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2015年01月05日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「怒りの葡萄」を読み終えた。

決して読みやすい小説ではないが、自然描写が素晴らしく、荒廃した砂漠や緑の谷、そして豪雨の情景が目に浮かぶように描かれている。
社会全体を俯瞰した章と家族の運命を追った章とが交互に綴られ、それが物語に重層的な深さを与える。

土地の荒廃により、農民だった主人公のジョード一家は、故郷を捨て、西部にむかう。
そこには果物摘みの仕事があるはずだ。
ただし、西に向かうのは主人公一家だけではない。ほかにも、農業にみきりをつけた農民達が次々と移動していく。
かくして果物摘みの仕事は奪い合いとなり、賃金はどんどん下がっていく。

仕事をしたくないのならそうすればよい。果物摘みなど代わりはいくらでもいるのだから。
スト破りに新しく人を雇い、ストライキが挫折した後に、新人の賃金を下げればよい。
冬になればその仕事もなくなる。
おまけに小説の最後には暴風雨による洪水も起きる。
救いのない小説といえばそうかもしれない。

けれども、この小説を読んでいて、貧富の格差が極限にまで開いたような現代のアメリカを想像するのは誤りなのだろうか。そんなことはない。最近では資本主義の限界などということをいうが、この小説は戦前期の出版ながら、やはり資本主義の行く末に一つの警鐘を鳴らしたもののようにも見える。
技術の発達した社会では、労働の内容は高度な専門知識や組織運営能力を要求されるものと、その反対のものとに二極化する。「果物摘み」のような比較的誰にでもできる仕事しかできない人びとは、とことん買い叩かれる。
この小説を今日読んでも古さを感じないのはそのためだろう。








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最終更新日  2015年01月06日 12時12分30秒
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