後藤英彦の作文教室

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ごっちゃん815

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May 8, 2005
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58.一口知識――「た」と「る」の使い分け

雨が降ってきた。不安になった。雨脚はいっそうはげしさを増した。ふと美香のことを考えた。稲光が加わった。車が通れば身を挺してヒッチハイクでも何でもする気でいた。

この文章は「た」の連打で成っています。この程度ならまだしもさらに延々と「た」の連打が続けば、読み手をうんざりさせます。こういうときには過去形の「た」の醸し出す単調な調子を避けるため、文章の一部を現在形の「る」に変えてみたらどうでしょう。

雨が降ってきた。不安になった。雨脚はいっそうはげしさを増した。ふと美香のことを考える。稲妻が加わった。車が通れば身を挺してヒッチハイクでも何でもする気でいた。

「ふと美香のことを考えた」を「ふと美香のことを考える」としたために、一本調子の文章にいくぶん膨らみが出てきたと思いませんか。

三島由紀夫も同じ気持ちでいたようです。「文章読本」の一部でこう述べています。

過去形の多いところをいくつか現在形になほすことがあります。これは日本語の特権で、現在形のテンスを過去形の連続の間にいきなりはめることで、文章のリズムが自由に変えられるのであります。過去形のテンスが続く場合には「・・・した」「・・・た」といふ言葉があまりに連続しやすくなります。そのために適度の現在形の挿入は必要であります。


志賀直哉の「城の崎にて」は名文の誉れ高い作品です。芥川龍之介もこれを激賞して、「志賀氏の作品中の最も優れたもののひとつ」と言いました。「た」の連打で成っています。冒頭の部分を紹介しましょう(旧仮名は新仮名にした)。

ある朝のこと、自分は一匹の蜂が玄関の屋根で死んでいるのを見つけた。足は腹の下にちぢこまって、触覚はダラシなく顔へたれ下がってしまった。他の蜂は一向冷淡だった。巣の出入りに忙しくその脇を這いまわるが全く拘泥する様子はなかった。忙しく立ち働いている蜂はいかにも生きているものという感じを与えた。




むろん冒頭の「雨が降ってきた・・・」以下の文章にも同様のことが言えます。「雨が降ってきた」は自然描写、「不安になった」は自分の気持ちです。自然描写―自分の気持ち―自然描写―自分の気持ち―自然描写―自分の気持ち、と人間と自然のかかわりを交互に述べることによって、「た」の単調さから免れているのです。

志賀文学は「眼球の目」と「心の目」をもって、詩情を醸し出すところに特徴があります。自然体をよそおいながら、その実、強烈な文章意識をみなぎらせている、と言って差し支えないと思います。





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Last updated  May 8, 2005 03:14:28 PM
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声字実相義@ 愛(i)を語る「あ」の分節 ≪…「あ」の音…≫は、梵語のア「 」の阿字…
??????@ ?????? 何?何?何?何?
哀歌@ すご~い なんてスバラし~んでしょうll
どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…

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