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彼は村の古老や古い記録を調べることで、一郎の死の背後にある真実に迫ろうとしていた。
ある日、ばんぶーは村の古老、山田老人を訪ねた。
山田老人は村の歴史に詳しく、一郎が若い頃に起こったある事件について詳しく知っていた。
「ばんぶーさん、あの事件のことを話すのは少し気が引けますが、あなたなら真実を解明してくれるかもしれません。」
山田老人はゆっくりと語り始めた。

「30年前、篠崎一郎はまだ若かった頃、この村で大きな財産を手に入れました。しかし、その財産はある事故によって得られたものでした。その事故で亡くなったのは、一郎の親友だった人物です。彼の名は高田正夫。正夫は一郎と共同である事業を始めていたが、その事故で命を落とし、一郎が全ての財産を受け取ることになったのです。」
ばんぶーの興味は一層深まった。
「その事故について詳しく聞かせてください。」
「正夫はある夜、緑の館の近くの崖から転落して死にました。事故として片付けられましたが、村では一郎が正夫を突き落としたのではないかという噂が立ちました。理由はわかりませんが、二人の間には何かしらの確執があったようです。」
この話を聞いて、ばんぶーは一つの仮説を立てた。
もしこの事故が故意によるものであり、誰かがそれを知っていたとしたら、その人物が篠崎一郎を脅迫し、最終的には殺害に至った可能性がある。
ばんぶーは村の記録や古い新聞を調べ、さらに情報を集めた。
その結果、ある重要な手がかりを見つけた。
高田正夫の弟、清二がその後、行方不明になっていたのだ。
清二は兄の死を不審に思い、独自に調査をしていたが、ある日突然姿を消したという。

ばんぶーは再び篠崎家に戻り、今回の事件について詳しく話を聞いた。
特に、一郎の弟、篠崎二郎に対しては、鋭い質問を投げかけた。
「二郎さん、お兄様が高田正夫さんの事故について何か話していたことはありませんか?」
二郎はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「兄はあの事故についてはほとんど話しませんでした。ただ、一度だけ酒に酔った時、こう言ったことがあります。『あの日のことは忘れたい。だが、正夫には申し訳ないことをした』と。」
この言葉が意味するものは一つだった。
篠崎一郎は高田正夫の死に何らかの形で関与していた。そして、その事実を知っている誰かが、一郎を脅迫し、最終的に殺害したのだ。

ばんぶーはすべてのピースが揃いつつあることを感じた。
彼は再び佐藤に話を聞き、さらに調査を進めることで、真実に迫った。
そして、ついに決定的な証拠を見つけたのだ。
それは、篠崎家の古い日記帳だった。
その日記には、一郎が正夫の事故について詳細に書き留めていた。
そして、その最後にはこう書かれていた。
「正夫の弟、清二が真実を知り、私を脅迫している。彼は私を許さないだろう。私はいつか彼に命を狙われるかもしれない。」
ばんぶーはこの日記を手に、全員を集めて真相を明かすことにした。
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