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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2022.12.04
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 著者は、精神科医でクリニック院長を務める泉谷閑示さん。
 パリ・エコールノルマル音楽院留学経験を持つ音楽家、評論家でもあり、
 留学時には、パリ日本人学校教育相談員も務めていたという方。

 本著は、「ハングリー・モチベーション」や「高等遊民」
 「有意義病」等のキーワードから
 「生きる意味」や「働くこと」「本当の自分」に迫ります。 
 その際、夏目漱石やエーリッヒ・フロム、ミヒャエル・エンデ、マックス・ヴェーバー、
 E・フランクル、ニーチェらの文章を数多く引用しています。



  つまり、そもそも他動的に押された慣性で走っていたために、
  「それぐらいの困難は乗り越えるべきものだ」といくら発破をかけられても、
  そもそも動力が見当たらないのです。
  このように動けなくなり「うつ状態」に陥ったクライアントは、
  そこではたと「生きるモチベーション」の不在に気付くことになります。(p.26)

これは俗にいう「新型うつ」と呼ばれる病態に陥ったクライアントについての記述で、
薬物療法や認知行動療法、復職のためのリワークプログラムなど、
元の環境への「再適応」を目指すものでは、その効果は期待できないとし、
本人なりの「意味」を見出せるところまでサポートするしかないと述べています。

  よって、私たちが「価値」と呼んで追い求めている諸々のものは、
  いずれもこのような「頭」の錯誤によって捉えられたものばかりであると

  良き学歴を得て良き就職をし、良き社会的地位や収入を得て、結婚して子供を儲け、
  家を持ち、子供を良き学校に入れ、良き習い事をさせ、等々。
  これら、多くの人たちが躍起になって追いかけている「価値」の諸々も、
  元来は、幸せに生きることを目指しての方便に過ぎない事柄だったはずなのですが、
  いつの間にか、それ自体が目的化してしまったものなのです。(p.114)


どうしても「量」というものに落とし込んだ形でしか把握できないため、
手段や副産物の方を、目的と捉え違いしてしまいがちになることを示したもので、
「確かに」と頷くしかありません。





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Last updated  2022.12.04 16:51:26 コメントを書く


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