愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2006/12/19
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      …判って働こう[下]


塩路「ZZZZZZZZZ…………」

阿武「ホントだ。ハハハハッ…。

   そっとしときましょう。

   じゃー小方さん聞きます

   けどね……、

   短大を出て入社して

   一年目の人と、大学を

   出て入社して一年目の人で、担当の仕事が専門的で、

   かなりの経験を要する様な場合には、一年目位では

   仕事の出来栄えに、ほとんど差が無いって事は

   ありませんか?可能性としての話ですが……」

小方「ありますよ。……そういうことは多々あります」

阿武「でも、給料の支払額は違いますよね…………」

小方「それは、初任給が同一であれば違わないと思います。

   しかし、大抵の場合、初任給に格差がありますから

   当然支払額も違ってきますね」

阿武「じゃー『仕事の出来栄えに応じて支払う』という言い方は

   未熟だということになりませんか?」

小方「うーん……、……そうか……。初任給とは何か?

   という事になりますね。うーん、難しくなってきたなあ。

   もう……阿武さんと話してると段々、難しくなってくる。

   …………フゥ」

阿武「なーに、小方さん。簡単な事ですよ。難しく考えるから

   難しくなるんですよ。

   生活実感的に普通に考えましょうよ」

小方「……生活実感……デスか?」

阿武「そう……、例えばですよ、あなたが会社の社長で人を採用

   するって考えれば良い訳でしょう……この場合は……。

   まだ、小方さんの会社の仕事をした事も無い全く未知数の

   人達に対する採用の判定について、どう考えますか?」

小方「……うーん……」

阿武「受験してくる彼らの現状の能力を、判定するだけじゃなく

   潜在能力も見抜かなければならない訳でしょう。

   ……当然、何か材料が必要ですよね。材料……。

   判断するための………ね」

小方「……はい、そうですね……」

阿武「……良いデスか?……その判断材料として、その人が

   これまでに身に付けてきた知識や技術の度合いや、

   経験の深さなどを見るのでしょうが………。

   どんな学校に、どのくらいの期間通っていて、何を学び、

   どの程度の成績だったかというのは、ひとつの有力な

   物差しとして見れる訳ですよね…………能力判定の……」

小方「うーん……。……でも阿武さん、あえて言わせて貰えば

   ですね……、一般的には、確かにそうかもしれませんが、

   学歴だけでは分からない部分も有りますよね。

   かの松下幸之助さんや出光佐三さんとか、田中角栄さん

   とかは小…中学校卒ですもんね」

阿武「ハハハハッ……それを言うなら、日本の2,700年近い

   歴史の中で大学が設置されて、ほんの100年とちょっと

   ですよ。……ハハハハッ……。

   まぁ、それはさて置いて、何事にも必ず例外は

   あります……。

   ……良い面での例外的人物を、しかと見抜いて登用して

   いくというのが、本当は、理想的なんでしょうが……ね。

   その時の、採用担当者に求められる能力は、まさに、

   神わざ的なものになってしまうでしょうね」

小方「そうです……わずかの書類と短い面接で決めなきゃ

   ならないわけです………」

阿武「現在はどうか知りませんが、ソニーさんなんか採用試験を

   数日間の合宿でやっていた事がありますね」

小方「……!!……合宿ですか?……それで、より確からしい

   見方は出来るかもしれませんが、……それとても限界が

   ありますよね」

阿武「ええ、現在、多くの会社が採用している方式は学歴別に

   異なった初任給にして、それを公表して納得のいった方に

   受験・入社してもらうというのが大半ですね」

小方「……高校卒の人が、大学卒の初任給の額を下さいと

   言ったって良い訳ですよね。自信があれば……。

   只、相手の会社との間で、折り合いがつくという保証は

   ありませんが……」

阿武「入社して、その人の仕事の成果が見えてきて、徐々に、

   リアルな能力主義的運用に乗せて行くと言う事でしょう」

小方「そうすると……、阿武さん、さっきの話に戻りますが、

   入社一年目でですね、仕事の成果には、ほとんど差が無い

   にも関わらず、初任給の関係で大目に給料を貰っている

   人達は、自分が今までに蓄積してきたものや、潜在能力を

   買われていると言う事を、よく自覚しておく必要が

   ありますね。可能な限り早く、一歩も二歩も抜け出て

   来なけりゃいけない訳だ」

阿武「……そうです。その通りです。専門学校で、技術技能

   訓練を受けた人達が一緒に居るとしたら、数年間は、

   どうしても仕事の成果の逆転現象が起こる事さえあり

   ますよね。スタートラインで、上位の評価をされた人達に

   は、相当のプレッシャーになるでしょうが、視点を

   ちょっと先に置いて、きちんと考える必要があります」

小方「ルール上、低い設定の評価で入社した人達は、

   逆に実力の見せ所となるわけですね……」

阿武「ええ、こう話してくると、給料を説明する言葉の中に

   『仕事の出来栄え』だけでなく

   『将来の可能性を加味して』というのを

   付け加える必要がありそうですね……」

小方「可能性………ですか」

阿武「可能性に金を払うということが、最も明快に分かるのは

   新入社員研修ですがね……」

小方「えっ?………ああ、そうか。彼らはほとんど何にも仕事を

   してませんね。それでも給料日には、ちゃんと支払われる

   訳だ……なるほど」

阿武「そうですね……。それから小方さん。もうひとついい

   ですか? 『仕事の出来栄えに応じ』というので、まだ、

   ちょっと、引っかかることがありましてね」

小方「えっ?…………何でしょう?」

阿武「仕事には成功もあれば失敗だってあるじゃないですか。

   会社に損失を与える事だってあります。でも、狙った

   成果が出なかったからといって、その都度、給料を

   支払わなかったり減額したりはしませんよね」

小方「そうか……、何故だろう?人事部門からあらかじめ通知の

   あった支払い給与通知に従って、きちんと貰えますね。

   ボーナスには影響する場合があるけど、給料はちゃんと

   くれるなぁ……」

阿武「『あらかじめ約束した金額を支払う』という考えが必要な

   感じですね…………」

小方「経営者は、業績によっては無給になったり、或いは、

   減額されたりしますねぇ……」

阿武「最近、少し変わってきましたが、経営者は原則的には

   利益配分を貰う訳ですから、業績の良いときは

   良い代わりに、悪い時は悪い訳でしょう。

   従業員の給与の場合は、労務費というコストで認識されて

   いて、会社が赤字でも、ある程度保障できるようにして

   あります。安定的・継続的な事業活動が極めて重要ですし

   従業員にも安心して長く勤めて欲しいというのが、

   今までの産業界の流れでした」

小方「そういえば、昔から、永年勤続は『表彰に値する』立派な

   ことだったんですもんねぇ……」

阿武「小方さん、ちょっとまとめて見ましょうか。

   給料とは、

  ◆ 企業が、雇用契約を結んだ相手に対し、

  ◆ 本人の仕事の出来栄えや将来の貢献の可能性を勘案し、

  ◆ その企業の支払い能力に応じて、

  ◆ 本人との間で、あらかじめ契約(約束)した額を、

  ◆ 決められた日に、

  ◆ 本人に支払うものである」

小方「なんか、凄いことになったなぁ。何の気無しに貰ってた

   けど……。阿武さん、今日は勉強になりましたよ。

   塩路先輩もよく教育しておきます」

阿武「いやいや、当たり前のことなんですよ。大それたことでは

   ありません。ただ、時には物の本質を整理してみるのも

   悪くありませんね。さて、そろそろ帰るとしましょう」

小方「ありがとうございました……………」

    <完>


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Last updated  2006/12/21 12:06:25 PM
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