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2019年01月05日
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カテゴリ: 読んだ本
「失われた時を求めて」第8巻を図書館に予約しておいたのに、年末年始で借りることができず、お正月は家にあった「心洗われる話」(ちくま文学の森)を読んだ。

財布を拾った男に女房がそれを夢と思わせ言いくるめ、性根を据えて働男がくようになった男がようやく自分の店がもてたとき、これで好きな酒を飲むようにと女房が財布を差し出す話である。
主人公はもちろん男と女房なのだが、女房は財布の措置について大家さんに相談する。
そして大家の言うままに奉行所に届けるが。落とし主不明として財布は女房に返される。
芝浜の話はいつできたのだろうか。おそらく明治かそこらだろう。
大金の入った財布の措置をめぐる物語だが、女房も、大家も、そして奉行所も金をくすねるようなことはいっさいしない。そんなことはあるわけないということを前提に、女房は大家に相談し、奉行所に財布を渡す。これがあるから酒好きだが腕の良い魚屋とそのしっかり者の女房の話がなりたつ。
ネトウヨ?がよく言う「日本すごい」には同調するものではないが、明治期の近代化がスムースに進んだ背景には、権力の清廉があるのではないか。警察に拾った金を届けたら警官が着服するようなことはありえない、大家と店子との間にも強固な信頼がある。そういえば何年か前に大阪かどっかの警官が届けた金をネコババして、届けた主婦を犯人扱いしたというふざけた事件があったがあれは、まあ例外だろう。
このほか、「島守」に描かれる自然を友とする充足した生活、「洟をたらした神」の貧乏を跳ね返して生きる子供達も印象に残る。





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最終更新日  2019年01月05日 00時35分12秒
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