後藤英彦の作文教室

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ごっちゃん815

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May 30, 2005
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81.濡らしたハンカチのような影――安部公房の直喩のことなど


○ 牛のように耐えてきた妻は、どしゃぶりの雨傘をひったくるように夫をののしった。

○ 正義の味方にみえたその教師は、豆腐のような決断、なまこのような怠惰、みぞを外れたドアのような頑固さで生徒の期待を裏切った。

○ 小柄な医師に促されて大男の加州山は、ソーセージのような唇から明太子のような舌をがっと突き出した。

○ 彼女はアイスクリームのような白衣を着て、赤焼きの瓦のように黙りこくっていた。

冒頭でレトリックの名人、安部公房の筆致をちょっと真似てみました。意図的にやったことではなく、ショパンにおけるエチュード(練習曲)のようなものです。人の意表をつく筆致で、表現が斬新で、比喩に妥当性がなくてはならない――。これは直喩を採るときの心構えだそうです。

安部公房のレトリックは注意深く読まなければ、ややもすると意図するイメージを追いきれません。くるりくるりと回転する直喩の饒舌は、まるでマジシャンの杖のようです。


ふいに、ひんやりと、濡らしたハンカチのような影がおちた(砂の女)

海には、鈍く、アルマイトの鍍金がかかり、沸かしたミルクの皮のように小じわをよせていた。食用蛙の卵のような雲に、おしつぶされ、太陽は、溺れるのをいやがってだだをこねているようだ(砂の女)



彼女はひびの入った茶碗を箸でうつような声で笑ったが、それさえぼくには、たまらなく美しく思われるのでした(飢餓同盟)

やがて焼きたての腸詰のような唇があらわれると、その唇は、規定量をはるかに越えた笑いのために、思いっきりねじ曲げられるのだった(他人の顔)


ラフマニノフのピアノ・コンチェルトの2番を聴きながら書いています。ほどほどのボリュームで名曲を聴くと筆が進むタイプなのです。名作「銭形平次捕り物控」三百八十三編を書いた野村胡堂もかつて、似たようなことをその随筆で語っていました。胡堂さんの場合、シューベルトの「冬の旅」を聴くとよろしいそうです。

イギリスの詩人、ポープのもの静かな直喩を聴きながらこの稿を閉じたいと思います。


音楽は詩に似ている。いかなる方法も教えてくれないし、巨匠の手のみが達しうるような、名状すべからざる優雅さが、そのおのおのの中にある。









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Last updated  June 1, 2005 10:51:15 PM
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声字実相義@ 愛(i)を語る「あ」の分節 ≪…「あ」の音…≫は、梵語のア「 」の阿字…
??????@ ?????? 何?何?何?何?
哀歌@ すご~い なんてスバラし~んでしょうll
どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…

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