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2011.01.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 頼りないとはいえ、アルデバランも、もう小さな子どもじゃない。
 そろそろお互いに腹を割って、将来のことを語り合ってもいい時期かもしれない。

 そこで夕食の時、いつものように、今日あったことを楽しそうに話し終えたアルデバランに、アルクトゥールスはなにげない調子で聞いてみた。
 「なあ、アルデバラン、おまえは、今の生活に満足しているか? いや、食い物が足りてるとか友達がどうだとか言う話じゃなくて、なんていうかな、つまり、一生今のままで終わるのが自分にふさわしい生き方だ、って」

 すると、今までにこにこしていたアルデバランが、急に真顔になってアルクトゥールスを見上げた。 
 食事を中断してじっと考え込んだアルデバランが、ゆっくりと頭を横に振る。
 「・・・いや、兄ちゃん、今の生活は幸せだけど、俺は時々、この幸せは偽物なんじゃないか、って考えることがあるよ。 もしこの幸せが偽物だとしたら、俺、何を犠牲にしても、勇気を持って今の生活を捨てる覚悟はできてると思う。 偽物の幸せに自分をごまかして、満足できるとは思わないよ」

 思いがけなく頼もしい返事を聞いて、アルクトゥールスの胸が、じん、と熱くなった。
 「そうか! おまえもそんなふうに思っていたのか! 成長したもんだなあ、アルデバラン! さすがは俺の弟だ、安心したぜ」


 「当たり前だよ。 俺、どんなことでも兄ちゃんに協力するって、前から言っていただろ? じゃあ、兄ちゃん、とうとう俺に本心を聞かせてくれる決心をしたんだね? どんなことでも、隠さず話してよ。 俺、たぶん、何を聞かされても驚かないと思うぞ。 兄ちゃんがやれということなら、どんなことだって命がけでやろうと決めてるんだ。 もう覚悟はできてる」

 アルクトゥールスはますます嬉しくなり、テーブルに身を乗り出して言った。
 「そりゃあ頼もしい! それじゃおまえにも、そろそろ俺の計画を話しておこうな」

 アルデバランも、テーブルに並んだ食器類を全部わきに押しのけて身を乗り出した。
 「それをずっと待ってたんだ! 俺は、何をしたらいいの?」

 アルクトゥールスは苦笑して答えた。
 「まあ、待て待て。 そうあせるなって。 すぐに実行できる計画じゃねえんだから。 今のところおまえによく考えておいて欲しいのは、まず、武器だな。 おまえが使う得物。 俺が充分な軍資金を蓄える間に、おまえはそれをじっくり考えて選んでおいてくれ。 そして2番目は馬。 馬がいなけりゃ砂漠は越えられねえからな。 小さなパピト馬だったら、神殿の裏木戸からこっそり城壁の外に出られると思うんだ。 だからおまえには、神殿の使用人を一人てなずけて、いつでも裏木戸を開けてもらえるように話をつけておいてもらいてえ。 おっと、もちろんその前におまえも俺も、ちゃんと馬を乗りこなせるように練習しておかなきゃな。 それから、旅支度だが、これも、毎年のように砂漠を越えて港町に出かけて行くマルシリオに、おまえがそれとなく聞いておいてくれよ。 たとえば、持ち物はどんなものが必要か、ここから一番近いオアシスはどこか、グルナの港町に行くにはどのくらいの日数がかかるのか、そういった予備知識だ。 ・・・グルナの港について準備を整えたら、いよいよ盗賊団として砂漠に繰り出すんだぞ! 掃いて捨てるほどいる他の盗賊団を、俺たちで制圧して統合して、世界一の大盗賊団を作ってやろうぜ。 その盗賊団の名前ももう決まってる。 『アルデバラン』ていうんだ! 胸が躍るよな!」





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最終更新日  2011.01.18 20:16:19
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アルクトゥールス...!!  
風とケーナ  さん
ついに彼の中の壮大な計画を打ち明けましたか!

兄の更生をせつに願い信じているアルデバランにとっては、
青天の霹靂とも思える衝撃かもしれませんね…!

でも、盗賊団の名前は『アルデバラン』.:*・☆
今はどんなに見ている方向は違っても、
やっぱり二人の絆はこんなにも深いのですよね。
この二人には、いつもどうしようもなく切なく、
それでいて、無性に温かい気持ちにさせられてしまいます。

(2011.01.18 21:34:38)

ケーナさま、ありがとうございます☆.: *:・  
アルクトゥールスとアルデバランの二人に
あたたかいお言葉を、ありがとうございます!

そうなんです。
盗賊団なんて、
誠心篤厚真面目一筋のアルデバランには
到底受け入れられない行為です。

一方アルクトゥールスのほうは
盗賊という自分の仕事に誇りさえ感じています。

二人の生き方は、水と油。

愛情が深ければ深いほど、対立も深まるのではないかと
心配なふろぷしーです。

早く仲直りしてくれー、
って。
兄弟げんかはこれから始まるんだった!(´゚。゚`;)

(2011.01.18 22:44:07)

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