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2024年10月11日
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カテゴリ: 裁判員制度



もし、袴田事件が裁判員裁判だったら冤罪は防ぐことができたのだろうか。冤罪には多くの場合、思い込みが背景にある。事件が起きた、その近所には前々から素行が問題になっていた不良青年がいた、あいつに違いない…ということはよくある。徳島ラジオ商事件では冤罪被害者は当時の社会通念では奔放な生活をしている女性であったし、冤罪かどうかは別にして、カレー事件も保険金詐欺は事実だろうし、近隣の住民から見れば異質な生活をしている者が疑われた。袴田事件でも、やはり、元ボクサーという素性に偏見がもたれたのではないか。今は違うのだが、当時のボクサーのイメージというのは元不良といったところがあり、実際、米国のボクサーの中には少年院で矯正教育の一環としてボクシングに触れたのが、この道に入る契機だったという人もいる。一般市民から抽選で選ばれた裁判員が裁判官以上にそうした偏見や思い込みから自由であるという保証はない。むしろ、様々な事件をてがけている裁判官以上に偏見に凝り固まった人も多いように思う。裁判員が判決に関与(現実には裁判官の横でうなづくだけかもしれないが)したとしても、冤罪を防ぐことはできない。
さらにいえば、こうした冤罪の可能性のある刑事事件に裁判員が関与することには別の問題がある。裁判員は多くの場合、他の職業があり、素人としての立場で裁判に参加する。しかし、参加した以上、こうした冤罪が明らかになった場合、その責任に耐えられるだろうか。それが自分の職業であれば大いに責任を感じるべきだし、そうした責任の大きな仕事にやりがいを感じてその職業を選んだはずだ。けれども裁判員はそうではない。裁判員は抽選にあたっても、自分がどんな事件にあたるかは知らされない。袴田事件のように死刑確実だが本人は否認しているという事件にあたることもある。ちなみにこの責任とは民事刑事の責任ではなく、心理的な責任である。自分がもし袴田事件の裁判員だったら責任を感じるだろう。
これは逆にいえば裁判官にしてみれば、裁判員が関与していることで、自分の責任感を軽減できる。ここで冤罪事件として何度もとりあげている甲山事件であるが、これはいったん不起訴になった後で、検察審査会の議決を踏まえて起訴されたという経過をたどった。検察審査会も裁判員同様に抽選で選ばれた素人で構成される。甲山事件の冤罪が確定した後で、ある検事の談話で「検察審査会が余計な議決をした」云々と言っていたのを読んだ記憶がある。冤罪を作ったプロの検事が素人の検察審査会に責任をなすりつける発言をするなんて…と腹立たしく思った(記憶違いかもしれないことを付記しておく)。
裁判員制度というのは、もしかしたら、冤罪事件についての裁判官の心理的負担、死刑判決についての裁判官の心理的負担を軽くするための制度なのかしらん。





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最終更新日  2024年10月11日 12時10分06秒
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