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2014.03.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 守り猫さま、どうか私にもその方法をお教えください。

 この荒ぶる魂たちを鎮める力を、私にもお与えください。 

 なにとぞ、なにとぞ、今一度お力をお貸しくださいませ!


 遠い森の古寺の、守り猫に向かって、声にならない声で叫んだとき、不意に、耳を聾するトラックの轟音が、嘘のように消え失せた。


 静寂 ―――

 あの寺の、耳を失った守り猫さまの見えない手が、そっと自分の耳に触れた、そのときミケには確かにそれが感じられた。


 同時に、次々と襲いかかってくる恐ろしいトラックの幻も消え、あたりは、これまでとは明らかに異なる、あたたかくおだやかな闇にすっぽりと包まれた。


 無辺の闇 ―――


 ああ、あの、目を失った守り猫さまも、私にお力添えくださっている!



 顔を上げたミケの耳に、永遠のしじまの中、荒ぶる魂を鎮めんと、静かな経文が響いていた。

 心が洗われるような、美しい経文。 澄み切った声。

 無明の闇に差し込む、やわらかくあたたかい、一条の光。


 感動にこみ上げてくる涙をぬぐって、ミケも両手を合わせ、守り猫さまの経文に唱和した。

 この場所で、永遠にのたうちまわり、もがき苦しむ魂たちの思いを慰めたいと心から願い、とめどなく流れる涙をぬぐうまもなく一心に祈った。




 どれほどの時間がたったのか、ふと気がつくと、あたりにはやわらかな空気が満ちていた。


 春の陽ざしにも似た、ふうわりとしたあたたかさ。

 広大無辺の闇を満たす、荘厳な時間。



 穏やかな幸福感とともに、荒ぶる魂が、ゆっくりとミケから離れていくのが感じられる。


 ――― 調伏成就。



 と思った次の瞬間、しかし、闇の彼方からさらに真っ黒な、巨大な憎しみの塊が、急速な勢いでこちらに向かってくるのが感じられた。


 ずん、と地を震わせるほど重い空気。

 突き刺さるような冷気。


 これまでにも増して手ごわい敵、と瞬時に予感した。


 ここに集まった怨霊たちを総括する首魁の登場だ。

 これを打ち破らなければ、呪いは解けない。

蓮華の光


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最終更新日  2014.03.30 22:22:08 コメント(6) | コメントを書く


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