人間、得意なこととやりたいことには差があることが多い。少なくとも自分はそうだった。仕事は好きでも嫌いでもなかった。業務内容の話ではなく、単に労働が嫌いだったからだ(苦笑)。
当時の上長が急に辞めたとか運も重なって、自分は出世するのが早かった。勤め先は超大企業だったから、俗にいう出世コースに乗った。そもそも大企業は採用人数が多いからか、割と早めに将来の管理職候補(あるいは管理職が自分の後継候補としたい者など)にフラッグを立てることが少なくないと思う。自分もそうだったのかもしれない。全然一流大卒でもないのに、仕事の才能はあったのだろう。
それが35歳前後の頃だ。管理職の年収も悪くない会社だった。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)もSide FIREも副業も、一般化したのは最近で、定年前に勤め先を辞める発想はなかった。金融リテラシーも学校教育開始も近年のことなのだ。
金銭的な余裕が欲しい安定志向も相まって、定額収入のある会社を辞める決心がつかず、気づけば40代も後半。
順調に昇格し、55歳で辞めた。
なぜ55歳かというと、そう言う制度の会社だったからだ。世の中は「定年延長」「人生100年」「いつまでも働こう」という風潮だが、入社時から退職年齢が明確なら心構えもできるし、周囲も同じ条件なので不公平感はない。退職金制度もそれに合わせて整っていた。
そこから関連会社に再就職したから(このパターンは少数派)、立場が契約社員なのだ。
この会社は、管理職と非管理職の退職金の差が大きかった。稼ぐために出世を目指すか、転職するか悩む若人は、こういうことを調べたほうがよい。自分の場合は、プラス毎年の給与差だから、最終的にはン千万円の開きができたと思っている。
だから自分の資産形成の中心は”昇格”だったのだ。
(これは経験からくる結果論。今は不確実性の時代だから、1年先はわからない。なくなった大手企業も、吸収合併での悲惨な目も、リストラも山のように見てきた)
ただ、もっと賢い人ならば、稼いだ分を積極的に投資に回すのだろう。
会社に DC企業型年金(企業型確定拠出年金)制度
はあり、今はそれをiDeCoとして継続している。持株会にも入っていた。この持ち株は今思えば運用に非常に有利で、今後も配当面で相当役立つと思う。
でもそこまで。証券口座はずっとあったが、投資を本格的に始めたのはここ5〜6年のことだ。
30代後半から、投資よりも支払いの10数年間だった。
土地を買い、家を建て、子どももできた。子ども達の育成もお金がかかった。初めて車も買った。改めてオーディオ機器も買い揃えた。明日の100万円より今日の10万円を選ぶ場面は多かった。ローンを含めた借金が性に合わないから、住宅ローンもとにかく繰上げたかった。
おかげで今は余裕がある。
妻には、2027年3月を最長として、以後 働かないと宣言したところ。
その先の人生は、1年かけてゆっくり考えればよい。労働は嫌いだが、やりたいことがないわけでもない。
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