突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.08.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 駆け寄ったエリダヌスを、レグルスの腕がしっかりと抱きとめた。

 なんと、あたたかく、力強い腕だろう!
 これで救われたというわけでは決してないのに、その瞬間、全身からいっぺんに力が抜けていくほど、深く、深く、安堵した。

 「エリダヌス!」
 激しい力でエリダヌスをかき抱く、レグルスの熱い胸から、トク、トク、と確かな心臓の鼓動が伝わってくる。
 その音が嬉しくて、どっと涙があふれてきた。

 レグルスが、両手でエリダヌスの肩をつかみ、自分の胸から引っぺがして顔を覗き込んだ。
 「エリダヌス、大丈夫か? 怪我はないか?」


 その涙を隠そうとするように、レグルスがまた、荒々しくエリダヌスを抱きすくめる。
 「・・・おまえが拉致されたと聞いて、生きた心地もしなかった。 おまえの身にもしものことがあったら、と思うと、私は・・・」

 嬉しいのか悲しいのか、突き上げてくる熱い感情に声を詰まらせながら、エリダヌスはようやく言った。
 「レグルスさま、申し訳ありません! 命を狙われたのは私ではなく、レグルスさまなのです。 私は、あなたさまをここまでおびき寄せるためのエサ、そしてここは、一度入り込んだら脱出の手だてがないゴルギアスの牢獄なのだそうです。 ここを出るには、あの高窓から遥かな地上に身を投げるより他に方法が・・・」

 すでに、夜の闇に閉ざされた窓の外を指差して、エリダヌスはまた、声を詰まらせた。

 「なに? 外に出られない? そんな馬鹿な。 だって私は今何の支障もなくすいすいとここまで・・・」
 言いながら、戸の方を振り向いて、レグルスも、はっとしたように声を途切らせた。

 たった今、レグルスが飛びこんできた戸は、いつのまにか固く閉ざされていた。

 戸に飛びついたレグルスが、押したり、引いたり、叩いたり蹴飛ばしたり、渾身の力を込めて試みるも、それはびくとも動かなかった。
 エリダヌスは絶望に打ちひしがれながら告げた。
 「たった一つしかないその鍵は、アナルケルという神官が持っていたそうですが、そのアナルケルも神殿の地下で落命したと、フォーマルハウトは言っていました」



 不思議そうにレグルスがつぶやいた時、すでに闇に沈んでいた窓の外が突然、ぱーっとオレンジ色に燃え上がった。

 ぎょっと顔を上げ、窓際に駆け寄った二人の目に映ったのは、天をも焦がすと思われる巨大な火柱。 

 「ああ、リュキア神殿が・・・!」
 足もとが崩れ去るような気がしてふらふらと倒れかけたエリダヌスを、しっかりと支えながら、レグルスがその巨大な火柱の底部を覗き込んだ。
 「なぜ神殿が炎上を? 火をかけたのは誰だ? 中の神官たちは、避難できたのか?」



 「誰かこの塔の外壁をのぼってくる! すごい速さだ!」





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最終更新日  2011.08.22 20:15:03 コメントを書く


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