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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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神の祝福 第１話
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2011.01.28
カテゴリ： カテゴリ未分類
マルシリオが目を丸くして頭を振った。
「と、とんでもない！ 安物だからぴったりだなんて、どうして私がそんなことを言うもんかね！ アルデバランは本当にいい子に育ったよ。 みんなの人気者じゃないか。 そりゃあ、アルクトゥールス、その短刀は、君が時々うちに持ち込んでくるようなりっぱな骨董品の値段とは比べ物にならないだろうが、ああいうのは宝石や貴金属で美々しく飾り立ててあるから高いんだ。 実用品じゃないよ。 実用品の値段はどれもみんなこの程度さ。 アルデバランに、実用品としての短刀を買ってやるなら、うちの店じゃこれが一番高級なものだよ。 でも、実用品としてじゃなく、財産として買ってやるなら、短刀じゃなくて短剣のほうがいいだろうね。 あれならいろいろ凝った飾りがついているからいくらでも高い値段のものがある。 だが、ああいうのは実用品としては使い道がちょっと違うから、アルデバランには・・・」
マルシリオの、際限のないおしゃべりを、アルデバランがあわててさえぎった。
「いいんだ！ マルシリオさん、俺が欲しいのは、財産じゃなくて実用品なんだ。 使えないものはいらないよ。 ・・・ね、兄ちゃん、俺、この短刀がすごく気に入ってるんだ。 いくら高くてもりっぱでも、他のものじゃいやなんだ。 これを買ってよ。 使えもしない高いものを買って、俺をがっかりさせないで！ お願い！」
渋面を作ってアルデバランを見ると、アルデバランは、すでに、その短刀を二度と手放すまいとするかのようにしっかり両手に握り締めて、すがりつくような目でアルクトゥールスを見つめていた。
この表情を目にしては、アルクトゥールスも、もはや黙ってうなずくしかなかった。
「・・・ちぇっ、おまえがそこまでほれ込んでいるなら仕方がねえな。 今日のところはひとまずその短刀で手を打つことにしよう。 そんなものじゃ、あんまり役にたたねえと俺は思うんだが、まあ、それを使ってどれだけのことができるものか、奴にもよく聞いてみるんだな。 それで不足とわかったらまた別の武器を考えればいいんだし」
「武器、だって？！」
聞きとがめたマルシリオが、目を丸くして何か言いかけたのを、アルデバランがまた、急いでさえぎった。
目を白黒させながらマルシリオが包んだ短刀を、大事そうに胸に抱え込んで、何度も何度も、兄ちゃん、ありがとう、と繰り返すアルデバランの、そのあまりにも嬉しそうな顔を見ると、気にいらない買い物とはいえやっぱり嬉しくなって、つい笑顔になってしまうアルクトゥールスなのだった。
アルデバランの笑顔は、どんなときでも、アルクトゥールスに幸福をもたらしてくれる特効薬だ。
「と、とんでもない！ 安物だからぴったりだなんて、どうして私がそんなことを言うもんかね！ アルデバランは本当にいい子に育ったよ。 みんなの人気者じゃないか。 そりゃあ、アルクトゥールス、その短刀は、君が時々うちに持ち込んでくるようなりっぱな骨董品の値段とは比べ物にならないだろうが、ああいうのは宝石や貴金属で美々しく飾り立ててあるから高いんだ。 実用品じゃないよ。 実用品の値段はどれもみんなこの程度さ。 アルデバランに、実用品としての短刀を買ってやるなら、うちの店じゃこれが一番高級なものだよ。 でも、実用品としてじゃなく、財産として買ってやるなら、短刀じゃなくて短剣のほうがいいだろうね。 あれならいろいろ凝った飾りがついているからいくらでも高い値段のものがある。 だが、ああいうのは実用品としては使い道がちょっと違うから、アルデバランには・・・」
マルシリオの、際限のないおしゃべりを、アルデバランがあわててさえぎった。
「いいんだ！ マルシリオさん、俺が欲しいのは、財産じゃなくて実用品なんだ。 使えないものはいらないよ。 ・・・ね、兄ちゃん、俺、この短刀がすごく気に入ってるんだ。 いくら高くてもりっぱでも、他のものじゃいやなんだ。 これを買ってよ。 使えもしない高いものを買って、俺をがっかりさせないで！ お願い！」
渋面を作ってアルデバランを見ると、アルデバランは、すでに、その短刀を二度と手放すまいとするかのようにしっかり両手に握り締めて、すがりつくような目でアルクトゥールスを見つめていた。
この表情を目にしては、アルクトゥールスも、もはや黙ってうなずくしかなかった。
「・・・ちぇっ、おまえがそこまでほれ込んでいるなら仕方がねえな。 今日のところはひとまずその短刀で手を打つことにしよう。 そんなものじゃ、あんまり役にたたねえと俺は思うんだが、まあ、それを使ってどれだけのことができるものか、奴にもよく聞いてみるんだな。 それで不足とわかったらまた別の武器を考えればいいんだし」
「武器、だって？！」
聞きとがめたマルシリオが、目を丸くして何か言いかけたのを、アルデバランがまた、急いでさえぎった。
目を白黒させながらマルシリオが包んだ短刀を、大事そうに胸に抱え込んで、何度も何度も、兄ちゃん、ありがとう、と繰り返すアルデバランの、そのあまりにも嬉しそうな顔を見ると、気にいらない買い物とはいえやっぱり嬉しくなって、つい笑顔になってしまうアルクトゥールスなのだった。
アルデバランの笑顔は、どんなときでも、アルクトゥールスに幸福をもたらしてくれる特効薬だ。
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