地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.01.06
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カテゴリ: シンギュラリティ

「SEの持つべき『思想』」 できるSEは何を考え、どう動いているのか 
秋月昭彦・瓜生聖 2003/1 すばる舎


のブログで、現代を象徴するような職業として、ジャーナリスト、カウンセラーと並んでプログラマを上げておいた。コンピュータ関連で食べている人たちを象徴的に言ってみたのだが、より専門的でクリエイティブな雰囲気がある。厳密に言えば、プログラマとSEとは、また違った職分だ。必要とされる技術も能力も違う。

 この本では、さらにその職分を細分化して、●ソフトウェア知識、●プログラミング能力、●ハードウェア知識、●設計能力、●マネージメント能力、コミュニケーション能力、の6つの能力についてレーダーチャートで分析している。

1) システムエンジニア(つまりSE)
 ほぼ満遍なく6つの能力が必要とされるが、ハードウェア知識については、やや劣っても構わないとされている。

2)プログラマ
 こちらは、ソフトウェア知識とプログラミング能力は完璧を求められるが、そのほかハード知識がやや必要となる以外は、他の能力については特に求められない。

3)システムアナリスト
 設計能力とコミュニケーション能力を完璧に求められ、ソフトウェア知識、マネージメント能力も高いものを求められるが、他については、あまり問われない。

4)プロダクトマネージャ
 マネージメント能力は完璧を求められるが、他はコミュニケーション能力とソフトウェア知識がそこそこあれば勤まるとされる。

5)ネットワーク管理
 ハードウェア知識がそこそこあれば、他についてのそこそこの能力があればよい、という評価だ。

6)システム管理・保守
 こちらは、6つの分野どれも高いものは求められないが、どれもほんの基礎的なものがあればよい。

7)技術担当窓口
 マネージメント能力とコミュニケーション能力があれば、他は高いものは求められない。

8)コンピュータメンテナ
 ハードウェア知識、ソフトウェア知識があれば、他はあまりとわれない。

外漢の私は、単純にコンピュータ関連と表現してしまうが、こまかく言えばこのような職分があるようである。そして、ソフトウェアのクリエイティブな面を象徴する職分としてプログラマは象徴的だが、本来はシステム・エンジニア(SE)となれば、外部との折衝など、一般の社会的なネットワーク能力が求められる。

 つまりはSEが勤まるのであれば、他の職分は大体勤まるということになるのであるが、誰でもSEになれるわけではない。象徴的にはプログラマがより確立した職分なのだが、よりSE的な存在として万全な全人格的な存在になることを薦めているのが、この本の趣旨である。

 必要最小限のコミュニケーションスキルの基本的な三つのポイントとして次のように列挙する。

1)自分の考えを的確に言葉にする。
2)相手が納得できる形を作る
3)相手の立場に立つ 
p72

 当たり前と言えば当たり前のことだ。これらのことが、SEに限らず、社会的生活には必要なことなのだが、これが、なかなか実行できないのが実際のところだ。「SEは『一生の仕事』にできるか、プログラマ30歳定年説」p33などを紹介しながら、読者層を20代のSE候補者たちに見立てて、さまざまなレクチャーが続く。

O Sやアプリケーションの選定も同様だ。Windows嫌いのSEの中には、職場のマシンのクライアントのOSとしてLinuxを使っている人もいる。もちろんLinuxはすばらしいOSであるが、そのために他のすべてのWindowsユーザとのコミュニケーションが円滑にいかなくなっているのをたまに見かける。(中略)
 自分だけの閉じた世界、自宅での趣味の世界であればそれは結構だが、自分が会社内で他ユーザのサポートをしなければならないのであれば、他のユーザが使っているOS、アプリケーションを選択するのは当然だろう。
p59

 この本はすでに4年前にでている本である。ドックイアーといわれるコンピュータの世界では、周囲の事情はどんどん変わっている。この言葉は、数年のうちに逆転する可能性もある。職場のマシンのクライエントがすべてLinuxに変わってしまったのに、Windowsを選択しようとするSEが残ってしまう可能性はある。時代はどんどん変わっている。

ログラマによく見られるのだが、自分の理想を「無愛想で変人、口は悪いけど腕は超一流」といったハッカー像に置く傾向が見られる。一般的に、無愛想であること、変人であること、そして口は悪いというのはデメリットだ。しかし、超一流の腕がそれらのデメリットを打ち消し、組織に「なくてはならない存在」と認識させられると考えているのだ。しかし、生粋のハッカーでもない限り、これはほとんどの場合「逃げ」にすぎない。 p84

 これは実はSEに限らず、一般的な専門職のすべてに言える。コミュニケーション能力やネットワーク能力を磨く努力を避けたい人が、専門職を選ぶ、という傾向もあるのだろうが、人間としては、どの職業、どの立場においても、人間としては磨かなくてはならない能力だと思う。

経験のないSEは、大抵システムやプログラムが「動いた」時点をゴールと見る。プログラムが正常に動作するのを確認したところで仕事が終わったと考えてしまうのだ。それに対して経験のあるSEは、プログラムが動いたという状態は、単に「システムの実現が可能であることを実証できた状態」という程度にしか判断しない。さらにそこから、連続稼動、エラーが起きたときの復旧のしやすさ、保守作業など、システムが稼動したずっと後のことまで考慮する。 p114

 これは、言葉を変えれば、販売の世界でのアフターサービスに対応するかもしれない。どの職分、どのサービスにおいても、キモに銘じたい言葉だ。「一度ひどい目に遭ったユーザが良い顧客となる」というところでは、次のように語る。

ステムの構築で一度苦難を経験した顧客はそれなりの物差しができており、システムやSI会社に対する幻想も失われているので、比較的スムーズに仕事を進められることが多い。もし選ぶことができるならば、初めてのシステムを組む顧客よりは、一度システム構築に失敗している顧客をお勧めしたい。 p151

 この部分は、なんだか、恋愛問題を思い出して、笑った。まぁ、初恋は破れるもので、すこし傷つくことを体験したあとのほうが、深みのある恋愛の世界に入ることができるかも・・・・、なんちゃって。

コンピュータと人間、その両方を相手にしなければならないのがSEだ。SEとして働く限り、悩みがつきることはない。しかし、相手が人間であってもコンピュータであっても共通するのは、「何を求められているのか」という正しい目標の把握に尽きる。 p165

業であるかぎり、これはどの職業でもおなじことであろう。至言です。<頭を使う仕事は午前中に><可能な限り電話には出ない><打ち合わせは、頭の働きが鈍くなる午後にする><月曜日に打ち合わせはいれない><中だるみのする水曜日はいつもと違う仕事をする><いつでもメモを携帯する>などなど、大いに共感できる納得言が続く。「食わず嫌いは二流の証」ではこのようにある。

アンチマイクロソフト派の人にその理由を聞くと、「マイクロソフト社の戦略や体質が嫌いだから製品も嫌いだ」とか「一般にマイクロソフト製品を使っている人が多い、つまり初心者ユーザが多いから玄人の自分は嫌いなのだ」といった答えが返ってくることがある。しかし、そうした人たちは製品そのものを見て判断していない場合が多い。 p194

 この辺も、他山の石として、キモに銘じなければならないと思う。この本で言われる「思想」とは、なにか小難しい哲学や現代思想のように、論理をこねくり回して悦に入る、という意味での思想ではない。実際に職業・職分として働く人が気をつけるべき生活態度ともいうべきもののようである。それは、SEという専門分野を超えて、一般的な職業どれについても言えることだ。

S Eへの敷居が低くなったこをプラスにとらえてもらいたい。今までなることすら難しかったSEにとりあえずはなれるのだ。そして、なったからには本物のSEを目指して欲しい。 P206

 プログラミングという技能と、それを職業として人間社会を生き抜いていくことには、次元の違いがある。やはり人間としての基本的な部分はそう変わるものでもあるまい。SEを、本人も周囲の人も、まれびと、として見ていた時代は終わりをつげつつある。





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Last updated  2009.02.06 22:56:17
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