突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.01.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 抱え起こそうとしたベテルギウスの手を、アンタレスがかたくなに退けた。

 そう言って、アンタレスが扉を大きく開け、レグルスを振り返った。
 「中には何もいないようだ。 自分で入って、気のすむまで調べてこい」
 ふくれっつらのまま、レグルスは、アンタレスを押しのけて扉の中へと足を踏み入れた。

 ランタンを掲げて、中をぐるりと一通り照らしてみる。
 そこは、小さな部屋になっていた。
 ひっそりと静かで、怪しい者が隠れている気配もないし、隠れるような場所もない。
 室温も正常。 異臭もなし。

 ただ、中央に、小さな丸テーブルがひとつだけ、ぽつんと置いてあった。
 テーブルの上に、何か乗っている。
 近づいて、手に取ってみた。

 「え・・・? ハンマー?」

 ――― ちょっと拍子抜けした。

 ためすがめつ眺めてみる。
 どう見てもハンマーだ。
 柄の部分に、鷲に似た奇妙な生き物の姿が彫刻してあることを別にすれば、その他に変わったところはない。
 普通のハンマー。
 テーブルを、こん、と軽く叩いてみる。
 特に重くも軽くもない。



 「なぜこんな仰々しい鍵つきの部屋の中に、どうってことのない普通のハンマーが一本だけ・・・? それとも、これは単に置き忘れただけなのか? テーブルのほうに何か秘密が?」
 ひとりつぶやいて、今度はテーブルを調べようとしたとき、扉のほうでベテルギウスのあわてた声が響いた。
 「アンタレス! どうしたんだ! しっかりしろ!」
 はっと振り返ると、ぐったりと倒れこんだアンタレスを、ベテルギウスが抱え起こしたところだった。

 レグルスも驚いて駆けつける。

 「アンタレス! どうした?!」
 レグルスの声に、薄目を開けたアンタレスが、細かく震える指先で、レグルスの手のハンマーを指差し、何か言おうとした。

 「なに? このハンマーがどうした?」
 耳を近づけたが、アンタレスは、言葉を発する前に、力尽きたように目を閉じ、それっきり動かなくなってしまった。

 「アンタレス! おい、目を開けろ!」
 アンタレスの胸ぐらを引っつかんで揺さぶり起こそうとしたレグルスの手を押しとどめて、ベテルギウスが言った。
 「トゲを刺した、とアンタレスは言っていたな。 そのトゲに毒が塗ってあったのかもしれない」
 「では、アンタレスの言っていた、罠というのは、そのトゲ・・・?」

 全身がそそけだつような衝撃を受けた。
 アンタレスは、私の身代わりになって、罠にかかったのか?

 ベテルギウスが、アンタレスを抱え上げ、早口で言った。
 「とにかく、まだ息はある。 急いでケンタウロス先生のところへ運ぼう。 レグルス、先導を頼む」





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最終更新日  2011.01.13 20:26:10
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