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2011.04.17
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 プードルが、目の色を変えて騒ぎ始めた。
 「何だって?! そいつは大変なことじゃねえですかい! 軍曹、こうしちゃいられません、俺たちにも何かやらせてください。 たとえば、その坊さんを門まで迎えに出る。 たとえば、安全に説法をできるような場所を設ける。 たとえば、前もって下級戦士の雑魚どもに、行儀よく説法を聞くように話をつけとく。 そのための金も少し用意しておいたほうがいいし・・・。 ね? そういう仕事、ぜひ俺っちにやらせてくださいよ! そうして坊さんを喜ばせ、軍曹殿が少尉に昇格なさったら、俺らこんな嬉しいことはねえ!」 

 チェリーも張り切って身を乗り出した。
 「プードル伍長の言うとおりだ! 金を用意する役目は、俺に任せてくれ。 今夜にでもさっそく、賭場に繰り出して、がぼっと・・・! おい、アーモンド、軍資金、出せ」

 アーモンドがきっぱり首を横に振った。
 「軍資金は、みんなで平等に出し合いましょうよ、俺たちの軍曹殿が少尉におなりのためのお金なんですから。 ・・・それより軍曹殿、そういうことならぜひ私を、その布教師の付き人にお命じください! 私、その神官の言うことに決して逆らわず何でも言われたとおりに走り回りますし、誰にも指一本触れさせやしません。 そうすれば他のみんなは自主訓練のほうに専念できますでしょ」

 フロックスも、負けじと声を張り上げた。
 「こら、アーモンド、おまえは、軍曹殿に可愛がられてると思ってこのごろ少しでしゃばりすぎだぞ。 その役目こそ、みんな平等に、一日交替でやるんだ。 それからチェリーよ、おまえは、こんな大事なところに博打で稼いだ金なんかあてるなよ。 下級戦士の10人や20人、黙って説法に耳を傾けさせるのに、小遣いなんかいらねえ。 俺が、この、軍曹殿にいただいた大太刀を、ぶん、と一振りすりゃ、みんな震え上がって、1時間でも2時間でも、その坊主の前にかしこまって座っているさ」
 「なにを! そのくらいなら俺だって! ・・・軍曹殿! 俺なら30人に話をつけますぜ!」

 「へん! 俺だったら軽く100人!」
 「150人!」
 「170人!」

 蜂の巣をつついたような騒ぎに、レグルスはびっくりしながら言った。
 「待ってくれ! みんな、そんな大げさなことはしなくていい。 さっきも言ったように、私はこんな任務を命じられたことを恥だと思っているんだ。 あまり仰々しいことをせず、10日間の布教期間を普段どおり淡々とやり過ごしたい。 昇進も辞退するつもりだ」

 「そんなぁ!」
 プードルが怒ったように叫んだ。
 「情けないことおっしゃらねえでくださいよ! せっかくの昇進を辞退するなんて! 軍曹殿のご昇進は、俺たちみんなの昇進に等しいんですぜ! 神官の護衛だろうが猫の護衛だろうが、軍曹殿は、司令官に見込まれて、選ばれたんでさ。 それが名誉でなくてなんだってんですか! そんな、子どもみたいな片意地張って、昇進を辞退したりなさったら、俺たちみんな、あんたにそっぽ向いちまいますからねっ!」 

 はっとした。

 そうだ、自分は、ひとりではないのだ。
 私の昇進は部下全員の昇進につながる。

 この任務の意味は、布教神官を守ることではなく、私の戦士たちを守り、さらに一段高みに押し上げる、そのことにこそあるのだ。

 胸を熱くして、レグルスはプードルの手を握り締め、うなずいた。





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最終更新日  2011.04.17 18:26:10
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