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2003年01月19日
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長いこと日本人を呪縛しつづけた感情に、第二次大戦終了までの歴史をめぐる贖罪意識がある。アジアの近代史をみると、日本がいち早く近代化に成功し、植民地獲得競争では、支配される側ではなく、支配する側にまわった。これは地政学的位置など様々な要因によるもので、別に某都知事がいうように日本人のDNAがどうこうということではない。戦後になっても長い間、アジアで日本だけが「富める孤児」であり、他のアジア諸国は貧しいまま停滞するという状況がつづいた。こうした中で、他のアジア諸国に対する蔑視、そしてもしかしたらそれの変種かもしれない贖罪意識が生れてきたとしても不思議はない。
ただ今では時代が変わった。アジアNIESはすでに工業化を達成して豊かな生活を享受しており、特に韓国や香港発の文化は世界を席巻している。中国にしても発展著しく、世界の工場ともいわれるくらいになった。今の時代に感傷的な贖罪感情をベースにアジア諸国の国民をみるのはかえって失礼ではないか。

それに日本と中国や朝鮮半島との歴史はなにもここ百数十年だけがすべてというわけでもない。特に朝鮮半島とのつながりは神話の時代にまでさかのぼり、古事記や風土記には半島渡来の神々が頻繁に登場する。島根の国引き神話や、角のある異様な集団の渡来を語るツヌガアラヒトの神話などがその例である。ちなみに後者の神話は今にいたる地名「敦賀」の語源となったといわれ、現に朝鮮半島南部では角のあるような形の兜が発掘されている。こうした兜を着けた集団が実際に上陸したことがあったのだとしたら、まるで映画「宣戦布告」の古代版である。
長い歴史の中では、日本が圧倒的な強者として近隣諸国を抑圧した時期などはごく短期間にすぎないし、歴史を全体としてみれば、日本は相対的な後進地域として大陸から先進技術や人材を吸収していた時期の方がはるかに長いのではないか。そろそろ戦前の一時期だけを捉えて、被害と加害という視点だけで互いをみるのはやめる時期であろう。

また、昨今では、いいとか悪いとか言うことではなく、日本人の朝鮮半島の住民に対する贖罪意識も急速に消滅しているのではないのだろうか。いうまでもなく、昨年9月に明らかになった拉致事件がきっかけである。今後、さらに多くの被害者の存在やその殺害も含めた被害の実態が明らかになっていったり、また、覚せい剤の密輸や日本国内での破壊工作の実態も徐々に表にでてくる可能性がある。そうなったときに、今度は、あの贖罪感情の裏返しのように、日本人の半島住民に対する「被害感情」が急速に膨らんでくることもありうるのではないか。いや、すでにそうした萌芽はあるのかもしれないが。
aisya96@lycos.jp





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最終更新日  2003年01月19日 17時28分20秒
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