フリーページ

2024年02月16日
XML
テーマ: ニュース(96854)
カテゴリ: ニュース
私の記憶では、野党議員が国会で質問をする時は、事前に質問内容を内閣に提出し、それを見た内閣の職員が回答文を作文して、その作文を首相や閣僚が棒読みする、事前申請のない質問には回答を拒否するという「悪習」が始まったのは安倍内閣のときからだったように思います。しかし、今やその「悪習」は国会の質疑にとどまらず、メディアを相手にした記者会見の場でも横行していると、朝日新聞記者の冨名腰隆氏が1日の同紙に書いている;




「明日の大臣会見で、私の担当分野に関する質問が出るようです」

 連絡を受けた幹部はそうつぶやくと、部下に電話で要点を伝え「明日の朝までに想定回答を用意しておいて」と指示した。

 国会では、答弁にそなえるため省庁職員が事前に議員から質問内容を聞き取る慣習がある。「質問取り」と呼ばれるこの動きが、記者会見にも広がっていることをご存じだろうか。

 経産省では会見前日になると、担当職員が「ご関心は」と聞き回っている。私たちは幹事社として代表質問をする時を除き質問取りに応じていないが、他社の事情までは知り得ない。

 同僚によれば、 質問取りは他省庁や首相官邸、政党の会見でも常態化しつつあるようだ。応じなければ挙手しても指名されない傾向が強まっているという。

 ある省庁幹部に不満を漏らすと「優秀な閣僚でもすべての政策に通じることは難しい。やむを得ない面もあるのでは」と釈明した。私は同意できない。

 もちろん閣僚も政治家も完璧ではない。知らないこともあるだろう。持ち場によっては担当分野の幅広さに苦労することも分かる。

それでも記者への質問取りは論外だ。事前に質問を把握し、手元の回答を読むだけの会見は、国民から見れば「やらせ」と大差ない。 資料が必要なら自ら想定問答を準備するべきであり、 質問を集めることはカンニングにほかならない。

 質問取りは以前から存在していたが、一部の行為だった。感覚的には 2012年末に発足した第2次安倍政権以降に広がり、公然の秘密になったように思う。

 私は政治取材の経験が長く、振り出しは小泉純一郎首相の番記者だった。日々のぶら下がり取材で質問取りなどなかったし、内閣官房長官や財務相を歴任した与謝野馨氏などは想定外の質問を楽しんですらいた。

 そのやりとりは毎回が真剣勝負であり、取材力や答弁力を磨く場でもあったはずだ。質問取りを経た緊張感なき会見は、互いを高めあう機会も奪っている。

 経産相は昨年末、斎藤健氏に交代した。安定した答弁に定評があり、何より経産官僚出身だ。政策理解に問題はない。その斎藤氏は幹部職員への年頭あいさつで「アリバイづくりの仕事は率先してやめよ」と述べた。ぜひ質問取りからやめてみてはどうか。
<経済部>

     *

<ふなこし・たかし> 2000年入社、政治部、上海支局、中国総局(北京)などを経て、23年5月から現職。通商産業政策を中心に担当。取材時の質問の失敗は数えきれないが、その経験がいまの自分を支えている。


2024年2月1日 朝日新聞夕刊 4版 7ページ 「取材考記-閣僚会見、『質問取り』は論外」から引用

 政府が国家予算を使って行う事業は、千差万別数限りなくあり、その一つ一つについて詳細をすべて記憶することは、普通の人間には無理があるから、野党議員の専門的な質問に正確に回答するには、それなりの時間をかけた調査が必要な場合は多々あることは、素人にも創造がつきますが、それでも昔の政権担当者の皆さんは、いちいち野党議員から「質問取り」などしなくても、大体の応答はできていたのでした。確かに、中には「今、手元に詳細なデーターがないから」と言って、答えは後日に、というケースもたまにはあったが、野党もその辺は気を利かせて、すすんで質問を事前通告することもあり、ある程度スムーズな国会審議ができていたと思います。その辺は、与野党ともに新聞などで世間の関心がどの辺にあるのかを察知して、日ごろから情報を集める努力をしていたものと思われます。ところが、安倍晋三首相になると、彼は漢字を読めない人だったから、新聞など読む習慣はなく、テレビをつければニュース番組など興味はないという人物でしたから、いざ国会で野党議員の質問を聞いても、何を聞かれているのかさっぱり理解が出来ず、したがって何を答えるべきか、見当もつかないという状態だったため、取り巻きが「これは、事前に野党から質問を聞き出して、官僚に答えを作文させるのが得策」という話になったものと思われます。しかも、単なる作文では用が足らず、その作文中の漢字には全てフリガナをつけるという「落ち」までついたのですから、呆れます。そのようにして始まった「質問取り」が、今や記者会見の場にまで広がったとは、正に「落ち目の日本」を象徴しているようで、実にさみしい限りです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024年02月16日 01時00分07秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

コメント新着

捨てハン @ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: