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営業収入において、CCTV(中国中央電視台)に続き、SMG(上海メディアグループ)を凌ぐ、中国第2のメディア・グループに成長した『Focus Media(分衆)』グループ。元々エレベータのポスターボード広告屋だった『Focus Media』が、薄型ディスプレイを取り入れて急成長し、NASDAQへ上場を果たし、中国の大手インターネットエージェンシーを買い捲った快進撃は、以前このブログでもご紹介したことがあったかと思います。その『Focus Media』が中核事業であるオフィスビルなどのディスプレイ広告事業を、中国のトップポータルサイトである『SINA(新浪網』に売却することを発表しました(Hexun Newsなど)。高収入・高消費の若者が集中する高級オフィスビルの"エレベータ待ち時間"に注目し、エレベータ周辺に薄型ディスプレイを取り付けてCFを放映する。『Focus Media』の成長はここから始まりました。NASDAQに上場すると、株式交換を利用して、中国のトップ・インターネットエージェンシー『Allyes(好耶)』を始め、大手ネット広告代理店を買収しまくり、インターネット・トラフィック情報などの調査会社『iResearch』なども傘下にしました。飛ぶ鳥をも落とす勢いだった『Focus Media』がつまづいたのは、携帯電話を利用したダイレクト・メール事業。携帯キャリア『China Mobile(中国移動通信)』のユーザー・個人情報を利用して、ターゲッティングの効いたマーケティング事業を始めたのですが、個人情報の商業流用ということで、世の中のバッシングを浴びてしまったのです(拙ブログに関連記事)。社会問題にまで発展し、中国でも個人情報保護法みたいなものが整備されるきっかけにもなりました。『Focus Media』は11月に携帯電話ダイレクト・メール事業から撤退、多額の損出を出してしまったのです。そもそも『Focus Media』は、株式交換を利用してM&Aを繰り返してきました。『Allyes』の買収価格は3億ドル(約300億円)と言われていますが、そのすべてを『Focus Media』が新たに発行する株券によって支払っているのです。世界的な金融危機で株価が下がれば、たまったものではありません。一時は100ドル近くあった『Focus Media』の株価は、6ドル以下まで下落しました。しかも、積極的に買収した会社群の財務状況が芳しくなく、ネット広告代理店では巨額の滞留売掛金が発覚。買収に要したのれん代の償却すら、ままならない状況に陥ったのです。しかも、事業清算となるとキャッシュに直接影響してしまうわけで、携帯電話ダイレクト・メール事業撤退と株価の低迷により、『Focus Media』は一気に資金難に陥ってしまったのです。12月に入り、業界筋では、『Focus Media』が『Allyes』を中核としたインターネット広告事業をGoogleに売却する、との噂がささやかれていました(Marbridge Dailyなど)。事実、『Focus Media』はGoogle傘下のDouble ClickやMSN(Microsoft)と売却話を進めていたようです。ところが『Focus Media』は自分が株式交換で『Allyes』を買収した際の3億ドル(約300億円)と言う条件を曲げずに、「このご時勢、自分の立場も弁えず何考えてるんだ」と一蹴されてしまったようです。同時進行で、ディスプレイ広告事業を『SINA(新浪網』に売却する交渉をしていたことになりますが、『SINA』も新株4,700万と株式交換ということになったようです。時価だと12億ドル(約1,200億円)ということになりますから、ディールクローズ予定の09年6月まで『SINA』の株価が現状維持してくれれば、『Focus Media』としては儲けモノになるかもしれません。中核のディスプレイ広告事業を売却後の『Focus Meida』には、インターネット広告事業くらいしか残りません。しかも、巨額な滞留売掛金とのれん代は残ったままです。08年の決算は監査法人が意見を保留する危険性も大きく、NASDAQ上場廃止の可能性すらあります。当然のことながら、『Focus Media』のファウンダー江南春はインターネット広告事業の売却先を探すのに躍起です。近い将来、『Focus Media』は事業会社を持たないペーパーカンパニーに成り下がってしまうことでしょう。それでも、江南春を始めとする『Focus Media』の設立メンバーたちは、『Focus Media』自体の上場益や『SINA』の株式など、巨額の財産を手に入れたことになります。そして、経済犯として司直の手を逃れるために、近い将来カナダあたりに逃亡してしまうのでしょう....。さて、買収したほうの『SINA』のほうはと言うと、買収後の営業収入は8億ドル(約800億円)を越え、CCTVの100億RMB(約1,400億円)には及ばないものの、SMG(上海メディアグループ)を凌ぐ、中国第2のメディア・グループとして君臨することになります。蛇足ながら、誰が見てもインサイダー取引と言える動きを『Focus Media』の株価がしていたことを指摘しておきましょう。『SINA』による『Focus Media』中核事業の買収が発表されたのは、22日のNASDAQ市場が開く前のことでした。ところが発表前の18日から『Focus Media』の株価が急激に上がり始めています。17日終値が8.37ドルに対し、19日終値10.98ドル(Yahoo! Finance)。片や『SINA』は19日終値29.23ドルまで変な動きはしておらず、買収発表後の22日始値が26.36ドルと、一気に下落しました(Yahoo! Finance)。『Focus Media』関係者のモラル、ってこんなものでしょう。
2008.12.24
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