地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.03.28
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カテゴリ: アガルタ

地球人スピリット・ジャーナル 2.0 につづく



「宇宙のダルマ」
ダライ・ラマ十四世 永沢哲・訳 1996/11 原著 THE WORLD OF TIBET BUDDHISM 1995


 本書は英語本で1995年、日本語訳が1996年に出版されているが、その元となっているダライ・ラマの講演は、1988年にロンドンで行なわれている。チベット密教について、あるいはチベット密教という入口から見た仏教、あるいは仏教から見た地球精神というものについて、極めて誠実に説得力ある形で、しかもじつにコンパクトにまとめられている。この本の英語版の出版には、ギヤ基金、つまりチベット密教の擁護者で有名な映画俳優・リチャード・ギヤの援助があったようだ。

 このブログのような読書マラソンの最中の一冊としてこのような深遠な本を読んでいいのかどうか悩むところもあるが、まったくこのような素晴らしい本があることを気づかずに一生を終わるよりも、すこしでも目を通しておいたほうがいいだろう。機会があれば再読・精読の必要な一冊である。

 こうしてみていると、チベット密教にもいろいろな面があり、ダライ・ラマは、チベット密教の表の表を表しているのではないだろうか、と思う。そうすると、さしずめ、表の裏は、このブログで言えば、中沢新一あたりにつらなってくるニンマ派やその他のオーソドックスな伝統的チベット密教ということになるだろうか。では、裏の表は誰か、といえば、現代カギュ派の異 才、
チョギャム・トゥルンパ あたりということになるか 。さらに、チベット密教の裏の裏、まったく秘された部分の代表はといえば、意外にこのブログにおいては、Oshoということになるだろうと思う。それは、「チベット密教」という世界観で見れば、ということであって、逆にこの世界観の袋を全く裏返しにひっくり返してみれば、表の表は、意外や意外、ということになっている可能性もある。

 仏陀が初めてかつての仲間達に説いた初転法輪、霊鷲山で「空の教え」を説いた第二転法輪、さらにつづく第三転法輪(如来蔵)には、様々な教えが含まれている。

「タントラ」は連続性として知られ、
輪廻はタントラだとみなされている。
「その後」とは、越える、を意味し、
涅槃はタントラの後にくる。 
p42

 このレトリックで言えば、このブログのテーマ「『彼』以降やってくる人々」とは、『彼』のエピゴーネンとしての追随者、という意味ではない。『彼』を超えてくるもの、という意味になる。タントラを超えてさらにやってくる涅槃、ということになるか。

最初の所作タントラでは、魅力的な異性を見つめることから生じる欲望を、道とします。残りの三つのクラスの密教は、それぞれ、異性に微笑みかけいっしょに笑うことから生れる欲望、手を触れたり握ったりするときに感じる欲望、セックスそのものの欲望を身とするのです。 p141

 このようなチベット密教、タントラにおいて、道は大変起伏に富んでおり、師の存在は不可欠とされる。一時かまびすしかったグルイズム(批判)の声も多かったが、チベット密教においては師のイニシエーションは不可欠である。

灌頂の儀式を行なうときには、マンダラが必要です。マンダラとは天上の神殿、本尊の浄土です。マンダラには、三昧の深い意識集中によって生み出されるマンダラ、布に描かれたマンダラ、そして色のついた砂で作られたマンダラというように、多くの種類があります。無上ヨーガタントラには、導師の身体のマンダラというのもあります。また、世俗菩薩心マンダラや、勝義菩提心マンダラなどもあります。 p147

「マンダラ瞑想法」 などという本もあったが、やはりマンダラは簡単にまとめて理解はできないようだ。

密教の灌頂の儀式を授ける導師は、これらの必要な資質を実際に持っていなくてはなりませんが、その一方で、弟子は、導師として教えを受けたいと思った相手が、本当にこれらの資質を持っているかどうか吟味することが必要です。この点について、密教では口を酸っぱくして強調します。たとえ12年かかっても、導師にすべきかどうか、しっかり吟味すべきだ、とよく言われています。 p149

 まぁ、そういった意味では、中沢新一
「虹の階梯」 などのようなものは 、最初から導師のイニシエーションを受けるための準備が本当に十分だったかどうか、を再検討する必要があるかもしれない。カスタネダの「ドンファンの教え」も確かに、ちょっとやそっとでは、イニシエーションを受けることはできなかった。あるいは、グルとしては83年から95年までしか存在しえなかった麻原は、自らの本性が12年で暴露されてしまった、ということもできる。しかしながら、95年の12年後の現在において、もし麻原のような存在に「帰依」する動きがいまだにごく一部とは言え存在するとすれば、人間の頑迷さには限りがない、ということになるだろう。

 この本の日本語訳はとても素敵でとても読みやすい。ダライラマの人柄が、日本語の仏教文化を超えて、より分かりやすく親しみやすい。ただし、「宇宙のダルマ」という日本語訳のタイトルはどうかなぁ、と思った。せっかくのダライ・ラマの明瞭さが、曖昧な方向へ、押し戻されている感じがした。





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Last updated  2009.03.31 13:00:42
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