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(石橋学)
同区にある東京朝鮮中高級学校の高3の男子生徒が9月9日、登校途中に見つけた。同30日、母親から伝え聞いた東京純心大教授の佐野通夫さんが同駅を訪れ、差別落書きがそのままになっていることを確認し、駅員に指摘した。
JR東日本首都圏本部によると、すぐに文字が見えないようテープで目張りをし、その後、同日深夜に消す作業を行ったという。
地元の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)東京都北支部は1日、「在日朝鮮人の生存権を脅かし、尊厳を傷つける人権侵害。学生が直接目にして、非常に怖い思いをしてしまった」として、安心して利用できる環境づくりを要請。警察や区、法務局と連携し、速やかに犯人を特定したり、再発防止措置を講じたりするよう求めた。
JR東日本は神奈川新聞社の取材に「落書きを駅社員が早期に発見できなかったことは申し訳なく思う」とコメント。 警察には通報したが、器物損壊の被害届を出す予定はないという。
◆「市民の良心信じたい」対応求め在日コリアンら
赤羽駅に対応を申し入れた朝鮮総連東京本部北支部委員長の趙誠渾渾(チョソンテク)さんは「落書きに気付かずに申し訳ありません、では終わらない問題だ」と強調する。「駅のホームでヘイトスピーチがあった事実は重大。差別をあおる書き込みを見た人はたくさんいたはずだ。ヘイトを打ち消すメッセージを出すのがあるべき対応だと思う」
北区には多くの在日コリアンが暮らし、同駅は東京朝鮮中高級学校の生徒も多く利用する。自身も朝鮮学校に通った趙さんは、登校途中に制服のチマチョゴリを切り裂かれ、泣きながら教室に入ってきた女子生徒のことを思い返す。「私たちは平和な暮らしを望んでいるだけだし、『朝鮮人を殺す』と発想する人もごく一部と思う。だからこそなおさら憤りがある」
実際、そのごく一部が命を奪いかねないヘイトクライムを起こしている。 川崎市ふれあい館に相次いだ虐殺宣言などの脅迫に、在日コリアンが集住する京都府のウトロ地区などへの連続放火。 趙さんは信じたくはないというように「差別落書きがヘイトクライムにつながることはないと思いたい。市民の良心を信じたい」と強い調子で言った。
多くの人が行き交う駅のホームに、殺害を肯定するメッセージは3週間以上放置されていた。 一体どれだけの目に触れ、見て見ぬふりがなされてきたのか。「朝鮮学校『無償化』排除に反対する会」の共同代表として、やはり駅に対応を求めた佐野通夫さんは「私自身、怒りを覚えたが、男子生徒のような恐怖は感じなかった。差別を受けないマジョリティーは自分と無関係と受け止めてしまう」と話し、続ける。 「外国のように首長や政治家が非難を表明することが大事だ」
傍らで趙さんもうなずいた。「良心があるなら行政も議員もしっかり対応してくれるはずだ」
(石橋 学)
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