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朝鮮半島を植民地支配した日本の加害の歴史を反省し、友好を願う朝鮮人追悼碑を群馬県は行政代執行で強制撤去する。29日から2月11日まで碑がある公園を封鎖して作業を行う。差別・排外主義をあおる歴史否定を自治体が行う「ヘイト行政」に批判が高まる。
(石橋 学、視点も)
高崎市の県立公園「群馬の森」にある追悼碑は2004年、市民団体が建立した。太平洋戦争中、日本は国策として多くの朝鮮人を強制的に働かせ、非人道的な扱いで命まで奪った。群馬県内の炭鉱や軍需工場もその現場となった。
碑はそうした過ちを繰り返すまいと誓い、アジアの平和と友好を願うもの。ところが県は14年、設置許可を更新しなかった。設置者の市民団体が碑の前で開いた集会で「強制連行の事実を訴えたい」などの「政治的発言」があったというのが理由。
市民団体は裁判を起こしたが、22年に県の処分を容認する判決が最高裁で確定した。県は行政代執行の実施を通告し、撤去費用3千万円を請求するとしている。
市民団体「『記憶反省 そして友好』の追悼碑を守る会」が20日、撤去反対を訴えた集会には県内外から約250人が参加。アーティスト有志が募った碑の存続を求める署名約4300筆も26日に提出された。
山本一太知事は25日の定例会見で「設置者がルール違反を繰り返した。法治国家なので最高裁の判決に従って粛々と代執行をする」と強調したが、最高裁判決は碑の撤去を求めているわけではない。
◆◆ 視点-レイシズムと表裏一体 ◆◆
歴史否定はレイシズムと表裏一体だ。朝鮮半島の植民地支配を正当化することは、在日コリアンの存在を否定し、排除するこ、とに通じる。日本が行った侵略や虐殺をなかったことにして「朝鮮人はうそをついてカネをだまし取ろうとしている」とやはり排斥をあおり立てる。
群馬の追悼碑を巡る問題も、ヘイト団体「日本女性の会 そよ風」や村田春樹氏といったレイシストが「碑文に書かれていることはでたらめだ」と言いがかりをつけたことが発端だった。彼ら彼女らは加害の歴史を伝える全国各地のモニュメントを攻撃しているが、それが差別であり、迫害を扇動する格好のネタであるからに他ならない。
ところが群馬県はそれを真に受けた。行政代執行に踏み切る理由について、山本一太知事は 「碑文に問題はないが、論争の対象になっており、公園に置き続けることは著しく公益性に反する」 と説明するが、歴史否定という形態のヘイトスピーチを「一方の論」と扱うことでレイシストたちの思惑に乘ってしまっている。
このように強制撤去を正当化する知事の説明は欺瞞(ぎまん)に満ちる。
「歴史否定のグループのような考えは持っていない」と言うが、県議会や県が県立公園にふさわしいと認めたはずの追悼碑をなくすのだ。歴史の過ちを伝え、反省と友好の思いを寄せる代わりの施設や機会を設けてもいいはずだが、知事はあっさり「これを機に歴史の話をあえて知事として発信することは考えていない」。
こうした姿勢を受け、神奈川で活動するレイシスト集団「日の丸街宣倶楽部」は「朝鮮人碑にガソリンをぶっかけて丸焼きにしろ」とジェノサイドの実行を呼びかけるかのようなヘイトスピーチを行っている。歴史否定に自ら手を染めることで差別を後押しする、まごうことなき「ヘイト行政」である。
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