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2011.01.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アデュレリアの頭骨を優しくなでながら、王妃の顔に、慙愧の表情が浮かぶ。


 アデュレリアの遺骨を抱きしめ、むせび泣いていた王妃が、やがて涙をぬぐって、足もとに落ちていた紫水晶の鍵を拾い上げた。
 「・・・輝ける若きリュキア王さま、この鍵は、あなたさまのものでございます。 どうぞ、お受け取りになって」

 「王妃殿、私は・・・」
 リュキア王ではありません、と言おうとしたレグルスをさえぎって、立ち上がった王妃が、うやうやしく鍵を差し出す。

 「いいえ、あなたさまは、わたくしの愛したリュキア王さまのお生まれ変わり。 そのことをあなたさまが忘れておいでなのは、わたくしが生前あまりに多くの罪を重ねたせいなのです。 神さまがあなたさまに、前世の悪しき王妃のことは忘れ去り、今生にては心正しき妻を娶り、新しき世を作れと仰せになったからです。 どうぞ、この鍵を用いてゴルギアスの呪いを打ち砕き、新しい王妃さまと、新しい国をおつくりくださいませ。 君主の剣を手に入れ、わたくしの宝石箱の慈悲の涙を取り付ける際には、夢幻の香炉にて目覚めの香を焚き、宝玉の穢れを祓い清めることを、かまえてお忘れなきよう」

 謎のような言葉を添えて、王妃の頬が、晴れやかなばら色に輝いた。


 アデュレリアの遺骨をしっかりと抱いたまま、王妃の全身が白く清浄な光に包まれて、きらきら輝きながら、光の粒に溶け込むように消えていく。

 「輝ける若きリュキアの王、レグルスさま、ありがとうございました。 これでわたくしたち姉妹、心残りなく神さまの御許に旅立つことがかないます」

 荘厳な光の中に、王妃の姿がすっかり溶け込んだ、そのせつな、幼子の笑い声が二つ、明るく響きわたって、ジャムルビーの少女が二人、手に手を取って光の彼方へと走り去っていく後姿が、一瞬だけ、見えた。

 昇天 ―――

 神々しい光が徐々に薄れて、もとの暗闇がもどってきたとき、アンタレスが顔を上げ、不思議そうに目をしばたたいてあたりを見回した。
 「・・・あれ? 今、何があった? 俺、寝てたか? ミイラは? 鍵は?」





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最終更新日  2011.01.09 20:25:09
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