突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.02.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 次の日の朝アルデバランは、何か考え込むようにずっと黙り込んだまま家の仕事をしていたが、向き合って朝食の席に着いたとき、ようやく顔をあげてアルクトゥールスを見た。

 「なんだよ」
 たずね返したきりもくもくと食事を続けるアルクトゥールスを、アルデバランは、思いあぐねるようにじっと見つめ、それから言った。
 「兄ちゃん、ゆうべ、俺に話がある、って、言ったよね」
 食事を続けながら、アルクトゥールスはちょっと笑って答えた。
 「ああ、あれならもういいんだ。 別にたいした話じゃねえよ」

 するとアルデバランはまた、うつむいて黙り込み、スプーンの先でスープの中のじゃがいもをつついていたが、しばらくしてまた、口を開いた。
 「・・・今度はいつ、迷宮に行くの?」


 答えたアルクトゥールスをちょっと見て、アルデバランがスプーンを置いた。
 「兄ちゃんが危険な迷宮に行くのは、ただ自分の金が欲しいからか? この国にかけられた呪いを解いてみんなを幸せにするためじゃなくて?」

 アルクトゥールスは苦笑して頭を振った。
 「何を夢みたいなこと言ってやがる。 呪いを解くだの、みんなの幸せだの、そんな世迷言、俺には関係ねえだろ。 あの迷宮の中には無尽蔵のお宝が眠ってる。 多少の危険を冒しても、盗掘に入り込んで行くだけの価値はあるのよ。 ・・・さて、じゃ今日も、体力づくりのためのジョギングに行ってくるか」

 ごちそうさま、とナプキンを置いて立ち上がろうとしたアルクトゥールスの手を、アルデバランがぐいとつかんだ。
 「兄ちゃん、まだ話は終わっていないよ!」

 アルデバランの手の力の、思いがけない強さに、アルクトゥールスは目を白黒させながら、また椅子に腰を下ろした。
 「な、なんだよ?!」

 アルデバランの表情は、今まで一度も見たことがないくらい、おそろしいほど真剣だ。
 「・・・兄ちゃんが、そんなに金を欲しがるのは、盗賊団を作るためか?」

 アルクトゥールスは目をぱちくりさせてうなずいた。


 アルクトゥールスの手を?んだアルデバランの手が、わなわなと細かく震えている。
 「だったら、盗賊団なんか作るのはよせよ! そうしたら金なんかいらないだろ? 迷宮なんか行かずにすむだろ? そんな危ない仕事を続けて、兄ちゃんの身にもしものことがあったらどうするんだよ! そういうこと、考えてくれないのか!」

 それは、アルデバランには決して言ってほしくない言葉だった。
 金はいらない。 危ないことはするな。 
 次に言い出すこともわかっている。 

 ちまちまと。
 あくせくと。

 ・・・うんざりだ!





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最終更新日  2011.02.03 19:05:00
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