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2007年01月28日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
格差批判の論説の中で気になることがある。それは親の経済的格差が子供の教育の機会にまで反映され、そのため豊かな家庭の子供しか、よい教育をうけられないから問題であるという論法である。つまり格差イコール機会の不平等とする見方である。これはこれでたしかに大問題である。しかし、じゃあ、機会の平等が保障されればそれでよいのだろうか。きめこまかな公教育や奨学金の充実などで、貧しい家庭の子供でも能力さえあればそれを発揮できるチャンスがあればよいのだろうか。どうも疑問を感じてならない。それはこうした考えの背景には、血統や親の資産による格差は不条理であるが、個人の能力や運による格差は合理的とする考えが、みえかくれするからである。

前の日記にも書いたが、「格差社会」の格差の根源というのは血統でも親の資産でもなく、まさにその本人の能力と運にあるのである。人間が人為的に定めた尊貴な血筋や本人以外の親や先祖の能力と運による資産の蓄積ではなく、神の定めた身分ともいうべき能力の多寡によって巨大な格差が生じているのが現在の格差社会である。人間の歴史が、社会が複雑化し、技術の発達した段階に達すれば、どうしてもその中での位置が能力や運によって定まってくるようになる。仕方がないといえば仕方がないのであるが、今はそうした時代である。
個人の自覚や努力を否定するものではないが、機会の平等といったって、じゃあ、赤ん坊の誰にもスポーツ選手や科学者になれる機会が「平等に」あるのだろうか。そんなことはあるまい。つまり機会の平等といっても、要するにそれは「能力と運による差」をいいかえただけなのである。運の方はさておき、能力なんてものは、どうみても平等ではない。

格差の問題を機会の不平等の問題としてだけみていると、ともすれば「能力や運」に基づく格差は合理的なものとしてすべて容認されてしまうのではないか。こんな危惧を感じてしまう。もちろん能力のある人で、その能力を社会のために活かした人には相応の見返りがあってしかるべきだし、先端的研究を行う者や企業の技術者などはもっと優遇されてもよいとつねづね思っている。ただ問題は、そうした者の対極にいる人々である。残酷なようだが、100メートル競走の敗者は何度競争しても負け続ける可能性が高いだろう。同じように再チャレンジ施策もある人々には救いにはなっても、それで救われない人は大勢いる。格差社会の中で激増していく貧困層の問題こそが、今後何年かの社会を考えていく上での最大の問題であると思っている。能力に基づく格差だから合理的だとか、再チャレンジの機会を与えたからよい…というわけにはどうしてもいかない。





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最終更新日  2007年01月28日 09時12分36秒
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