突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.04.29
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 こうして、神経をすり減らすような一日がようやく過ぎ去り、部屋に帰ると、レグルスを待ち構えていたようにベテルギウスが言った。
 「おかえり、レグルス、今日はどうだった? 疲れたろ?」
 汚れた戦闘衣のまま、レグルスは椅子にどっと体を投げ出して言った。
 「ああ、もう、くたくただよ! あと9日もこんなことが続くのかと思うと、うんざりだ!」

 ちょっと笑って、ベテルギウスがまたたずねた。
 「まあ、今日は初日だからね。 そのうち慣れるさ。 で、レグルス、その布教師の様子はどんなふうだった? 戦士たちと、いざこざは起こさなかったか?」

 レグルスはくすくす笑いながら、椅子から身を乗り出した。
 「それが、おかしいったらないんだ。 あんなヘンテコな布教師は、初めてお目にかかったよ。 気が弱くて、布教活動どころじゃないんだもの。 うちの戦士たちがせっかくそいつのために、よその隊の戦士たちにちゃんと説法を聞くように話をつけておいたのに、その戦士たちからまで、逃げ回ってばかりいるんだぜ。 あの様子なら、あいつはぜったい戦士たちといざこざなんて起こさないね。 ほっとしたといえばほっとしたけど、なんだかちょっと物足りない気もするなあ。 もしもあいつが、戦士たちとすぐに取っ組み合いを始めるような気の荒いやつだったら楽しいのに、なんて思ったり、ね」

 ベテルギウスが、不審げな顔をレグルスに向けた。


 レグルスはくすくす笑いながら椅子から立ち上がり、汚れた戦闘衣を脱ぎ始めた。
 「そうなんだよ。 あきれた布教師だろ? ところが、うちの戦士たちはみんな、あいつをえらく気に入っちゃったみたいなんだ。 『明日はあの人がもっと説教しやすいように、知り合いの下級戦士全員に声をかけておいてやろう』って、大はりきりだよ。 あれは、僕のために任務を完遂させようという使命感で動いてるんじゃなさそうだ。 あの神官への純粋な好意の気持ちからだろうな。 ベテルギウス、君たちも明日の昼休み、あの布教師を見に来ないか? おかしくて、笑っちゃうぞ」

 しかしベテルギウスは、ますます不審な表情になってつぶやいた。
 「おかしいな・・・リュキア神殿はなぜ、そんな説教の下手な神官をよこしたんだろう」

 「さあね。 リュキア神殿だって、人選を間違えることもあるんだろ。 ちょうど、リザード中将閣下が、大のジャムルビー嫌いの僕を、ジャムルビーの護衛官に命じたように。 ・・・説教のできない布教師に、護衛したくない護衛官。 どっちもどっちのお笑い種だよね!」

 ベテルギウスが顔を上げ、奇妙な目つきでレグルスを見た。
 「そうだろうか。 しかし、レグルス、妙だな。 今日の君はちっともジャムルビー嫌いには見えないぞ。 その布教師のことを、とても楽しそうにしゃべっているように見える」

 レグルスはびっくりして、ベテルギウスの顔を見上げた。
 「『楽しそう』だって?! 冗談じゃない、ほんとに僕がそんなふうに見えるんだとしたら、ベテルギウス、君の目はふしあなだぞ! 僕があいつのためにどんなに神経をすり減らして、いらいらしてるか、わからないなんて! こんなふうに無理にも笑って空元気を出さなきゃ、とてもやってられないんだ!」

 ベテルギウスはあわててレグルスに非礼を詫びたが、その言葉はまるでおざなり。 何かにとりつかれたようにただ、ぶつぶつ独り言を続けていた。
 「・・・どう考えたって変じゃないか。 そんなおかしな布教師が、なぜ今突然ここに現れたんだろう。 どうしてその護衛官はレグルスでなければいけないんだろう。 そいつはどうしてレグルスをこんなに笑わせることができるんだろう。 僕は、どうしてこんなにリュキア神殿のことが気になるんだろう?」





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最終更新日  2011.04.29 20:43:45
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