれが守護者と呼んだあの支配者たちのうちにあります」(上P318)

 つまり、この会話以前に語られていたことなのだが、統治者に求められる資質とは、常に国家のことを優先して考え、国家にとって最善であると思われるものは何なのかを正しい判断力でもって導き出せることである。つまり、国家にふさわしい真の政策を見出す能力を持っていなくてはならないということになる。

 では、誰が適任か。真なるもの・善なるもの・美なるもの・正義なるものを追い求め、知を愛してやまない者ではないか、とプラトンは語る。要するにプラトンは哲学者が統治者として君臨するのが望ましい国家であると言うのだ! これが実現するならば、その国家は常に正しい道を歩む「知恵」ある国家と言えるのだ。

 (ただし、ここでいう哲学者とは、現代の哲学者ではなく、一般的な意味での賢者であって、聖書でいうところの預言者のことである。物質界にあっても、唯物論に染まらない叡智をもつ精神の持ち主のことである。オカルトでいうところの「二度生まれ」、つまり人類の教師こそ相応しい。)

 ☆  ☆  ☆

 次回に続く。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013年11月12日 13時20分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[軟弱日本を斬る!] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: