シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年12月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、周囲に生きている魂的、霊的な存在について理解したなら、周囲の自然がどのように見えるか、ちょっと想像してみるとよい。まず、理想的に想像するなら、次のような疑問が生じる。

 周囲の物質界に生きている被造物の魂、つまり動物、植物、鉱物の魂が一体どういう状態なのか、人間の感覚に、物質として現われる他に、この自然の3つの存在(動物、植物、鉱物)には何があるのか、という疑問である。

 例えば、動物を観察すると、霊魂は人間とは全く根本的に区別できる。皮膚を境に閉じた人体の内側にある霊魂は動物の内側にはない。もし動物を人間と比較するなら、むしろ人体内の各器官に相当するだろう。同じ形態の動物、つまりライオン、トラ、カラフトマス、ハエなど同属同種の動物は、人間と比較するなら、例えば手の指などに相当する。

 いま人間の十本の指を考えてみる。十本の指の一本ずつに各々の自我をもつ魂が与えられているとは思えない。十本の指は全て一人の人間に属しているからである。一人の人間に自我-魂が与えられている。一人の人間に自我-魂が与えられているように、動物の同種全体の魂を、集合魂と呼ぶか群魂と呼ぶかは問題ではない。

 問題なのは、事実をぼやけさせ、曖昧に考えることにある。このように、同じ形姿を持った動物のグループを考える場合、個々の人間と同じ自我-魂が基礎になっていることを認める必要がある。けれども、この動物群の魂は、人間の自我-魂がある場所を探しても見つからない。

 人間の自我-魂が誕生と死の間(起きているとき)にいる場所は、物質界である。このことから、自我-魂がその性質と本質により物質界だけに属することが言われているわけではないが、人間の自我-魂は物質界で生きている。動物の集合-自我はそうではない。

 同じ形姿をもつ動物の集合自我の場合、個々の動物がいる場所(物質界)は問題にならない。ライオンがアフリカにいようと、動物園にいようと、全く同じである。個々の動物は同じ集合自我に属し、この集合自我はアストラル界にある。だから、同じ形姿を持つ動物群から自我を見つけるなら、霊視的にアストラル界にまで赴かなくてはならない。

 (アストラル界とは、例えば物質界を基準に考えると、負のエネルギーをもつ領域で、思考上の仮想領域といえる。最近はコンピュータグラフィックなどで、視覚化が可能になっているが、せいぜい4次元的世界の領域にとどまっている。簡単にいえば、霊魂の方向性、志向性みたいなもので、価値観を表わすのにグラフなどが用いられることでわかる。)

 アストラル界での動物の集合-自我は、物質界での独立した人間の個性に相当する。もし人間の十本の指を伸ばし、仕切り壁を立て、壁の十個の穴から十本の指を突き出せば、壁の外側にいる人には十本の指しか見えず、十本の指の持ち主の自我を探すなら、壁の後ろ側に行く必要がある。



 もしアストラル界を「散歩」でもすれば、アストラル界には、これら動物の集合自我が居住しているのがみえるだろう。そこでは、この物質界で一人一人の人間に出会うように、動物の集合自我と出会う。ただこれらの集合自我は、上述の喩えの十本の指を一本ずつ壁から突き出しているように、物質界へと、それぞれ分化した動物の個体を伸ばしている。

 ただし、動物の集合-自我の本性や特性と人間の個人の特性との間には、著しい相違がある。この違いは、非常に逆説的にみえるが、現に存在している。つまり、1つの特異な事実がある。アストラル界での動物の集合自我の知力と叡智を、物質界での人間の知力、叡智と比較すれば、動物の集合自我の方が、根本的に賢いことがわかる。

 動物の集合自我の振る舞いは、最高度の自明性をもって行われる。人間は、進化を遂げていく中でようやく、自身の自我を、動物の集合自我がアストラル界で既にもつ叡智にまで到達させなくてはならない。無論、この動物の集合自我には、人間がこの物質界で地球の進化全体を通じて養成してきた経験が欠けている。この特殊な要素は、動物の集合自我には全く見られない。

これは、愛という要素、愛全て-血縁関係にある人間の血族的な愛という最も単純な形から、普遍的な人類愛の最高の理想の愛まで-である。この愛という要素は、他ならぬ地球進化の内にある人類によって養成されてきたものである 。

 感情、感覚、意志は、動物の集合魂ももっている。しかし、愛を発展させることが、まさしくこの地球上での人間の使命なのである。これが動物には欠けている。動物の集合自我の基本要素は叡智であり、人間自我の基本要素は愛なのである。

 (人間の生きる意味は愛を養成し、発展させることにあるという。神とは思考の総体だが、人間は、そのなかの愛を育むことが要請されている。だから人生においてどれだけ愛を養成し、発展させたかで、その人生が意味をもつ。逆に憎しみは負の遺産となる。多様的な愛のなかで平和が育まれる。逆に戦争などを企てる愚者はどんどん負の遺産を背負い、孤立していく。)





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Last updated  2013年12月18日 09時54分58秒
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