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2024年01月05日
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テーマ: ニュース(96532)
カテゴリ: ニュース
相模原市では人権問題の専門家が協議してまとめたヘイトスピーチ規制のための条例案に対し、本村相模原市長はその条例案を骨抜きにしたような「相模原市人権尊重のまちづくり条例案骨子」を市議会に提示した。このような本村市長の対応を、12月17日の神奈川新聞は、次のように批判している;



(構成・石橋学)


 市人権施策審議会の答申は差別を本気でなくすための優れた内容だった。ところが、骨子では答申がほとんど生かされていない、差別に苦しんでいる市民が実際いるのだから、どのように差別を食い止めるのかを第一に考えなければならないのに、その観点が見えない。市民が安心を得られる条例にしないと、作る意味がない。

 差別的言動の禁止は外国ルーツの人を対象にしたものに狭められた。違反した場合も氏名公表のみで罰則を盛り込まなかった。ヘイトスピーチに刑事罰を設けた川崎市ほどの立法事実がなく、罰則規定を置くのは表現の自由の観点から問題があるというのが説明だ。

 市は立法事実を極度に狭め、「死ね、殺せ」と叫ぶデモや街宣があったか否かという誤った見方をしているのではないか。

 実際は相模原市には、外国ルーツの人へのヘイトスピーチに限っても日本一と言えるほどの立法事実があるということを認識してほしい。 日本第一党という差別団体が審議会の韓国籍の委員に対して『なぜガイジンが口を出すんだ』と排斥する街宣を毎週繰り返してきた。 市役所前だけでなく職場に押しかけたこともあった。こんなことが行われている自治体は全国を見てもどこにもない。

 今はたまたまやんでいるが、いつでも再開できる。それをどう防ぐかか条例作りの出発点でなければおかしい。差別街宣を行った人たちや団体は名前を出して活動しており、批判報道もされている。氏名公表では効果がない。だから審議会は罰則が必要だと判断した。

 今街宣が行われてなくても、歯止めがないためにいつまた起こるかも知れず、マイノリティーは不安を抱えている。相模原市民である在日コリアンの母親はスーパーでわが子が「オモニ(お母さん)」と言った瞬間、手で囗をふさいでしまったという。差別をあおる街宣が市内で繰り返され、朝鮮人だと知られたら誰に何をされるか分からないという恐怖があるからだ。そのような状況こそが立法事実に他ならない。


◆「市が勝手に自主規制」

 答申は有識者や市民らでつくる相模原市人権施策審議会が3年半の議論を重ねて策定した。私を含めた専門家のヒアリングを行った上で、市ではヘイトスピーチに罰則を設けるべきで、かつ十分可能だと判断した。

 慎重になりがちな憲法学者の委員2人も違憲にはならないと言い、それでも市が迷うなら条項を凍結して様子見をしてもよいとまで提案している。それを答申が出た後に、無関係な行政法の専門家や弁護士が「難しいと言っている」という理由でひっくリ返すのは不合理だ。このままでは画期的な答申が出ても無視をして、ヘイトスビーチを規制しなくてもよいという悪い前例になってしまう。

 立法事実がないということ自体、事実に反する。審議会の韓国籍の委員を攻撃する街宣だけでなく、市内では津久井やまゆり園事件が起こっている。インターネット上では植松聖死刑囚を支持する声があふれ、障害者への差別的な書き込みも後を絶たない。風化どころか事件は継続している。真に受けた者によって事件が繰り返され得る状況で、それこそが立法事実だ。

 市民団体へのアンケートで差別的言動の事例は上かってこなかったというが、調査票自体がおかしい。デモや街宣におけるもので、なおかつ極端な内容の言動に限定される聞き方になっている。まちなかで子どもが「オモニ(お母さん)」と呼べない現状を拾えていない。

 「死ね、殺せ」と叫ぶデモや街宣だけが立法事実と考えるのは間違いだ。在日コリアンが集住する京都・ウトロ地区では差別に基づく放火事件が起こったが、インターネット上の「在日特権」という一つの書き込みが、実際に火を放つヘイトクライムに直結しているということが証明されている。意図的かどうかにかかわらず、差別を広げるような言動が「不当な差別的言動」だ。それは今回の「骨子」の「差別」の定義でも示されている。

 やまゆり園事件があった相樮原市で差別的言動を禁止もしないというのであれば、作らない方がましだ。障害者ら45人を殺傷するという未曽有のヘイトクライムまで起きた相模原市でできなければ、ほかのどの自治体でもできないということになってしまう。

 立法事実はある。川崎市ほどのひどいデモがないと規制できないという考え方もおかしい。どの憲法学者も違憲になるとは言っていない。つまり相模原市が勝手に自主規制している状況だ。このままではせっかくの答申が無駄になる。罰則を盛り込み、本気で差別を止めるための実効性のある条例にしてほしい。
(石橋学)


【解説】相模原市人権尊重のまちづくり条例案骨子

 有識者と市民でつくる市人権施策審議会が3月にまとめた答申では

▽津久井やまゆり園事件を「ヘイトクライム」と位置付けて非難する
▽人種、民族、国籍、障害、性的指向、性自認、出身を理由としたヘイトスピーチを禁止し、悪質なものは罰則を設けて規制する
▽救済機関として設ける人権委員会に独自の事務局を置く
▽差別事案に対して市長が声明を出すよう意見できる権限を人権委に持たせること

を求めていた。条例案骨子ではいずれも採用せず、差別をなくす姿勢が見えないと本村賢太郎市長への批判が高まる。8日は人権NGOの外国人人権法連絡会のほか日本最大の障害者団体であるDPI日本会議、NPO法人の移住者と連帯する全国ネットワークが修正を求める要請を行った。


2023年12月17日 神奈川新聞朝刊 1ページ、18ページ「相模原市人権条例案骨子、根本から作り直しを」から引用

 相模原市の本村市長は、現在の相模原市には「死ね、殺せ」というような表現のヘイトスピーチはないから、罰則付きの条例にする必要はないとの主張のようであるが、それはこの記事が指摘するように、彼らレイシストが条例案の行方を見定めて様子見をしているだけであって、相模原市からヘイトスピーチが消え去ったわけではなく、ほとぼりが冷めれば直ちに復活するであろうことは明白である。本村市長は誰に頼まれて人権条例案を骨抜きにする気になったのか、背景を調べ上げる必要があるのではないかと思います。





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最終更新日  2024年01月05日 01時00分07秒
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