地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.02.07
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「叡知の海・宇宙」 物質・生命・意識の統合理論をもとめて 
アーヴィン・ラズロ 吉田三千世・訳 2005/4 原書2004



の本
すこし中身が読める 。この 著者を科学者、哲学者、芸術家、どの敬称で呼んだらいいのだろう。たぶん、どれも正しく、むしろ、この三つすべての面からとらえれないと、ラズロという人の本領が見えてこないと思われる。

 「物質・生命・意識の統合理論をもとめて」というサブタイトルのごとく、現代科学、哲学、心理学、そして古代からの宇宙観などを網羅しながら、新しい意識、新しい人間の在り方などを力説する。彼の新 刊の
出版フォーラム なども開かれているようだから、かなりの人気を博し、影響力もある人物と見える。

 宇宙論 としては、
「宇宙『96%の謎』」 とつながるところがある 。つまりは、宇宙の96%を占めているといわれる真空、クイント・エッセンス、これを本著では、A(アカシック)・フィールドと読んでいる。

ーカーシャとは、あまねく広がる空間、すなわち「エーテル」を意味するサンスクリット語である。元来アカーシャは、「発光(放射)」や「輝き」を意味し、インド哲学においては五元素のうち最も根本的なものであると考えられていた。他の四元素は、ヴァータ(風)、アグニ(火)、アブ(水)、プリティヴィー(地)である。アカーシャは五つの元素のすべてのあわせもっている。アーカーシャは我々が感覚によって知覚するすべてのものが生まれ出る子宮であり、またすべてのものが最後に還っていくところである。そして、これまでに時間と空間のなかで起こったすべてのことを永遠に記録しつづけるのが、アカシック・レコード(アーカーシャ年代記とも呼ばれる)である。 本書巻頭

 著者は、人類に対する危機感を強くもち、この著者いうところのA・フィールドについて、現代科学の最新の研究結果を引用しながら、その存在を証明し、またその重要性をなんどもなんども強調する。特に私にとって関心深いところは、心理学、特にニューエイジ的なつながりを持つトランスパーソナル心理学を援用するところである。スタニスラフ・グロフの呼吸法などを盛んに引用する。

つてリバーシング、あるいはブレスセラピーとか、ホトトロピック・セラピーなどと言われた呼吸法だが、私もそのセラピーを何度も受けたこともあるし、またセラピストとして、そのようなセッションを積極的にリードしたこともある。そのような経験から言っても、「宇宙を体感する」というような表現ではないと、なかなか言い表せられないようなことが確かにある、ということは分かる。

 生まれた瞬間、生まれる前、過去生、あるいは行ったことのないところ、まるで見たことのない世界を「見る」という体験は、このようなセラピーや瞑想を通じて当然有り得ることだ。そのような話はいくつもあるが、しかし、その体験や見性は極めて個的なもので、客観的に証明したり、共感を得れる形にすることはなかなか難しい。

ころが、ラズロは科学者として、哲学者として、芸術家(ピアニストでもある)として、真っ向からその証明の旅に飛び出してしまっている。1932年生まれ、すでに75歳になんなんとする高齢にも関わらず、その冒険心は、読者の探究心を刺激して余りある。

 科学、哲学、心理学、あるいは古代から続く宇宙観などを広く援用しながら、ラズロは、ある宇宙観を展開してみせる。それらの分野について、特に専門家でもなく、広い知識があるわけでもない我が身にとっては、その活動は喜ばしいことであることは間違いないが、また、一抹の疑問がわかないわけでもない。

 この本を読んでいると、まず、未完成のジグソーパズルのとてつもなく大きな枠が存在している、ということに気づく。ラズロは、そのジグソーパズルを作り上げるために、ひとつひとつのパーツを、科学や哲学、古代からの宗教などから拾ってくる。そして、そのもっとも証明の根拠の確たるものとして、科学、超科学の最新の研究結果をあてはめていく。

 その結果、できあがっていく宇宙観に特に異を唱えるものではない。しかし、どこか疑問が湧くとすれば、その手法そのものにある。

1) 科学とは仮説で成り立っているものであり、対立する論説が必ずあり、現在事実と見られていても、将来的には、必ず批判的に乗り越えられていくものである。
2)ラズロにとっての、もともとある「大枠」は、一体どこからやってきたのか。
3)ジグソーパズルのパーツは、それ以外にありえなかったのか。いくつかある選択肢の中で、そのパーツが選らばれた根拠とはなにか。捨てられた他のパーツはどうなってしまうのか。
4)この宇宙は、科学が100%解明する、ということはありえないのではないか。科学が及ばない未知なる、不可知なる部分が、どこまでも神秘な部分が残るからこそ、宇宙なのではないか。

そのような疑問が湧いてくる。ラズロには多数の著書があるので、今後それらを読む進めていけば、私の疑問についてすでに答えられていることも多くあるに違いない。

まざまな宇宙論の提供するシナリオには、細かな違いはあるものの、私たちが生きているのは、「ユニヴァース」という単一の宇宙のなかではなく、「マルチヴァース」といいう多元的な宇宙であるという点では、ほとんどの宇宙観が一致している。局所的ないくつもの宇宙が、進化し、終わりを迎えて根源に帰り、時間的には無限である(空間的には無限とは限らない)広大なメタヴァースのなかで、他の宇宙と共存し、また、他の宇宙によって後を継がれるのだ。 p169

 我々がみている宇宙(ユニヴァース)というものは、唯一のものではなく、他にも宇宙があるという。それがマルチヴァース)と呼ばれている。そして、一個一個の宇宙を生み出す、母なるさらなる大きな母体宇宙をメタヴァースと呼んでいる。

あたかも他のSNSコミュで、OshoユニヴァースとOshoマルチヴァーシティの話題がでていて、なぜかその図式を連想して、すこし可笑しかった。いずれにせよ、もしそうだとしたら、いつかはOshoメタヴァーシティというものが提唱される時代がくるのかも知れない、と、考えると、ちょっと胸躍るところがある。

 アーヴィン・ラズロを読んでいると、かつてのF・カプラの「タオ自然学」を思い出す。だが、あれから時代もはるかに流れ去り、単純な東洋的哲学と西洋的科学の融合の提唱、などという時代は、とうに昔のこととなり、現実的な、グローバルな思索が当たり前におこなわれている。21世紀もすでに7年目に入った。「いま・ここ」を感じざるを得ない。






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Last updated  2009.02.10 20:05:38
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