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livedoorに関するエントリーには、たくさんの参考になるコメントやトラックバックをいただき、この場をお借りしてお礼申しあげます。私は中国で仕事をしているのですが、好き嫌いに関わらず、当面の間、日本は中国と付き合っていく必要があると考えています。日本が将来にわたって国際社会のリーダー的立場を維持できるかどうかは、特に経済領域においてこの国とどう関わっていくかに左右されるのではないか、とも考えています。これまでは中国の労働力や消費市場を日本企業の企業活動にどのように組み込んでいくか、が主流でしたが、これからは世界市場全体にわたって中国企業とどのように競争し或いは協力していくか、が主眼になると思います。中国を軸に国際社会の勢力図が変化していることは事実で、日本は社会・経済や企業のドメスティックな体質を変革し、子孫に誇れる独立した豊かな国家として生き残らなければならないと思うのです。極論すれば、中国に呑み込まれるようなことがあってはならないと思うのです。中国のいまを観察することによって、中国の弱点を掴むことができると同時に、いまの日本の弱点も見えてくるように思えるのです。前者は日本のメディアでも頻繁に取り上げられているようなので、私のブログでは後者を中心に取り上げていくようにしてきました。中国に内在する問題点の多くが日本にも存在すると思いますし、それが弱点なら先に改善できたほうが良いと思います。livedoorの話題自体は中国や北京に直接関係してはいないのですが、もう一度私なりに整理してみました。(1)現時点では「グレイ」であって、まだ「黒」ではないと思います法治主義の立場を取れば、司法で有罪が確定して初めて「黒」と言えるでしょう。法律の下位概念として、例えば証券取引等監視委員会などのルールに抵触する疑いがあって何らかの処分があったとしても、その処分が適法か司法の場で確認する権利があるはずです。私もaudito(会計監査)を受ける立場にあります。通常監査では何ら改善意見も無かった会計処理について、親会社の監査室より指摘を受けたことがあります。その指摘について別の監査法人により再監査していただいたところ、改善意見だらけの監査報告書になってしまいました。会計士や法律家の方からコメントやトラックバックをいただいており、専門的なところはお譲りしますが、会計処理が適切かどうかの判断は、環境や解釈によって変わるはずです。会計処理に絞っても、少なからぬ企業がグレイの部分を抱えているのは事実だと思います。監査法人は、明らかに「黒」の会計処理を認めることはできませんから、解釈や説明によって乗り切れるグレイの部分は一応「白」になるのですが、最近は監査法人へのプレッシャーが高まってきて、解釈の責任が問われるのではないかと胃を痛めている会計士の方も多いようです。livedoorに関しても、現時点で報道されている問題点に関してのみ言えば、専門家の方が100%「黒」と言い切れる会計処理とは言えないようです。もちろん、監査範囲で明らかにできなかった部分まで調査するのが"強制捜査"の一つの目的ではあるでしょうから、問題の核心は他にあるのかもしれませんが。誤解を怖れず1985年の「豊田商事事件」を例に上げるなら、豊田商事に強制捜査が入り永田会長が事情聴取をされたと言う時点で(関連会社社員に既に逮捕者は出ていたようですが)、世論はほとんど「黒」と判断してしまいました。そして報道陣のカメラの前で"私刑"に遭って抹殺されました。詐欺の被害者の怒りを趨勢とするメディアの報道などにより「黒」と断定され、司法判断を待たずに抹殺されたのです。livedoor関連株で大損したりした"被害者"はたくさんいらっしゃると思いますが、現時点では「グレイ」です。司法だって結局は人の判断ですから、メディアや世論の影響で「黒」になる場合もあるでしょうし、その反対になる可能性もあるはずです。(2)強制捜査発動には、権力による何らかの意図が働いていると思います社会的に大きな影響力が予想される事案の強制捜査には、ほとんどの場合、権力による判断が機能していると考えて良いと思います。それは"GOサイン"を出すという積極的な判断よりは、むしろ現場からの承認要請に"STOP"をかけるというような消極的判断のほうが多いのかもしれません。もちろん、"GOサイン"が出るのは、確実に立件ができるとか裁判を維持できるとか有罪に持ち込める可能性が極めて高い、などの理由によるのでしょうが、政治的意図が含まれる場合もあるはずです。livedoorの強制捜査について何らかの意図が働いている、と言う前提で話を進めるなら、その意図とは何なのでしょうか?ひとつはフィナンシャル・タイムの社説が述べたような「年老いた守護者の復讐(ふくしゅう)」。既得権益者にとって目障りな存在者に打撃を加えようとする意図。或いはグレイな方法で急成長を遂げている”IT関連"などの急進企業の国際的な競争力を高めるため、崩壊しかねない手法を繰り返す象徴的な企業をスケープゴートとして警鐘を鳴らす意図。前者の場合、日本経済は"成熟した大企業"による既存手法により、復活を遂げつつあるのだから、怪しげな新興企業は出過ぎた真似をしないで欲しい、と言う意図だと考えます。後者の場合、日本経済は元気のある若い新興企業のおかげで、随分活性化してきたのは事実だけど、あまり調子に乗っているとそのうち禿げ鷹ファウンドなどに丸ごと日本を乗っ取られてしまう、そうならないうちに象徴的な企業にお灸を据えておこう、と言う意図だと考えます。もちろん他にも、小物政治家の保身だとか、耐震強度問題からの視線そらしだとか、いろいろ考えられるでしょうが、意図を働かせた権力に敢えて性善説を適用すれば、この二つの方向性になるのではないでしょうか。(3)現時点で"潰す"のは残念だと思います私は上述のような前提で考えているのですが、今回livedoorの強制捜査に踏み切った判断、そして「ヒーロー」作りに加担しておきながら180度方向転換して「悪者」扱いにしてしまう大衆メディアの報道の潮流に関して、個人的に残念だと思っています。第1に、気分的な問題。若い世代の経営者や新しい経営手法によって日本もようやく活気付いてきた感じで、少なからぬ若者が夢ややる気を取り戻しつつあった時期に、その象徴的な企業と経営者が権力によって「悪者」になってしまったことです。第2に、権力による判断が常に正しい、と言う日本国民の思い込みを増長させてしまったこと。私には本件も小泉さんの劇場型政治手法の一つのパーツにすら思えます。こうしたことに批判的なクラス・メディアも存在しますが、潮流として大衆メディアも権力側に大きく加担しているように思えるのです。国民の敵、国家の敵を権力側が仕立てて、大衆メディアがその世論を盛り上げる。捜査当局からもたらされる情報をろくな検証もせず、"被害者である国民にとって必要な情報として垂れ流す。そんな「悪者」を成敗してくれる権力に、国民の多くは何の疑いも持たなくなってしまうのではないでしょうか。livedoorに関して言えば、フィナンシャル・セグメントの占める割合が圧倒的に大きく、他の"IT関連"といわれる急進企業と同一視で考えることができないと思っています。ただ私の知りうる限り、多くの"IT関連企業"も"成熟した大企業"も、多かれ少なかれグレイな会計処理や取引きをしているハズです。単純に”出過ぎた”から叩かれたのか、日本の将来を危惧する考慮をもって政治判断だったのか、或いは別に何らかの意図があるのか、大衆メディアであるテレビや新聞はもっと様々な角度から取材して、より多くの国民に情報を提供して欲しいと願っています。株価が暴落し怒っている方々の気持ちはお察ししますが、大衆メディアや政権政党の一部勢力が、株価上昇の一翼を担ったのは事実だと思うのです。
2006.01.22
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日本経済が上り調子になったワケを、キチンを考えていない人たちが強制捜査にgoサインを出したとしか思えません。ライブドアなどの"IT関連企業"は、株価上昇や個人投資家の拡大に大きな貢献をしてきたはずです。日本の実態経済より株価の上昇幅が大きいことを危惧する方もいらっしゃいますが、少なくとも"気分的"に日本を"暗黒の90年代"から解放したのは、巨大自動車会社の業績よりも彼ら"IT関連会社"だったと思います。東証のシステムがパンクしたりして、結局日本のハジを海外に曝すハメになってしまったことにおいて、上海領事館員自殺問題と似たような、日本の"内輪揉め"のようです。21世紀になって、日本企業も何かの一つ覚えのように"コンプライアンス"(企業活動において法律やルールを守ること)を口にするようになりました。違法行為は咎められるべきだとは思います。しかしながら、誤解を怖れず申しあげれば、社員・株主・顧客といったその企業の"ステイクホルダー"や社会一般にプラスになるような"グレイ・ゾーン"であれば、ある程度は許容されても良いのではないか、と私は考えます。ルールが守られているか破られているかを簡単には判断できないから、スポーツ競技には"審判"がいるわけですし、社会に”司法”があるのです。逆説的に申しあげれば、"審判"がいなければ、白黒ハッキリさせる必要の無い、どちらとも判断可能な"グレイ・ゾーン"が、世の中にはいくらでも存在するのです。企業活動の多くもそのようにして成り立っているのですから、無理やり外から"審判"を呼んでこなくとも、"市場"に判断を委ねたほうが良い場合も多いと思います。一応企業には外部監査という制度もあるわけで、司法のような"審判"が必要となるのは、”社会一般にとって見過ごせない問題”に限定すれば良いのではないか、くらいに思ってしまいます。「不正に40億儲けた影には、40億の損失を被った投資家もいる」とか、「ルールを厳守せねば市場経済が成り立たない」などと反論されてしまえば、その通りです。ライブドアは見過ごすことのできない"ルール破りの悪人"になるかも知れません。でも、「ライブドアだけが悪人だ」とは、決して言えないでしょう。"審判"が意図的に見過ごしている巨悪の存在が無いとも言えないでしょう。フィナンシャル・タイムスの社説が言うように「年老いた守護者の復讐(ふくしゅう)」(Nikkei Net)とみるのが真っ当に思えてなりません。中国でお仕事をしていると、"コンプライアンス"の解釈と執行について、いつも考えさせられます。ルールや法律(規定)を堅物に守り抜くと、なかなかビジネスを進められません。一点の曇りなく両国の法律や規定を遵守している、と言い切れる日系企業が中国でどれほどあるのでしょうか?ほとんどの企業では、海外送金、通関、雇用、ビザ、税務、政府機関への付け届けなどなどで、きっと何らかのルール違反を意識的に行っていると思います。日本の本社は、必ずといっていいほど"コンプライアンス委員会"みたいなものがあり、中国事業や中国関連取引は、"注目の的"になっています。でも"コンプライアンス委員会"の改善勧告などをまともに聞いていたら、他の会社に遅れを取ってしまうでしょう。審判の見えないところで、相手選手にケリを入れるサッカー選手をフェアな奴と思う方は少ないと思いますが、そうしないと勝てない世界では無いですか.....じゃあ、日本ではどうなんですか、と問いかけると、日本国内でも"グレイ・ゾーン"から足を洗えてない場合が多いのです。中国だけが特別なわけでは無いようです。つまり、いまのところは"コンプライアンス"を徹底すればするほど、その企業の競争力が削がれてしまいかねない環境であると言えるでしょう。株価を上げるために"コンプライアンス"を謳っているのでしょうけど、結局は株価を下げる結果になりかねません。私は"不正"を奨励しているのではありませんが、グレイ・ゾーンが"必要悪"であることも事実だと思います。全世界のすべての企業が一斉に、グレイ・ゾーンから脱しない限り、ルール破りは無くならないでしょう。"グレイ・ゾーン"にも節度がある、ライブドアの場合、"出過ぎた杭(釘子)"だから"打たれた"と言ってしまえばそれまでです。日本は"横並び"を尊重しますから.....この"横並び"尊重思想こそ、日本経済停滞の要因だったと思います。ライブドアのような、様々な意味で"出過ぎた"企業が出現したからこそ、若者は夢を甦らせ、株式市場は注目され、"守旧派企業"ですら刺激を受け変革を余儀なくされようとしていたのではないでしょうか?確かに、日本の"IT関連企業"は危ういことをやってきていると思います。"グレイ・ゾーン"に足を踏み入れることは、リスクを抱えること。このことをしっかり認識しているのであれば、わざわざ"審判"を呼んでこなくとも良いのではないかと思うのです。仮に、錬金術が生み出した"薄っぺらな企業"だったら、司法が裁かなくとも、いずれ崩壊するのが市場の論理ではありませんか....”年老いた守護者"も、いきなり"本丸"を潰さなくとも、別の方法で"警告"を連発するなど、もっと大人の対応もできたのではないか、と思うのです。理由はどうあれ、若くて元気のある企業が、意図的に潰されるような国家体質では、この先中国に打ち負かされてしまうようでなりません....
2006.01.19
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GDPの成長率を2年さかのぼって2桁に上方修正した中国ではありますが、高所得者層向けの消費財などは生産過剰で在庫が溢れている感じです。大都市の不動産も下落していますし、赤字企業も続出で、そろそろ本気で「中国経済崩壊だ」と声高に主張するひょーろん家の方も出現しそうです。「崩壊」とまで行かなくとも、2006年は1桁成長に留まるとか、ちょっと一息つくのではないかとか、様々な観測が飛び交っているようです。私も都市部の成長は鈍化傾向にあると肌では感じています。都市部の高所得者層向けの消費が落ち着いてきているように思えるのです。だからと言って油断してはいけません。「数の論理」は健在ですから...「SAPIO」の記事(12/28・1/5号)を読んで岸宣仁さんのことを知ったのですが、岸さんの「中国が世界標準を握る日」を読みました。一言で申しあげれば、日本企業が中国の模倣品対策に躍起になっているうちに、中国が"世界標準"を握り、日本のモノが"模倣品"になってしまいかねない、と言うお話です。かつて"世界標準"には日本が関わりつづけて来ました。古くはベータやVHS、オーディオCD、JPEGのJはJapanのJですし、いまは次世代DVD規格で、2つの陣営が争っていますが、どちらも日本企業がリーダー的役割を果たしています。"世界標準"の中には、たくさんの特許が埋め込まれていますから、そうした特許を持つ企業が"世界標準"化に成功すれば、たくさんの特許収入を得ることができます。裏を返せば、"世界標準"規格の製品を生産する企業は、特許料を支払わなければなりません。かつて中国企業は、"世界標準"やそのために必要な特許にはあまり縁がありませんでしたから、モノを作れば作っただけの特許料を、主として日本や欧米の企業に支払わなければならなかったわけです(特許料を払わないケースも多いと思いますが)。ここで見過ごしそうなのが、"世界標準"は誰が決めるか、と言うことです。様々な組織や機関があることはあるのですが、最終的には消費者が決める、と言っても良いでしょう。ブルーレイとHD-DVDの争いも、プロセスの中ではソフト・コンテンツ・プロバイダーの動向など大企業の綱引きもあるのですが、ベータvsVHSのときと同様、たくさん売れたほうが生き残る、と言うことです。中国にやってきた日本人は「中国のケータイは日本で使えないから不便」と嘆きます。ここに"落とし穴"があります。中国のケータイは、日本以外の多くの国や地域でそのまま使えます。一方、日本で最も普及しているタイプのケータイは、中国だけではなく欧米アジア諸国などほとんどの国ではそのまま使えません。規格が違うからです。では数の論理でどちらが標準か、と強引に判断するなら、中国のケータイのほうが"標準"になってしまいます。なんと言っても、中国のケータイユーザーは3億人。日本はようやく8,000万人を越えたようですが、どう考えても3億人になることはあり得ません。中国のケータイはいまは中国独自の規格ではなく、欧米規格なのですが、中国向けにケータイを生産する日本の端末メーカーは欧米企業に特許料を払っているわけです。第3世代のケータイ方式を中国は独自に開発しています。あり得ないとは思いますが、通信事業はどの国も政治の力が強く働きますから、中国当局が強引に中国独自方式の3Gを採用してしまったら、その方式が"世界標準"になりえてしまうと言うことです。中国は1.5G(次世代よりちょっと手前)のDVDで独自規格を確立しちゃいましたし、ワイヤレスLANにも独自方式があります。莫大な量的需要が期待されているICタグのフォーマットに関しても、独自規格を売り込み中とのこと。中国が国を挙げて独自規格を採用すれば、"世界標準"になってしまう可能性が大きいということです。13億の民の力は大きいのです。たとえモノが買える人が3億人しか居ないとしても、です。もし、中国の独自規格がどんどん"世界標準化"したらどうなるでしょう。日本メーカーは中国に特許料を払って、そのフォーマットでモノ作りしなければならなくなってしまいます。コピーの生産と一緒です。いまは中国製品は日本の技術を模倣している、と言ってられますが、そのうち日本製品は中国の技術を模倣している、ということになりかねないわけです。日本の政府や関連組織が、重い腰を上げてようやく"海賊版対策"などとやっている間に、日本のほうが"海賊版"扱いされかねない事態になるかもしれません。もちろん、こうした事態を防ぐべく努力している日本企業もたくさん存在するのですが、両国政府の不正常な関係が続けば、民間の努力は水泡に帰してしまうかもしれません。技術大国日本の危機です。モノ作りにおける日本はホント優秀だと思いますが、それに甘んじていてはヤバイ感じになってきました。モノにはそれを使う人たちがいることを忘れてはなりません。そして、使う人が(潜在的にでも)たくさん存在する国のことも....
2006.01.12
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「政冷経熱」と言いますが、日本と中国の不正常な関係が、ビジネスにも本格的に影を落としそうな2006年の始まりです。2005年は「終戦60周年」と言うこともあって、私自身は年初から期待してなかったせいもありますが、4月に反日デモや破壊行動があったにも関わらず、政治関係の冷え込みがビジネスの面で大きなダメージにはならなかったと考えています。もちろん、4月以降一時的に売上を落とした日本ブランドがたくさんあるわけですが、私としてはもっと酷い目に遭うんじゃないかなぁ、と予測していたので、"想定の範囲内"でした。いろんな事情があるようで中国当局は、民衆レベルでの反日"行動"を抑える方向でコントロールしています。「日本のことは中央政府がやるから、君たち一般ピープルは政府の見解に"静かに"同意してればいい、個人で乱暴したりしたら中国の恥になるからね。」と言う感じでしょう。この国の方々は、心の奥底でどう考えていようが、当局の"指導"には比較的従順な行動と発言を行う場合が多いので、民衆から発生するような大規模な不買運動や破壊活動は、ほとんど起こりませんでした。そうした点から、2005年は"直接的被害"が少なかったと思います。12月にソニーのデジカメの品質検査不合格問題が発生しましたが、仮に中国の某の機関に日本バッシングの"意図"があったにせよ、影響としては日本ブランドに限らずたびたび話題になる中国における消費者問題の範囲内だったのではないかと思っています。つまり消費者や主要メディアが「日本ブランド」だからより一層批判した、と言う感じではありませんでした(検査に関連した機関に、何らかの"意図”があったとすれば、それは後述の理由からだと思います)。さて、日本とのことは中央政府に任せておけと言う中国のほうは、国民向けのポーズも含めて「対日強硬姿勢」を一層強めているようです(人民日報論説員、対日強硬姿勢を示す=Y! News。かたや日本の小泉さんも年頭の会見で、靖国に冠する中国と韓国の姿勢を批判したそうです(共同通信)。まぁ、この状況では当分"仲直り"はできそうに無いようですね。日本のほうはさておき、中国のほうでは、こうした中国当局の姿勢がビジネスに本格的なダメージを与えることになりつつあります。小金持ちの消費者は、政府がどうあれ、お気に入りなら日本ブランドを選びますから、前述の通り、"直接的"な影響を受けにくいでしょう。問題は、政府機関に関係する許認可や取引、です。中央政府が「対日強硬姿勢」を続けて長引き浸透すれば、ビジネス優先で中央の方針に素直に従わないでいた下部機関にも、精神的な圧力がかかってきます。日本企業に有利な許認可を与えると"まずい"雰囲気が漂うようになり、なかなか許認可が下りなくなります。いままでだって、なかなか許認可が下りなかったじゃないか、と思われる方も多いと思いますが、いままでは他の国に関してもそうだったのが、こんどは日本だけに対して、ますます下りなくなる、と言う意味です。下部機関が日本との取引をさらに遠慮することになるかもしれません。実際、05年第4四半期あたりから、地方政府や大規模国有企業との取引条件が、"さらに"悪化しているそうです(以前からうまくいっていない、と言えばそれまでですが)。実は"不買運動"なんかより、こうした影響によるダメージのほうが圧倒的に大きいのです。派手では無いですが、真綿でクビを絞められるように、じわりじわりと効いて来るでしょう。そうこうしている間に、日本以外の外国企業はフツーにビジネスを進めているわけですし、中国経済もまだまだ膨張していくでしょう。日本だけが置いてけぼりにされちゃうかも知れません。そう言えば、技術などの国際基準だって徐々に中国がイニシアティブを取りつつあるらしいです。ケータイみたいに3億くらいのマーケットになると、そのマーケットの基準が国際基準として認められる可能性が大きいわけですからね(このお話は、またいずれエントリーしたいと思います)。
2006.01.04
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