突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

神の祝福 第1話 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2011.04.15
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類





 「いやだ、いやだ! まっぴらだ! だれか替わってくれ!」
 部屋に戻ってくるなりそう叫んで、どっとベッドに倒れこんだレグルスを、ロッカーの前で着替えをしていたベテルギウスが、きょとんと見下ろした。
 「なんだい? レグルス、なに駄々こねてるんだ?」

 その声に、レグルスはぴょんと飛び起き、今度は、今訓練から戻ったばかりらしいベテルギウスに向かってやつあたりを始めた。
 「そうだ、ベテルギウス、そもそも、こんなことになった原因の一端は、君にもあるんだぞ! あの事件の夜、君が、怪我人を神殿まで送り届けろなんて僕に命じなければ、今日僕が布教神官の護衛なんて不名誉な任務を押しつけられることもなかったんだ! おまえのせいだ、ベテルギウス!」

 戦闘衣を脱ぎ捨て、ロッカーの中の部屋着に手を伸ばしかけていたベテルギウスが、目を丸くして、その手を止めた。
 「おいおい、何の話だよ? 僕が何を命じたって? 布教坊主が、なんだって?」

 ぷりぷりしながら、たった今プルートス大佐に命じられた不名誉な任務の話をすると、ベテルギウスは、からからと大笑いして部屋着を取り、その、筋骨隆々とした太い腕に袖を通した。
 「なあんだ、そんな愚にもつかないことで、なにカッカしてるんだよ。 布教師の護衛なんて、別にどうってことないじゃないか。 神官が、下級戦士たちと揉め事を起こさなきゃそれでいいんだろ?  神官たちは見かけによらず神経が図太いんだ。 少しぐらいイヤミを言われたりからかわれたりしたってへっちゃらだし、まして布教が目的なら、わざわざ自分のほうから相手を怒らせるようなことを言ったりはしないよ。 毎年ここに来る布教師たちが下級戦士を怒らせてしまう原因の1番目は、あんまり熱心に説法するあまり、しつこくつきまとって、結果、訓練の邪魔をしてしまうこと、2番目は、官舎内で迷って、武器倉庫とか軍書庫とか会議中の部屋とか、軍の機密に関わる場所にうっかり近づいた時だ。 彼ら方向音痴が多いからね。 しかし今回は、昼休みだけということなら、訓練の邪魔にもならないし、活動場所も戦士たちがほぼ全員集まる食堂内に限られる。 プルートス大佐のおっしゃるとおり、かんたんな仕事だと思うね。 それで昇進できるなら、こんなうまい話、ないじゃない? もっと素直に喜べば?」


 「それがいやなんだ! 戦いで功を上げるとか、街の人たちのために尽力したとでもいうならともかく、坊主のお守りで昇進するなんて、最低だよ! この際だから言うけど、僕は、ジャムルビーの修行者を神殿に送り届けたという、たったそれだけの功績によって戦士として認められたことを、いまだに後ろめたく思っているんだぞ。 もしあの時君が、盗賊団を追おうとした僕を止めずに行かせてくれていたら、僕は一味の首領だって捕まえられたかもしれない。 その功績をもって戦士として認められたんだったら、どんなに自分を誇らしく思うだろう! それを、ええい! また、布教の神官のお守りで出世するなんて、僕はジャムルビーの番犬か? 下級戦士たちのいい笑い者だよ!」

 おかしくてたまらない、というようにベテルギウスがくすくす笑う。
 「なるほど、わかったぞ、レグルス、君がそんなにジャムルビー族を毛嫌いするから、かえってそういう任務を押し付けられてしまうんだよ。 軍には、少ないけどジャムルビー族の兵士もいるんだ。 いつか君の部隊にジャムルビー兵が配属されてくることだってきっとある。 そのとき、そんなふうに差別視していたら、君は彼らの能力を十分に使いこなすことができないだろう。 将来有望な君を少しでもジャムルビー族に慣れさせようという、リザード中将閣下の、深い御配慮なのかも」

 ますます頭に血をのぼらせて何か言い返そうとしたレグルスに、枕を投げ返して、ベテルギウスは、少し真面目な顔になり、こう助言をくれた。
 「大丈夫。 君には、レグルス小隊のみんながいるじゃないか。 きっとみんな、君の昇進を心から望んで、一生懸命協力してくれると思うぞ。 昼休みの2時間、あちこちで説法して回る布教師を、ひとりで監視するとしたらなかなかたいへんだけど、場所を食堂の中だけに限定して、小隊の全員にそれとなく目配りしてもらうなら、誰にとってもそれほど負担じゃないし、ずっと確実だ。 きっと、布教師もそのほうがありがたいと言うだろうな。 だって、布教の間ずっと、君にそんな恐ろしい顔で睨みつけられていたら、僕だって怖いもん!」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.04.15 19:44:49
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: