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2020年11月05日
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テーマ: ニュース(96858)
カテゴリ: ニュース
菅首相が日本学術会議が推薦した105名のうち6名を任命拒否した問題については、日本中の600を超える学術団体が抗議声明を出したと言われてます。その中の一つで、「上代文学会」という団体は理事会名で、次のような抗議声明を出しています;




 上代文学会常任理事会は、日本学術会議の推薦した会員の一部について任命を拒否した政府の措置に対し、強く抗議します。今般の措置は、権力からの独立を法的に保障された学術会議の地位を公然と侵害するものであり、とうてい容認できません。学術会議の協力学術研究団体でもある上代文学会を運営してきた立場として、即時撤回を求めます。

 私たちは、かつて津田左右吉の『古事記』『日本書紀』研究が国家権力によって弾圧された経緯を熟知しています。「神武紀元二千六百年」の虚構性を暴露するものだったことが当時の国策に抵触したのでした。戦後の上代文学研究者は、日本史研究者とともに、津田の受難を二度と繰り返さないことが研究発展のために必須であると考え、そのために相互努力を惜しまないことを不文律としてきました。今般の措置は、私たちの研究者としての信条を踏みにじるものであり、自由闊達であるべき学問討究を萎縮へ導く暴挙であって、この点からもとうてい容認できません。
 今般の任命拒否は英米の著名な科学雑誌にも取り上げられ、政治が学問の自由を脅かしていると報じられました。日本だけでなく世界中の科学者が、政府の措置を非常識きわまる強権発動と見ているのです。

 言語表現を取り扱うわが学会としては、任命拒否の理由を菅総理がまともに説明しようとせず、無効で無内容な言い逃れを重ねていることをも看過できません。総理の態度は事実上の回答拒否であり、コミュニケーションの一方的遮断です。あたかも何事かを答えたかのように見せかけている分だけ、ただの黙殺より悪質だとも言わなくてはなりません。
 前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります。日本語には豊かなコミュニケーションを担う力が十分備わっているのに、見せかけの形式に空疎な内容を盛り込んだ言説が今後も横行するなら、日本語そのものの力が低下してしまいます。日本語の無力化・形骸化を深く憂慮します。頼むから日本語をこれ以上痛めつけないでいただきたい。

令和二年十月十二日
上代文学会常任理事会


上代文学会のホームページから引用
http://jodaibungakukai.org/

 この抗議声明は平易な言葉で綴られた分かりやすい文章になっていて、問題の核心を理解するのを助けてくれます。特に、津田左右吉博士の研究に戦前の国家権力が介入して有罪判決を出した事件などは、二度とあってはならない事件であり、研究者の方々が感じている危機感が伝わります。この声明の最後の方で触れていますが、わが国の歴代政権で、安倍政権のときから国会答弁に異変が生じており、質問に対してあたかも何事かを答えたかのように見せかけて、無内容な言葉を発して対話を終わるという答弁が繰り返されている。このような事態を放置しては日本語が無力化するという、言語学者らしい危機感を、私たちは真摯に受け止めるべきだと思います。





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最終更新日  2020年11月05日 01時00分05秒


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