太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2006.09.04
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カテゴリ: アラカルト
「知ることは、感じることの半分も重要ではない。事実というものが後になって知識や知恵を生み出してくれる種子だとすれば、情緒や感覚がとらえるさまざまな印象は、そこに育つべき豊かな土壌である」と『沈黙の春』で有名な生物学者のレイチェル・カーソンも言っているが、情緒や感性という土壌がなければ、いくら良い種子があっても芽が出るはずがありません。

だから教育には、自らがどんな種子を宿しているかを見極め、水や肥料に相当する知識を与えることも大切だが、種子が育つ豊かな土壌を育むことが最も大切だと思います。

コンピューター社会となり、私たちを取り巻く環境が人工化すればするほど、豊かな個性と情感に支えられた人間味のある創造的な対応がますます求められます。
そのために必要な、豊かな情緒や感じる力、異なる文化や価値観があることを理解し良い人間関係を築く術、自ら課題を見つけ問題解決へ取り組む姿勢、人間の器をより大きく育てる教養などは、集団の中でこそ養われるものだと思います。

◆人物を磨くことを忘れた時代

経済官庁のエリートが裏金の公金を流用して株式取引をし、これといった仕事もなく週1回程度の出勤で1,800万円もの年俸をもらっていた道路公団から天下りした人たちが橋梁工事の談合を繰り返して税金を食い散らかし、大阪市役所に代表される公務員が手厚い福利厚生という名目で税金を無駄遣いし、警官や教師の不祥事・・・、社会の良識や志を体現すると思われてきたエリート官僚をはじめ、大企業経営者の不祥事など、何ともやりきれない思いの行いが目につくこの頃です。

公私ともに金儲け優先の経済性を最優先してきた戦後社会の中で、「人間は金儲けのためにどう役立つか」という手段としてのみ位置づけられ、仕事を通して社会にどう役立つかとか、仕事を通して人間としてどう成長するか、という観点が忘れられてきました。

経済や経営のために役立つかどうかだけで人間が評価されるのは一見合理的なように見えるが、本質から外れています。志や誠実さや思いやりなど人間としての成長に係わる大切な資質を養うことが土台となって初めて良い仕事、創造的な仕事もできるからです。

20世紀の功罪として、生活の便や快適さ、物の豊かさは著しく好転したが、それに引き換えて人間の内側の資源を耕すことは脇に置き忘れられ、衰弱してしまいました。

そういう社会に毒されることなく、学生の間に古典も読んで人間を磨いて欲しいと思います。

また、クラス対抗行事などを通じて、成果を上げるには各人が得意なことを生かしつつ自分の持ち場を責任持ってこなすチームワークが必要なこと、皆でやり遂げた感動がいかに大きく爽やかであるかを実感することで、更に大きく育っていくものだと思います。





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Last updated  2006.09.04 05:17:28
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