突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.04.28
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 そんな必要はない! と、叱りつけるまでもなく、エリダヌスが、真っ直ぐにレグルスのほうに歩いてきた。 
 ここでもエリダヌスは、今までにレグルスがよく見知っていた鉄面皮の神官たちとはまるで様子が違っていた。 居並ぶレグルスの戦士たちに、近づき過ぎないように、おどおどと足を止め、それに気づいた戦士たちのほうがあわてて道をあけてもなお、臆病な小鳥のようにその場にとどまって、うっとりするほど優雅で丁寧なお辞儀をしたのだ。
 「レグルスさま、おはようございます。 昨日はたいへんお世話になりました。 戦士の皆さま、私は、今日からこちらの訓練場に布教のお勤めに上がることになりました、エリダヌス、と申します。 未熟者ゆえ何かと御迷惑をおかけすることになるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします」

 今日こそは、もう少し自然に振舞おう、と固く心に決めていたレグルスだったが、今までさんざん気を揉まされた気がしていたところにもってきて、戦士たちの、思いもよらぬこの浮かれよう。 つい、仏頂面をエリダヌスに向けた。
 「別に、おまえの世話をした覚えもないが・・・。 ところで、エリダヌスとやら、布教活動は確か昼休みの間と聞いていたように思うのだが、昼休みの鐘は、もう30分も前に鳴ったぞ。 布教とは、気楽でよいものだな」

 ――― ほとんど言いがかりだ。
 自覚して、素直じゃない自分自身に向かって渋い顔つきをしたレグルスに、エリダヌスが、はっとしたように身をすくめた。
 「あ・・・やはりそうでしたか。 申し訳ありません。 私も、時間きっかりに参上しようかとも思ったのですが、戦士の皆さまはたぶんお食事中だろうと思いましたものですから、それではかえってお邪魔になるかとも思い、迷いましたが少し時間をずらして参上いたしました。 それでは、明日からは、時間通りにうかがうことにいたします」

 おさまりがつかず、レグルスはそっぽを向いて答えた。


 ――― やっぱり、言いがかりだ。 なぜこんないやみしか言えないのか。
 ほとんどその場から逃げ出したくなったレグルスに、それでもエリダヌスは、辛抱強く頭を下げ、あくまでも礼儀正しく、せつなくなるほどやわらかな口調で答えた。
 「よくわかりました。 以後は何事も、あなたさまに御相談申し上げ、そのご指示に従うとお約束いたします。 では、明日からも、昼休みの鐘の30分後に参上するということでよろしいでしょうか?」
 「ふん、そうしたければそうするがいいだろう。 では、我々は我々の訓練を始めるから、おまえは、邪魔にならぬよう、布教活動はよそでやってくれ」

 そそくさと逃げ出そうとしたレグルスを、エリダヌスが、困惑したように見上げた。
 「ほか、とおっしゃいますと、どのあたりで行えば・・・?」

 「そんなことは昨日も言っただろう! 私の目の届く範囲内で、私の戦士たちに近づきすぎぬところだ! あとは自分の頭で考えろ!」
 言い捨てて、レグルスはさっさとエリダヌスに背を向け、戦士たちに整列の号令をかけた。

 訓練場に駆け出したレグルスの後ろで、チェリーがこっそり、エリダヌスに声をかけるのが聞こえた。
 「気にすんなよ、布教師さん、ここで待ってると、そのうち俺らの訓練の見物に人が集まってくるから、ありがたいお話は、そいつらに聞かせてやるといいよ。 怖がらなくて大丈夫。 昨日のうちにちゃんとみんなに、布教師さんの話をおとなしく聞くように言っておいたからね。 ・・・もちろん、軍曹殿の御命令で!」





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最終更新日  2011.04.28 20:46:42
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