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彼女は50代の独身。
両親と一戸建ての家に住んでいたが相次いで両親が亡くなり、現在は一人暮らしで沢山の物に囲まれ、手に負えない状態で暮らしている。
家のことはみんな母親がしていたと保険関係の書類が出てきても訳がわからなくてぼんやり書面を見ていた。
娘に教えなくてはという思いも両親は持っていたと思う。それも日々の生活でいつか自分の不調で果たせなくなったということか。
彼女は若い時の仕事のことや、話しぶりからおそらくグレーゾーンの方と思えた。
それでも人と接することは好きなようで好きな楽器をずっと続けたり、友人の話もするので孤独ではないよう。
山下さんも言っていたが何より雰囲気が可愛らしくて何か手伝ってあげたいと言う気持ちになる。
若い時の写真も可愛らしくて家に籠るタイプではないので結婚のチャンスもあったのではないか。
文学作品の文庫本の山は自分を知的に見せたくて購入したものだと言ってた。
私も若い頃あった。有名な文学作品を本当は興味がないのに無理して読んでいた。
実は彼女を見て私自身を見ている気分になったのだ。
周りと違う自分、知的に見せる努力。
普通の人にも通じるかもしれないがそれが自分を悩ませ、何とかみんなのところに追いつかなければと心の片隅にあったこと。
この年になって気付いたのは気質は変わらないということ。いくら努力して自分の理想とする人間になったつもりをしても苦しくて長い期間は持たないこと。
もう遅いけど一つの仕事を全うすればよかったということ。
そして私は私なんだということ。堂々と生きて良いんだということ。
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