突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2010.12.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 そろり、と、椅子に近づいたアンタレスが、高々と聳え立つ絢爛豪華な被り物の下を、おっかなびっくり覗き込む。

 小さく息を飲んで、アンタレスが、レグルスを振り返った。
 「・・・驚いた! 本当に、ミイラだぞ!」
 レグルスもびっくりして、アンタレスの隣に駆け寄り、帽子の下を覗き込んだ。

 帽子の下の暗がりに、ほとんど白骨化した、土色の小さな顔が見えた。
 深く首をうなだれた頭部。 
 大きく窪んだ眼窩の奥は、闇の色に沈んで、うつろな穴だけのようだ。
 半ば開けた口の中には、土色に変色した歯が、ぞっくり残っているのが見える。

 ごくりと生唾を飲み込んで、アンタレスが、誰に言うともなく言った。


 そういえば、リュキア王の遺体はどうなったのか、歴史の授業では、話題になったことがなかった。 
 奸臣ゴルギアスに殺されたという、そのいきさつもあまり詳しく聞いた覚えがない。
 王が、どこでどのように殺されたのか、弔いは行われたのか、遺骸はどこに安置されたのか、王家の墓がどこにあるのか、そういう話は一度も聞いたことがなかった。

 でも、とレグルスは、自分の半分ぐらいしかないその小さなミイラを見下ろして首を横に振った。
 「これはリュキア王じゃないよ。 王は、身の丈2メートル半にも及ぶ偉丈夫だったという。 こんなに小さくないだろう」

 アンタレスも、レグルスの横に並んで、ミイラを見下ろした。
 「どうだかな。 言い伝えってやつは尾ひれがつくもんだし、どんな大男だって、干からびちまえばこんなものなのかもしれないぞ」

 レグルスは頑としてかぶりを振った。
 「違うって。 今も昔も、バルドーラ族は、こんなジャラジャラした衣装は着ないよ。 こういうのを好んで着るのは、ジャムルビー族の、神官・・・」

 言いかけて、どきりとした。
 では、ゴルギアスに捕らえられて自害したという、王妃か・・・?



 ・・・紫水晶?

 はて、どこかで見たような、と首をかしげた時、アンタレスが突然レグルスの袖をつかみ、一歩後ずさりした。
 「・・・変だぞ! レグルス、見ろ!」

 アンタレスの指し示した、ミイラの足もとに目を落して、レグルスもはっと息をのんだ。
 豪華な縫い取りを施した衣装の裾から、先ほどはたしかにのぞいていた靴のつま先が、すっかり隠れて見えなくなっている。







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最終更新日  2010.12.31 22:14:47
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