突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.01.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 「・・・なあ、どうやってあの鍵を取り戻したんだ? どうやってあのくたばりぞこないのミイラを退治した? 教えてくれよ、レグルス。 俺は誰よりも強くなりたいんだ。 自分が勝てないまま終わった勝負があるなんて、承服できない。 せめて、あいつを倒した方法だけでも教えてくれ。 あいつの弱点は? おまえの持っているような重い剣か? それとも別の武器? 飛び道具? 毒? 火? 水? まさか、魔法攻撃じゃないよな」

 アデュレリアの獄屋を出て、長い通路を引き返しながら、熱心にたずねてくるアンタレスに、レグルスは苦笑して答えた。
 「いいや、アンタレス、体は怪物と化し、生者を脅かす魔物といえど、心はある。 この迷宮という獄につながれ、止むに止まれぬ事情で人を襲う怪物だっているのだ。 おまえのように、ただ剣を振るって相手を斬り伏せれば勝てる、というものではない」

 「おっ、このやろう、」
 鳩が豆鉄砲食らったような顔で目をぱちくりさせたアンタレスが、ぷいとそっぽを向いた。
 「あんなへなちょこミイラ一匹倒したくらいで、すっかり強気になりやがって」
 レグルスも頬を膨らませて言い返した。
 「ふん、そのへなちょこ一匹に正面から相対することもできず寝たふり決め込んでいたくせに」 
 「な、なんだとっ!」


 「おーい! レグルス! アンタレス! どこにいる? 無事か?」
 ベテルギウスの声だ。

 「おーい、ベテルギウス、ここだよ! 僕もアンタレスも無事だ!」
 手を振ったレグルスに、駆け寄ってきたベテルギウスが息を弾ませて笑う。
 「よかった! 二人とも急に壁の中に消えてしまうんだもの、ひとり取り残されて気が気じゃなかったぞ。 うろたえてあっちへ行ったりこっちへ来たり、まごまご歩き回っていたら急にドアが現れて、奥から君たちの声が聞こえてきたから、おおいそぎで飛び込んできたんだ」

 「この通路奥の牢獄の主がいなくなったから、秘密のドアも秘密じゃなくなったんだな」
 笑顔を返したレグルスに、ベテルギウスがうなずいて、あたりを見回した。 
 「そういえば、蛇頭の魔獣もすっかり鳴りを潜めたようだな」
 「そうだ。 ここはもう、我々にとっては安全な避難場所になった。 ベテルギウス、地図にその旨書き込んでおいてくれ。 それから、」
 笑って、レグルスが取り出した紫水晶の鍵を、ベテルギウスが目を丸くして見おろした。
 「・・・この鍵は、もしかして、あの『開かずの扉』の・・・?」

 言って、レグルスは、アンタレスを振り返った。
 「・・・アンタレス、そうだったよな? 私にはよく聞き取れなかったのだが、おまえにはわかったか? 『夢幻の香炉』を探してどう使えと、王妃殿は言ったのだっけ?」

 面白くなさそうにそっぽを向いていたアンタレスが、ますますふくれっつらになってくるりとレグルスに背を向けた。
 「ちぇっ、またそのコンロを持ち出して俺を笑いものにするのかよ! どうせ俺は、おまえらような気取った連中とは住む世界が違う。 化け物ミイラの夢に取り込まれてでれーっと鼻の下のばすようなやつが喜んで使う道具のことなんか、俺が知るもんか!」

 その言葉には、ほんの少しだけ図星だった点もまじっていなくはなかったので、レグルスは耳まで真っ赤になって声を張り上げた。






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最終更新日  2011.01.10 19:36:52
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