地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.08.19
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<上巻>より続く


「グレース&グリット(下)」 愛と魂の軌跡 ケン・ウィルバー /伊東宏太郎 1999/10 春秋社 単行本 364p
★★★★☆

 この本以前の、どちらかというと尊大で高踏で孤高な雰囲気を携えていたウィルバーは、トレヤとの対ガン生活の中で、原寸大のなまなましい姿を見せる。死は、誰にもやってくる。死の前で、すべての人間は平等だ。

ニューエイジ運動のおよそ20パーセントはトランスパーソナル的(超越的かつ、真の神秘主義的)だが、残りの80パーセントは前個的(魔術的かつ自己愛的)である、と。トランスパーソナル的な集団を探すには、その集団が「ニューエイジ」と呼ばれることを好まないことを目安にすればいい。トランスパーソナルに「新しい」ことなど何もない。トランスパーソナルは永遠なものなのだから。 p82

 なんとも
「80 対20の法則」 さえ思い出してしまうような表記だが、そう言われてもケン・ウィルバーの動きは、この本から類推するに、日本的解釈では立派にニューエイジ的だし、新しいトランスパーソナルという概念をもたらしたという意味では、「新しい」。

読書が終わると、わたしはちょっとヨーガをして、それから瞑想もします。瞑想するのは自分の時間と注意力を<スピリット>に捧げるため、そして、うまく表現もできない何ものかにたいする、わたしの信仰を深めるためです。これは、目的志向の努力という、常にわたしにつきまとう罠から私を遠ざける助けになります。 p223 トリヤの日記

 飾らず、ありのまま綴られるこの本は、二人と、周囲の家族や友人達の生活がまざまざと語れている。ガンと戦うため、彼女本人はもちろんのこと、ウィルバーや周囲の人々はあらゆることを試みる。

翌朝、トレヤは死ぬための姿勢に落ち着いた。つまり、枕で体を支え、両腕をわきに置き、マーラを手に握ったのだ。前の晩に眠る前から、彼女は「オーム・マニ・ペメ・フーム」と唱えはじめ、また「神に委ねます」と唱えていた。前者は慈悲の仏、観音菩薩のマントラで、後者はトレヤのお気に入りのキリスト教の祈りだった。きっと彼女はずっと、これらを唱えていたのだろう。 p337

 この本はケン・ウィルバーにとっての特別な本となるのだろう。この本の以前と以後では、きっと彼の著作に大きな変化がおきているに違いない。少なくとも私は、この本を読んだあとでは、以前のような距離を置いた緊張感ではなく、もっと友情に満ちたリラックスした態度で彼の一連の本に触れることができるようになるだろうと、予測する。

 トレヤが亡くなったあと、叔母が送ってきた「好きな歌」は、今まさに日本で大流行している
「千の風になって」 だ。上下巻にわたるこの本は、この詩で締めくくられている。

わたしの墓の前で泣かないで
わたしはその中にいない。わたしは眠っていない。
わたしは吹き抜ける幾千もの風
わたしはキラッと光る雪の反射
わたしは熟した穀物に降り注ぐ陽光
わたしはやさしい秋の雨
朝の静寂の中で、あなたが目覚めるとき
わたしは沈黙した鳥たちにさっと近づき
空に舞い上がらせ、円を描いて飛翔させる気流
わたしは夜を照らすやさしい星
わたしの墓の前で泣かないで
わたしはその中にはいない・・



オーム・ ニ・ メ・ フーム





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Last updated  2009.02.10 08:38:25
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