まあ、直近で2026年は豊臣秀長で戦国回帰が決定していますね。脚本は半沢直樹の八津弘幸氏で、秀長の有能と言われる割に、兄の派手さに隠れて地味な人格と合わせて、池井戸系の匂いがプンプンしますが、まあNHKとしても、これ以上予算垂れ流しは避けたい所で、やむを得ない選択でしょう。

大河という番組の性質上、どうしても中高年がメインターゲットになる、これは動かし難い事実であり、若い人に訴求する作品を作ると言っても、そもそも若い人はテレビ自体あまり見ないし、なおかつ大河のような重厚長大な連続ドラマは好まないわけで、一方でそれをライトタッチにしたところで、家康の二の舞になるのは目に見えている。

まあ、今回と次作は当初実験的な目論見で進んでいたにも関わらず、阿呆でも視聴率とれる家康でまさかの大失敗したことで、後がなくなっているのは事実です。そういう意味では、元々低視聴率が見込まれていた光る君にしわ寄せがいっているのは、少し気の毒な気もしますね。

まあ、だからといって、あのファンタジー大河はねえだろとは思いますよ。紫式部をメインキャストに据えたって、大河は伝統的に語り部ポジションで、物語を進行するスタイルは比較的浸透していて、無理矢理恋愛ドラマにしなくても良かったわけですから。 (2024年06月17日 04時15分44秒)

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2024年06月16日
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カテゴリ: 雑感



今回の大河ドラマはコアなファンもいる一方で、従来とはあまりにも違う路線にとまどいもあるのかもしれない。さらに視聴率もいまいちという話もあり、こうしたものをわざわざNHKでやるのかという見方もあるようである。
正直真面目に見たのは第一回だけだったが、紫式部と道長が街でお互いに知らずに出あって恋心を抱いたり、紫式部が男の声色で和歌の代筆をしたりするなどは、歴史的にはありえないが、韓国大河ドラマではよくこうしたぶっとんだ話がでてくる。ある意味、これは大河ドラマの韓国大河化…ではないか。
こうしたものに対する否定的な意見も肯定的な意見も理解できる。そして自分自身は、このドラマをそれほど集中して見ているわけでもないので何とも言えないのだが、このドラマを契機に平安時代の貴族生活やそこで生きた人々の本音に関心をもったのは事実である。そして今、枕草子を読んでいる。
かつて読んだときには、どうでもよいことばかり書いてあるなという感じで、正直面白いとも思わなかったのだが、執筆が関白家没落の後という経緯をふまえると、また、読み方が変わってくる。今なら楽しく美しい記憶は写真や映像にとっておくことができるが、当時はもちろんそうしたものはない。あの素晴らしい栄華の頃や素敵な人々をぜひ筆によってのこしておきたい。こんな風に思うのも自然の心理だろう。そして貴族社会には関白家に対する哀惜や同情もあり、栄花物語にも道隆の人柄を誉めたところで、なんであんな素晴らしい家の人々が早死にしたり不幸になったりするのだろうかと記述した箇所もあったくらいだ。枕草子には、執筆途中で、こういうことも書いておけばよいと意見する人もいたことがうかがえる記述もある。関白家の栄華を懐かしむ人々を中心に、読まれて広まっていったのではないか。それにこの時代の権力闘争と言っても、血で血を洗うようなものではなく、大鏡には道長は「情けある者」で、権力闘争に勝った後も、伊周を家に招いて碁などを一緒にうっていたとある。平和な時代だ。
あらためて枕草子を読むと、冗談ばかり言って磊落な性格の藤原道隆や、人は善いが頭がよくなくたぶん物足りなさを感じて別れることになった元夫の橘則光、光源氏のモデルのような伊周らが生き生きとえがかれ、かの時代がすごく身近に感じられる。





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最終更新日  2024年06月16日 13時59分59秒
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Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
・曙光 さん
>そして自分自身は、このドラマをそれほど集中して見ているわけでもないので何とも言えないのだが、このドラマを契機に平安時代の貴族生活やそこで生きた人々の本音に関心をもったのは事実である。

この七詩さんの見方が真っ当と言えるでしょう。
勿論ドラマ及び大河の見方は様々にあってよいが、「このドラマを契機に」の通りにドラマを通じて何かのきっかけを一つでも得れば、これに卓るドラマの見方はないでしょう。

例えば藤原為時とは何者?、藤原道隆とは?、藤原詮子とは?等々一つでも疑問と関心がもたれれば、ドラマとして観る者に収穫であり、作り手として成功でしょう。

折角の稀有ともいうべき、「源氏物語」と平安時代を背景に描いているのに、何一つ契機となるものがなかったという人あれば、即刻観るのを止めた方がよいでしょう。
貴重な人生の時間の無駄です。まして批判、難癖だけの為だけに観ると言う人(当ブログにはいないと思うが)あれば、「光る君へ」を大いに楽しみにしている視聴者に対して失礼ですから、これまた止めた方がよいでしょう。

因みに為時は岸谷五朗で、道隆は井浦新で、詮子は吉田羊で、殆んど一般には無名と言ってよい登場人物をよくこれ程のキャラを立てれるものと、大石静に敬意を表する処です。

又、吉高由里子35歳,柄本佑37才を主役に配し両名とも大活躍していることにより、まずは吉高、柄本と同世代の30代、そして前後の20代、40代に、何らかの関心が持たれて新たな視聴者の輪が広がれば、これまた大成功でしょう。
そして50代以上は外野席で静かに30代の活躍を見舞るのが、当ドラマを観るに対しては相応しいでしょう。

何れにしても、「光る君へ」は「いだてん」に次いで、旧態依然の大河をなぞるだけでない新分野への果敢な挑戦で、NHKの報道番組は左巻き著しく全く駄目だが,ドラマは健在を示したものとして大いに賞賛に値するでしょう。

(2024年06月16日 12時46分45秒)

まあ、大河にするなら絶対に清少納言のほうが適任だよね  
鳩ポッポ9098 さん
仰るとおりです。

今回の大河は、明らかに女性受けを狙っていて、その試みは半ば成功しているといえます。ただ、その代償として、大河の試聴者の多数派である中高年層からは完全にそっぽを向かれている。そしてまた、これまで比較的女性メインで成功してきた内助の功パターンではなく、独立志向の女性像を描こうという、今日日の流行りを取り入れた作風です。ですから、まあハナから大河の主要な需要を無視してねじ切り、冒険したとしか評価し得ない。その点は、2000年代の比較的高視聴率だった時代との大きな差異である。


ですが、不人気の原因は、割合はっきりしていて、一つはキャラクターの設定が全くぶっ壊れていて、ある程度歴史を知って見ている者には、非常に軽薄に見えるということ。歴史上の人物を登場させただけの、キャラクターのぶっ壊れたファンタジーならば、水戸黄門と程度の差でしかないんですよ。比較してはなんだが、「鎌倉殿」は、かなり脚色・創作部分の多い作品でしたが、史料をふまえたキャラづくりは非常にしっかりしており、だからこそ、闇落ちしたダークヒーローが、最後に姉の手にかかって死ぬという最後の最大の創作が非常に生きたわけです。

そしていまひとつの要因は、主人公が何をしたいのかさっぱり分からん、つまりテーマ性の欠如です。オリジナルのキャラクターをぶっ壊してまで作ったにも関わらず、主人公の行動にまるでこれという一貫したテーマ性がない。ひたすら道長を影から見て、自分の興味の赴くままに生きているプー太郎女に、テーマ性を見出す事はできない。しかも、これから宣孝と結婚する様に話は進んでいくのだが、結局、道長を拒絶したアレとどう辻褄合わせしていくのって話になります。

個人的には、独立志向の女性を描きたいのであれば、どう考えたって根暗で陰湿な紫式部よりも、清少納言をメインに据えた方がいいわけで、やや軽薄な所も含めてキャラの立った平安のインフルエンサーの目線で見た、中央政界とそして自身も含めた女性達の運命を枕草子の様な一歩引いたタッチで描いていたならば、これほど無理筋の御都合主義なストーリー展開にはならなかっただろうにと思いますよ。 (2024年06月16日 18時25分00秒)

Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
ふぁみり~キャンパー さん
いずれにしろ数字ってのは正直なもので、これでNHKには挑戦や実験をしてる余裕がなくなったことは確かでしょうね。

来年の大河は既に蔦屋で決まっているのでこれが「挑戦」「実験」の類であることには反論はないと思います。
これはどう転ぶか数字が読めない。

となるとその後の大河はこれ以上視聴率を落とせないので是が非でも視聴率を取りに来るでしょうね。
結構高確率で原点回帰するのではないかと思います、まあそうでなくても手堅く視聴率を稼げる人物ってのを選んでくるでしょうね。

結局のところ失敗が続くと次の挑戦ってのが出来なくなるんですよ。
来年の蔦屋がそれなりの数字ってのをあげてくれれば話は違ってくるんですが、これはちょっと難しい気がしますね。

まあこれまで取り逃していた女性層ってのもターゲットとして重要なんですが、中高年男性から中高年女性にシフトしても支持層の高齢化は避けれないので、男性でも女性でもいいけれど若年層の取り込みってのが最重要課題なんですけれどね。。。。。


流行ってのは移ろいやすいもので、大河という流行に流されるものは次の大河が始まれば次の大河に流されるもので、
今一時「源氏物語」や「枕草子」にスポットが当たったとて、来年には見向きもされませんよ。
それは大河のロケ地が一時の流行に沸くのと同じです。
まあほんの一時でもスポットライトが当たるのが意味がないわけではないですが、その効果ってのは極めて限定的です。

結局のところここで掘り起こしスポットを当てたものってのは「文化」や「伝統」というよりも「流行」ですよ。

こういう手法でスポットが当たったものってのは「文化」や「伝統」として興味をひくのではなく「流行」として興味を引くので流行が去ればあっという間に鎮静化するわけですよ、
追いかけてるのは文化や伝統ではなく移ろいゆく流行ですから。。。。

結局のところ「大河ドラマの意義」ってのは歴史や文化に触れることが「面白い」と思う感覚を身につけることに尽きるわけですよ。 (2024年06月16日 21時01分15秒)

Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
・曙光 さん
主役の吉高35歳、柄本37歳であることから、吉高と柄本の同世代を,視聴者の中心層においているという事です。見るきっかげが平安衣装であろうが、きっかけは何でもよいのです。

かつてのオールド大河ファンには退場願ってもらい、視聴者の世代交代を図ると同時に、当方のようなオールド大河ファンでも、新機軸を受け入れてくれる人がいれば、それはそれで有難いといったところが、制作者の別の面での狙いでしょう。

戦国でなく、幕末でなく、戦さ場面なければ、過去より視聴率が下がるのは当然で、総合視聴率で10%切ってもおかしくない処が、第1話から第16話迄の平均総合視聴率は17.95%の想定以上の高さで、視聴者数は約2千万人となれば、NHKとしては視聴率だけで評価しないにしても、狙い通りの成功と言えるでしょう。

追伸:

鳩さん、ファミさんの意見は有難いものとして、大いに尊重していますのでどうぞご安心ください。あとは読者諸氏が銘々に考える上での参考として頂ければ十分でしょう。
(2024年06月16日 23時57分35秒)

戦国回帰はやむなしか  
鳩ポッポ9098 さん

Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
ふぁみり~キャンパー さん
あ~失礼ニュース見てませんでしたは・・・・

戦国回帰、それも中央、まあここならアホでも視聴率取れるだろうってのが見て取れますね、
ただそこって一番視聴者が飽きてるところでもあるんで、ちょっと捻って「秀長」ってとこですかね。。。。
もうコケれないってとこでしょうね。

まあNHKプラスもそうなんですが、そのテレビ離れの若年層を如何にテレビの前に連れてくるかってのが問題でしょうね、
NHKに限らないですが録画でも何でもいいからとにかく見てくれってのが正直なところなんでしょうけれど。。。。
若年層が年取ったらテレビ見るようになるならいいですが、中高年をターゲットにしてたら先細るのは目に見えてますからね。。。。
少しでも視聴者の年齢層を引き下げたいってのはあると思いますよ。

でもって・・・・
平安衣装でも何でもいいんですが、まずは「歴史に興味を持ってもらう」のが先ですね、そういう取り込んだ層が次の大河の固定層になってくれればまだいいですけれど。
じゃあそういう層が「豊臣兄弟!」を見てどう思うかですね、
結局のところ衣装に惑わされるミーハーな層ってただ流行を追いかけてるだけ、流行が去れば見向きもしませんよ。歴史に興味をもって今回だけでなく次回も見てくれる層、固定層を大事にするのは当然じゃないですか。
それは若年層の取り込みにも言えることで、まあとにかく見てもらって次の固定層になってもらいたいってのが狙いなわけですよ。

そもそも今その固定層に退場いただけるほどの余裕はNHKにはないでしょうよ、だったらもうこういう時代・こういう題材は「選ばない」って選択をNHKはするに決まってるじゃないですか。
だから「どうする家康」「光る君へ」と2作連続で大コケ、でその次の「べらぼう」は未知数で慌てて戦国回帰したのが一目瞭然じゃないですか、まあコケた家康は戦国ですけれどね、家康コケたのが想定外だったのか、光る君へコケたのがまずかったのかは別としてもうコケれないって話ですよ。
次の大河・その次の大河も見てくれることがほぼ確定してる固定層と、今回しか見ないかもしれない新規獲得層、どっちがNHKにとって大事かって火を見るよりも明らかじゃないですか
(2024年06月17日 07時26分21秒)

Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
・曙光 さん
高齢者が自ら、若者層に未来を託して身を引こうとする時、高齢者と若者層の間に立つ中年層が、若者はまだまだ未熟だから、高齢者の方々未だ残って若者を叱咤して下さいという、心優しき中間層の人がいる。

それに甘えていつまでも旧態依然の中に居汚く残っている高齢者もいれば、高齢者自身が自己変革を続け、新機軸を支えようとする数少ない高齢者もいる。

心優しき中間層が今回は鳩さんとファミさん、(加えればtckynさん)、ダメな高齢者が既に当ブログから退散した人たち、新機軸を支える高齢者が不肖当方で、七詩さんはそれらを全てを俯瞰する人と云う思いが、勝手ながらがしてきた。面白い稀有なブログです。
(2024年06月17日 09時19分59秒)

Re[1]:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
七詩  さん
・曙光さんへ
そうですね。ドラマはあまりみていませんが、枕草子を読んでいるので大河ドラマの影響はあったのでしょう。戦国と幕末ばかりでは、変り映えしないので、たまに異色のものを行う場合があります。現代を舞台にした「いのち」や「二つの祖国」、それに「いだてん」でしょう。結局、あまり成功したともいえず、もとの路線に戻ったようですが、新分野に挑戦したこと自体はよいと思います。
「光る君へ」はファンタジー色が強いのと、少女漫画風で賛否両論あるようなので、NHKがどう評価するかでしょう。政治家でも武将(広い意味では政治家?)でもない文化人や商人を主人公にするのも悪くないと思います。
韓国大河ドラマの定番は李舜臣なのですが、それ以外に医師の許浚や朝鮮王朝時代の科学者蒋英実を主人公にしたものもあります。 (2024年06月17日 13時14分12秒)

Re:戦国回帰はやむなしか(06/16)  
七詩  さん
鳩ポッポ9098さんへ
雅な王朝時代の才能豊かな自立した女性の恋と冒険を少女漫画タッチで描くのなら別に主人公は紫式部でなくともよいのではと思いますし、おっしゃるように主人公が何をしたいのかわからないというのが、ドラマに入り込めない原因かもしれません。
いっそ清少納言を主人公にすれば、没落する関白家を背景とした定子への友情と献身の物語として一貫するかもしれない。枕草子の挿話には政治的な背景などの説明はないのですが、ドラマでそれも描けばああそういうことだったのかと解釈できる部分も大きいようですしね。
(2024年06月17日 13時23分16秒)

Re[1]:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
七詩  さん
ふぁみり~キャンパーさんへ
冒険と堅実を繰り返すようですね。
豊臣兄弟などは従来の大河ドラマ路線で、どうみても安定した視聴率はとれるでしょう。
それに大河ドラマの経済効果は大きくて、大河を誘致している自治体がすごく多く。事跡のはっきりした歴史上の人物を描くという王道路線はすたれないと思います。
まあ、しかし、素材もさることながら脚本というのも大きいですね。今回の紫式部は少女漫画路線に特化したことで、せめすぎたのかもしれません。
学歴受験型エリート女性の成功物語のような…どうみても勉強好きの純情中学生くらいしか感動しないのではないかという素材だって脚本がよければ面白がってみるのですからねえ。
(2024年06月17日 13時31分57秒)

Re:「光る君へ」と枕草子(その2)(06/16)  
・曙光 さん
>高齢者が自ら、若者層に未来を託して身を引こうとする時、高齢者と若者層の間に立つ中年層が、若者はまだまだ未熟だから、高齢者の方々未だ残って若者を叱咤して下さいという、心優しき中間層の人がいる。
>新機軸を支える高齢者が不肖当方で、七詩さんはそれらを全てを俯瞰する人と云う思いが、勝手ながらがしてきた。面白い稀有なブログです。

此処については、七詩さんは全てを俯瞰する人とほめ過ぎましたが、当方の如く30代を理解し新機軸を支える側と言うよりも、高齢者側の立ち位置の人でした。失礼しました、
貶しているのでなく、高齢者を代弁されている有意義な意見だと思いますので、ご安心下さい。

(2024年06月17日 16時48分51秒)

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