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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.08.12
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カテゴリ: 文芸
早瀬篇 に続くシリーズ第3巻。
 形ばかりでなく、真の意味で五鈴屋のご寮さんとなった幸が、
 ドラマより格段に印象の良い惣次と共に、その商才を発揮し始める今巻。
 しかし、終盤にはそんな幸せ気分が一気に吹き飛んでしまう急展開が……

   ***

  「あんたを嫁にしたら、私はもっと強うなれるやろ。
   どうや、五鈴屋の、五代目徳兵衛の嫁になってくれへんか」(p.23)

呉服仲間の了承を得た後、四代目の時より盛大に祝言、祝宴が行われ、夫婦の契りも交わされる。

年一度の大節季払いを五節季払いに改めるだけでなく、番頭と手代に割り当てを命じた。
そして、幸の言葉を受けて智蔵に助言を仰ぎ、浮世草子に五鈴屋の宣伝を掲載する。

改革は順調に進み、幸は富久の言葉から屋号を書き入れた番傘を作ることを思いつく。
それを聞いた惣次は100張を発注、初雪が降る日に店の者がその傘を差して歩くと大評判に。
さらに、幸の言葉から、生糸の産地・江州を絹織の産地に育てることを思いつく。
一方、大阪屈指の米問屋・米忠からの婚礼品の注文は、その経営が危ういと知ると手を引く。

以後、惣次は長期に渡って何度も江州に足を運び、波村を羽二重の産地として蘇らせ、
それを五鈴屋で一手に売って大店にするという壮大なプロジェクトの下地を築いていく。
ところが、本両替・山崎屋が分散、惣次が山崎屋の手形を全て波村への貸付に回していたため、
幸はすぐ波村へ出発して釈明するよう進言するが、惣次に左頬を張られ蔵の壁に叩きつけられる。

後日、波村の中庄亮介と庄屋の仁左衛門らが五鈴屋を訪れ惣次を糾弾、約定破棄を言い渡す。

そして、そうなるまで五鈴屋で支援させてもらいたいと願い出る。
それを受け、仁左衛門は幸が店主となるなら取引を継続しても良いと告げる。

   ***

これまでにない緊迫感溢れる、スリリングなシーンで今巻は終了。
ただ、私が今巻で最も印象深かったのは、 TVドラマ

幸は偶然再会した 菊栄 から、便利な鉄漿粉を紅屋が一手に扱うようになり、
その鉄漿粉を広めるため、これから芝居小屋の座長に会いに行くのだと聞かされます。
そして後日、富久と共に歌舞伎を観に出かけた幸は、舞台上で役者が話す台詞に驚愕。
そこでは、腰元が嬉しげに「紅屋の鉄漿粉」の紙包みを客席に向けて見せびらかしていました。

  「幸は五鈴屋を、私は紅屋を、陰で盛り立てて必ず栄えさせまひょな。
   呉服に小間物は付き物だす。
   いつか、一緒に何ぞ出来る日が来るよう、必ずその日ぃが来るようにしまひょ」(p.126)

これも、きっと前もっての伏線を張っているに違いありません。
幸と菊栄が力を合わせるお話が、今からとても楽しみです。





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Last updated  2025.08.15 14:17:19 コメントを書く


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